知りたいような知りたくないような、動物たちの愛のかたち

    オスの鳥にはペニスがない…

    1. オスの鳥にはペニスがない。

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    ほとんどの鳥には外性器がなく、その代わりに「総排出腔」がある。総排出腔とは、簡単に言うと、三位一体型の「穴」のこと。ようするに鳥たちは、うんちとおしっこ、セックスという3つの行為をすべて、このひとつの便利な穴を使って行うのだ。オスの場合、発情すると総排出腔が大きくなり、そこから精子があふれ出てくる。オスはこの状態になった総排出腔を、同じく大きくなったメスの総排出腔にこすりつける。すると精子が卵巣に到達して、卵子を受精させるというわけだ。また、一般的に鳥はあまり「実験的」ではなく、ひとつの体位に固執する。オスがメスの上に乗って自分の総排出腔を彼女のそれにこすりつけるだけ。性の曲芸飛行が行われることはない。

    2. ミツバチは、女王バチと何千匹ものオスバチが参加する一大乱交パーティーを開く。そしてオスバチは、その直後に死ぬ。

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    オスのミツバチに与えられた唯一の目的は、女王バチとセックスすること。巣の中のほかの働きバチは、すべて不妊のメスだ。交尾の準備が整った女王バチが外に飛び出すと、オスバチの群れが女王バチのまわりに集まる。オスバチたちは、一度に一匹ずつ空中で、女王バチとの栄光の一瞬を味わい、そして地面に落ちて死ぬ。交尾が行われる場所には、何千匹ものオスバチが集まっていることもあるが、女王バチがその相手に選ぶのは平均で12~14匹だけ。女王バチは生涯、彼らの精子を体内に蓄え、必要なときにそれを使って卵子を受精させる。だから、女王バチがセックスを行う必要に駆られることは二度とない。また、受精卵からはメスバチしか生まれない。それに対して、オスバチは未受精卵から生まれる。つまり、父親バチたちにはすべて、父親がいないのだ。

    3. カタツムリは、「恋の矢」を互いに放ち合う。

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    カタツムリは、雌雄同体の生き物だ(すなわち、男性器と女性器を両方持っている)。したがって、彼らのセックスはとても複雑だ。彼らの体には「生殖孔」がある。生殖孔とは、簡単に言うと一個の穴で、カタツムリはその穴を使って互いの性器にアクセスする。カタツムリのセクシータイムは、触角で互いをそっと愛撫しながら(たぶん)、互いのまわりを回ることから始まる。その後、彼らは先のとがった鋭いカルシウムの矢のようなものを、互いめがけて放つ。彼らはそういうプレイが好きなのだ。この「ラブダート(恋の矢)」は、放った側の体にくっついたままなので、この矢はぬるぬるした恋人同士を結びつけておくのに役立つ。しかし言うまでもなく、先のとがった鋭いものを突き刺し合うという行為には危険がともなう。恋人の内臓を刺し貫いてしまうおそれもある。もしこの時点でどちらも死んでいなければ、両者は互いの体内に精子を送り込む。彼らは雌雄同体であるため、種によっては、この精子の注入を両者が行う場合もあれば、一方だけが行う場合もある。また、ほかに特筆すべき点として、大半のカタツムリは雌雄同体だが、必ずしもすべてのカタツムリが雌雄同体ではないということもあげられる。

    4. ガータースネークは、「交尾ダンスパーティー」でするのが好き。

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    メスのガータースネーク(北~中米に生息する中小型のヘビ)は、オスよりも遅れて冬眠から目覚める。メスが目を覚ますと、オスたちはそのまわりに群がって交尾ダンスパーティーを開催する。その交尾ボールのなかでは、何十匹ものオスたちが、たった一匹のメスに求愛を試みるのだ。オスのなかには、メスのフェロモンを分泌してライバルたちをだまし、注意をそらして本物のメスとの交尾を阻止するものもいる。メスはしばしば、ニョロニョロと逃げ出そうとする。オスたちはとてつもなく暴力的になることがあるからだ。押しが強いオスになると、脱酸素化した空気を放出してメスを窒息状態に追い込み、ストレス反応を生じさせることもある。こうすることでメスの総排出腔が開き、交尾のチャンスをゲットできるのだ。

