テレビ界最高峰の賞といわれる第75回エミー賞の授賞式が1月15日(現地時間)、米ロサンゼルスで開催されました。
俳優アリ・ウォンが、アジア系として史上初めて主演女優賞を受賞するなど、歴史的な瞬間が数多く見られた、今年度の授賞式。各部門で賞を受賞した俳優6人のスピーチをご紹介します🎤
1. キンタ・ブランソン
受賞スピーチでは、コメディへの愛を語りました。
「ドラマ『アボット エレメンタリー』の撮影が大好きです」
「自分の夢だった道を歩み、コメディを演じることができて本当に幸せです」
「私はコメディが本当に大好き。この賞をいただけたのが、とてもうれしいです」
2. アイオウ・エディバリー
アイオウは、ドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』に出演し、コメディシリーズ部門の助演女優賞を獲得しました。
黒人女性が、コメディシリーズ部門の主演、助演どちらも受賞したのは初めてです。
アイオウは受賞スピーチで、両親への感謝の想いを伝えました。
「私に愛情を注いでくれてありがとう。うつくしいと感じさせてくれて、黒人であることを誇りを持つよう教えてくれてありがとう。心の底から愛している」
「アメリカに移住して、娘に『コメディをやりたい』と言われて大変だったと思うけど、お父さんお母さん、大好きです」
ドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』は、今年度の授賞式で、10部門の受賞に輝きました。
3. アリ・ウォン
ドラマシリーズ『BEEF / ビーフ〜逆上〜』に出演した彼女は、リミテッド・シリーズ部門で主演女優賞を受賞しました。アジア系アメリカ人女性で初の快挙です。
受賞スピーチでは、家族への感謝のことばを述べました。
「両親なしでは、今日ここに立つことはできませんでした」
「母と父はすばらしい人なんです。この瞬間を分かち合うため、2人には生きていてほしかった…」
「父はおもしろい人です。いつも私を愛し、失敗することの大切さを教えてくれました」
「そして私の愛する娘たち、マリとニッキーへ。あなたたちは私のすべてです。私の原動力になってくれてありがとう」
4. ル・ポール
ドラァグ・クイーンとしても知られるル・ポール。自身が出演するリアリティ番組『ル・ポールのドラァグ・レース』が、最優秀コンペティション番組賞を受賞しました。
番組のホストとして、8年連続でエミー賞を受賞したのはル・ポールが初です。
『ル・ポールのドラァグ・レース』のエミー賞受賞数は29となり、エミー賞史上最多のリアリティ番組受賞記録を更新しました。
受賞スピーチでは、昨今、欧米で反LGBTQ運動の標的になっている、ドラァグ・クイーンが子どもに絵本を読み聞かせる活動について、言及しました。
「図書館でドラァグ・クイーンに『本を読んであげる』と言われたら、その読み聞かせに、ぜひ耳を傾けてほしい」
「知識は力になります。知識を遠ざけようとする人は、あなたを怖がらせようとしています」
「なので、ドラァグ・クイーンの話を聞きましょう!みなさんを愛しています!」
5. サラ・スヌーク
ドラマ『メディア王 〜華麗なる一族〜』に出演したサラは、ドラマシリーズ部門で主演女優賞を受賞しました。
オーストラリア出身の俳優でこの賞を獲得したのは、彼女が初めてです。
受賞スピーチでは、これから生まれてくる娘に向けて、感謝の気持ちを伝えました。
「いちばん感謝を伝えたいのは、お腹の中にいる娘です。ドラマのラストシーズンの撮影中、彼女はずっとお腹の中にいました」
「妊娠していると、ホルモンがたくさん分泌されるので、お芝居がとてもやりやすいです」
「私に近い場所で娘が成長しているのを感じ、私に力を与えてくれていました。大好きだよ!」
6. エルトン・ジョン
北米での最終公演を収録した『エルトン・ジョン・ライブ:Farewell From Dodger Stadium』が、バラエティ特別番組賞を受賞しました。
今回の受賞で、彼はエミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞をすべて獲得したことになります。
エルトンは、このすべてを獲得した偉人に与えられる称号、「EGOT」の19人目になりました。
受賞式に出席できなかったエルトンの代わりに、プロデューサーのベン・ウィンストンがスピーチを読み上げました。
「エルトンの北米ツアー最終公演、そしてディズニー初の全世界生中継だったので、このパフォーマンスは歴史的なものになると、誰もが思っていました」
「彼は私たちのヒーローです。誰もが知っているサウンドトラックを作り、多くの偉大な功績を残しました」
「EGOT達成、おめでとう」
今年のエミー賞では12の賞のうち、5つを有色人種の俳優が獲得しました。これは1991年に並ぶ記録です。
5つの賞を受賞したのは、キンタ・ブランソン、アイオウ・エディバリー、ニーシー・ナッシュ、スティーヴン・ユァン、アリ・ウォンです。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:久保舞菜美