ゲーム『ストリートファイター6』で、小学校2年生の男の子が最高ランクの「マスター」に到達し、世界中のプレイヤーから祝福と称賛のコメントが寄せられています。
話題の少年・タキくんは先日、「ストリートファイター6 リュウとぼくの夏休み!」と題した夏休みの自由研究でも大きな話題に。
自由研究の時点ではマスターの1個下である「ダイヤモンド」ランクまでの到達でしたが、それから約半月かけて、ついに念願の最高ランクまで上り詰めました。
泣いて、苦しんで、もがいて……一人の若きeスポーツプレイヤーの日々を、格ゲー歴15年の筆者が取材しました。
8歳でマスター到達に世界中から称賛
シリーズ35周年を迎えた最新作、カプコンの『ストリートファイター6(以下スト6)』は2023年6月に発売された対戦格闘ゲーム。
全世界販売本数は200万本を超え、公式eスポーツ大会「CAPCOM Pro Tour 2023」の優勝賞金は100万ドル(現在のレートで1億4600万円)と発表されるなど、世界中から注目を集めているゲームタイトルです。
タキくんがプレイヤーの上位約2.9%である最高位「マスター」ランクに到達したとお父さんのtamさん(@t1978ps4)がSNSで報告すると、
💬「8歳!? はっさいでマスター!!?!?!?!???」
💬「おめでとうございます㊗ 凄い8歳だ!」
💬「8歳でマスターになったのが凄いんじゃなくて夏休みっていう期間を使って死ぬほど練習したんやなって思う。年齢じゃなくてどれだけ練習したかが1番凄い事!」
💬「全力で楽しんでる姿が格好いい、おめでとうございます。」
💬「Future world warrior. Congrats buddy!(将来は世界で活躍する戦士だろう。おめでとう同士よ!)」
――など、世界中の先輩プレイヤーたちから称賛のコメントが寄せられました。
『スト6』テーマの自由研究でも話題に
タキくんはこれ以前にも、夏休みの宿題として『ストリートファイター6』を題材とした自由研究でも話題になっていました。
研究のタイトルは「リュウとぼくの夏休み!」。まったくの経験ゼロからスタートし、ダイヤモンドランクを目指しながら『スト6』の面白さをまとめるという内容です。
ゲームのルールや、eスポーツとは何かについて詳細にまとめられており、自身が使用する「リュウ」についてはイラスト付きで「主人公的なキャラ」だと説明。
毎日挑戦したランクマッチでは増減したポイントを記録し、折れ線グラフにまとめるなど見ごたえのある内容となっています。
タキくんは研究の最後に感想として、
<「初心者でも簡単に始められるモダン操作(※)というものがあり、それだったらできそうなので始めてみました>
<対戦相手はほぼ大人ばかりで、最初は勝てなくて何度も辞めそうになったけど、パパに教えてもらい、相手がどう考えてどう対応してくるのか素早く考え、練習したことを出せて勝てると本当にうれしいです>
<ココには書ききれないほど奥深いゲームです。いつかマスターになりたいです!>
――と総括。投稿にはストリートファイター公式アカウントも「100点」と「クラッカー」「ありがとう」の絵文字でリアクションしていました。
(※モダン操作:複雑なコマンド入力を必要とせず、ボタン一つで必殺技を出せたり、簡易入力でコンボができたりする入力方法。操作が簡単になる代わりに、出せる技と威力が減少することでバランスが調整されている)
編集部はタキくんに取材しました。
『スト6』愛にあふれた自由研究、そして念願のマスター到達……タキくんのこれまでの歩みについて、編集部はお父さんを通じて取材しました。
――『スト6』を始めようと思ったきっかけは?
タキくん:パパがやっていたから。
――得意な対戦キャラ、苦手な対戦キャラは誰ですか。
タキくん:得意な対戦キャラはザンギエフ(理由は勝ちやすいから)。苦手なのはマリーザ(理由は逆転力がすごいから)。
――マリーザ強いですよね……使っているキャラクター「リュウ」の好きなところを教えてください。
タキくん:対空がすぐ出る! 真昇龍拳が強くて好き!
――自由研究のテーマを『スト6』に決めた経緯を教えてください。
タキくん:パパと一緒に夢中になっているところを見て、ママが「だったらスト6を題材にしたら」と提案してくれたから。
――お父さんから見て、タキくんの成長ぶりはどうでしたか?
tamさん:連敗すると悔しくて泣いてしまい、プレイが明らかに雑になっていたので、そのたびにストップしてカジュアルマッチで遊ばせたり、やはり精神面は厳しかったです。
あとは記録している途中ではっきり伸び悩んだ時期があって(プラチナ★4あたり)、自由研究の目標にしていたダイヤ達成は厳しいかなと心配したのですが、セットプレイ(※)を教えたところ面白いようにハマり、一気にダイヤに到達していました。
(※セットプレイ:起き攻めなど特定の状況下で、あらかじめ決まった「強い」パターンを覚えて攻めること)
――確かに最終日付近はすごい伸びでしたね! 学校での反響はいかがでしたか?
タキくん:何も言われなかった。
tamさん:小学校だとまだ『スト6』を知っている子はあまりいないようです。
――これから学校でも流行っていくといいですね。自由研究の時点ではダイヤでしたが、そこからマスターランクへ上がるのは大変でしたか?
タキくん:ダイヤ★4、★5の対戦相手が明らかに強くなって、どうやって勝っていくか迷った。
――なるほど、そこから具体的に努力したことはありましたか?
タキくん:お父さんにネットで調べてもらって、リュウの立ち回り、コンボ、セットプレイなどをマネしながら練習しました。
――それを吸収できる8歳……おそるべしです……!! 改めてマスター到達おめでとうございます! 到達したときの気持ちを教えてください。
タキくん: うれしい! ……うれしいしかない!
――今後の目標はありますか?
タキくん:『スト6』は面白いので、このまま続けていきたい。「リュウ」は今後もメインキャラ。「ケン」でもダイヤ、マスターを目指したい。
・・・・・
取材後、筆者も『スト6』プレイヤーなので、一人のプレイヤーとしてお手合わせを願いました。対戦、よろしくお願いします!
白い胴着を着ているキャラがタキくんの「リュウ」です。
つ、強すぎる……!!
持ち味の若さを生かした反応や、難しいコンボを次々と決めていく大人顔負けの入力精度……4試合対戦してもらって、結果は1試合しか勝てず……まいりました!
コロナ禍でゲームセンターの閉店が相次ぎ、一時は“衰退論”もささやかれた格闘ゲームというジャンルですが、『スト6』をきっかけに最高潮の盛り上がりを見せています。今後もタキくんのような次の時代を背負って立つ若者が現れると思うと、ワクワクしてしまいますね。
大人も子どもも楽しめる『ストリートファイター6』は各種プラットフォーム(PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox Series X/S、Steam)で販売中です。