    5. バナナナメクジは雌雄同体で、体長とほぼ同じ長さのペニスを持っている。交尾が終わると、彼らはそれを噛み切る。

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    アメリカ西海岸一帯に生息し、最大で25センチメートルにもなる、巨大なバナナナメクジ。彼らの交尾の儀式は、移動のあとに残す粘液にフェロモンを注入することからはじまる。このフェロモンで、交尾の準備が整ったことをほかの仲間に教えるのだ。興味をひかれた仲間はその粘液を食べる。バナナナメクジは雌雄同体なので、交尾を行うときは、互いのペニスを挿入し合う。数時間もかけて絡み合い、体が離れられなくなるため、事が終わると、互いのペニスを噛み切るのだ。

    6. オスのトコジラミは、メスの腹にペニスを突き刺し、その死体に精子を注入する。

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    トコジラミのペニスは剣のようになっている。トコジラミのオスはこれでメスの腹を刺し、被害者でありセックスの相手でもあるメスの循環系に精子を放出する。つまり、すべてのトコジラミは自分の母を知らないのだ。

    7. メスのカマキリは、交尾のあと、あるいはその最中に、オスの頭を噛み切る。

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    まず、オスのカマキリはメスにダンスを披露しなければならない。メスは、自分にふさわしいと判断した場合にのみ、オスにセックスを許す。ふさわしくないと判断した場合は、おそらくメスはオスの頭を噛み切ってしまうだろう。だが、このステージを通過したからといって、オスが危機を脱したわけではない。5~31パーセントのケースでは、事が終わると、あるいは場合によってはその最中に、メスはオスの頭を噛み切ってしまうからだ。それ以外のケースでは、終了後、オスは何とか飛んで逃げ切ることができる。だから、必ずしもすべてのメスのカマキリが、そこまで極悪非道というわけではないのだ!!!

    8. 小さなネズミに似た有袋類のアンテキヌスは、数週間連続でセックスに明け暮れる。文字通り気を失い、疲労で死ぬまで。

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    この小さな生き物の寿命は短く、繁殖期を生涯に一度しか経験できない。これに該当するのはオスだが、多くの場合、メスもそうだ。オスは、全精力を2~3週間の繁殖期に注ぎ込む。それが過ぎると、極度の疲労で彼らの重要臓器は機能しなくなり、そのうちに死んでしまう。メスは、最長で3年間生きられるが、通常は、最初の子どもたちが乳離れしたあとに息絶える(なお、多くの場合、子どもたちの父親は複数だ。この発情期に備えてメスは卵子を蓄えており、複数のオスを相手に同時に受胎できるだからだ)。そう聞くと、なんともつらく悲しい一生に思えるかもしれない。でも正直なところ、少なくとも彼らは皆、生きる目的をちゃんと理解し、恋の炎を激しく燃やしているのだ。

    9. オスのタコは、ペニスの代わりに、「改造が加えられた腕」を持っている。「交接腕」と呼ばれるその腕からは精子が放たれる。

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    オスのタコには特別な腕があり、それを使って「精包(精子が入った小袋)」をメスの体のなかに移し入れる。メスはそれを、産卵の準備が整うまで体内で保管できる。オスの実際の生殖器は、体の中にある。この特別な腕のおかげで、オスは遠くからセックスできる。カマキリと同じように、タコのメスにも、カニバリズムの傾向があるのだ。この腕が与えてくれる距離により、オスは、事が終わった瞬間に、危険なパートナーから泳いで逃げるチャンスを得ている。タコというやつは、腕の長さよりも近くに他者を寄せつけたがらないものなのだ。

    10. タコの一種であるタコブネは、特別な「アームペニス」を持っているだけではない。その腕は取り外しもできる。

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    メスのタコブネ(上の写真)は、小柄なオスのパートナーのおよそ20倍もの大きさがある。しかも、その体は貝殻で守られている。一方のオスは、成長しても全長およそ1.3cmの大きさにしかならない。これはつまり、大柄なメスと交尾するには、オスは独創的にならざるをえないということだ。生殖を行うためにオスは、とても小さな、「改造が加えられ、精包がセットされている腕」をメスめがけて放つ。するとその腕はメスの貝殻のなかに入り込み、メスの受精の準備が整うまで、そこに保管される。正直言って、このやり方は、育児と人生設計に対する実に実際的なアプローチに思える。

    この記事は英語から翻訳されました。翻訳:阪本博希/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan