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「性的指向は変わってもいい」再びカミングアウトした歌手の訴えに、当事者が思うこと

「私が『レズビアンです』と言ったら、私はレズビアンなの。誰かが『私はバイセクシュアルです』って言ったら、その人はバイセクシュアルなの」

性的指向が男女どちらにも向く、バイセクシュアルだとカミングアウトした当時、邪悪で顔の見えない反同性愛者たちとの戦いを覚悟していた。

実際、差別を受けたこともあった。

予想していなかったのは、同じLGBTQコミュニティの人たちにも、常に自分の「バイセクシュアル」というアイデンティティを説明する必要があったこと。

バイセクシュアルの存在が疑問視されたり、否定されたりすることを「バイセクシュアルの排除」と呼ぶ。私自身、男性と女性、どちらか一方の相手と付き合うと、バイセクシュアルだという事実がなかったことにされた経験がある。

Reneé at a podium with a microphone overlaid with gender symbols and a rainbow flag

3月末、歌手や俳優として活躍するレニー・ラップが、Xを更新した。

過去にバイセクシュアルだとカミングアウトしていたレニーだが、最近のインタビューでは「レズビアンだ」と公表している。

レニーがセクシュアリティを“再定義”したことに対し、彼女のセクシュアリティを“疑う声”が、コミュニティ内外、どちらからも寄せられた。

レニーはXで、このようにつづっている。

「もし私が『レズビアンです』と言ったら、私はレズビアンなの。誰かが『私はバイセクシュアルです』って言ったら、その人はバイセクシュアルなの。もういろいろ言われるのはうんざり!」

今年2月に行われたHollywood Reporter誌のインタビューで、自身のセクシュアリティを再定義した経緯について、レニーはこう語った。

「自分のことをレズビアンだと言い始めたのは、つい最近のことなの」

「『私は女の子が好き、レズビアンだ』って思える恋愛関係になったのも、最近のこと。映画やゲイカルチャー、特にレズビアンカルチャーに触れて、“これだ”と思ったの」

投稿には、同じ経験を持つ人から共感の声が寄せられた。

Twitter: @soldyoumyheart

「セクシュアリティは変わってもいい。それを認めるかどうか、決めるのは周りの人ではない。あなたのセクシュアリティだもん!」

Twitter: @rappreads

「(LGBTQ)コミュニティ内からも外からも、あなたのセクシュアリティがなかったことにされて本当に残念」

Twitter: @nicknaps100

「バイセクシュアルの私が男性と付き合うと、『隠れゲイだったんだね』と言われ、『ストレートかも。女性って美しいよね』と言うと、『(周りから注目を集めるための)クィアベイティングだ』と言われる。私たちをほっといて!!」

レニーの投稿は、多くのLGBTQコミュニティの人が、公の場で自分のアイデンティティを定義しようとするときに直面する問題を浮き彫りにしている。

自分のセクシュアリティのアイデンティティを確立するのに、とても長い時間がかかる場合もある。経験を積み重ね、自分自身をより深く理解するにつれて、セクシュアリティも進化したり、別の定義になったりする。

“セクシュアリティを定義しなきゃ”と、自分にプレッシャーをかけていた時期がある。

けど、自分のセクシュアリティの定義やそれを説明する用語は、が選んでいい。その意味もが決めていい。常に自分に選択肢があることに気づいた。

An illustration of diverse people with heart symbols on their shirts, representing LGBTQ+ community solidarity

誰と付き合うのか、あるいはLGBTQの“どの頭文字”に属しているのか(または属していないのか)。それを選ぶのは、その人の自由だ。途中で変わってもいいと思う。

常に自分自身にレッテルを貼る必要も、その進捗を公表する必要もないのだから。

この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:オリファント・ジャズミン