ベッドシーンの撮影でも「守られていると感じた」。エマ・ストーンが最新作の撮影秘話を明かす

1月26日に全国公開された映画『哀れなるものたち』主演のエマ・ストーンが、インタビューに登場し、同作中の性的なシーンの撮影を振り返りました。

1月26日に全国公開された映画『哀れなるものたち』。主演のエマ・ストーンが、作中に登場するベッドシーンの撮影を振り返りました。

Michael Kovac / Getty Images for AFI

同作は、天才外科医の手によって脳を移植され生き返った主人公ベラが、旅をしながらさまざまな経験をし、成長や変化を遂げる物語。

エマ演じるベラが、時代の偏見から解き放たれ、いかに自由と解放を手に入れるかがテーマであり、その途中で多くの性行為も経験します。

エマはこの作品で、第81回ゴールデングローブ賞、ミュージカル・コメディ部門の主演女優賞を受賞しました。

エマは先日、NPR誌のインタビューに登場し、同作におけるインティマシー・コーディネーターの重要性を語りました。

Searchlight Pictures / Courtesy Everett Collection

インティマシー・コーディネーターとは、性的な場面の撮影で、俳優の心身の負担への配慮と、制作者の演出意図の実現を両立するために、両者のあいだで調整を行う人のことです。

性的な場面の動きなどを決め、場面を演じる俳優だけでなく、作品に関わるすべての人が気持ちよく撮影に参加できるようにする役割を持ちます。

一方、性的なシーンの撮影に、第三者が入ると気まずくなる、あるいは俳優の自発性を重視したいという理由で、インティマシー・コーディネーターを置かない俳優もいます。

Searchlight Pictures / Courtesy Everett Collection

エマは、インティマシー・コーディネーターを置くことで、俳優自身の身体的負荷が減ると説明します。

「（同作のインティマシー・コーディネーターの）エル・マカルパインがいてくれて、私は自分が守られているように感じた。どう演じたらいいか、アドバイスをもらうこともできた」

「性的なシーンを撮影した日の終わりには、メッセージを送り合い、その日の撮影がどうだったか、何か思ったことはあるかを伝えた。このステキな関係性は、本当に意味あるものだと感じた」

Searchlight Pictures / Courtesy Everett Collection

「インティマシー・コーディネーターを採用するか否かは、もはや選択の余地すらないことだと思う」

「ここ5年間で、（インティマシー・コーディネーターが現場につく撮影が増え、）業界はよりよい方向に大きく変わった」

たとえ撮影だとわかっていても、性的なシーンの撮影は、俳優に大きな身体的負荷を強いるものだと、エマは語ります。

Dimitrios Kambouris / Getty Images

「どこかで読んだ話だけど、例えば、ドラマチックなシーンの撮影中の俳優が、舞台セットで1日に90分間、感情的なシーンを演じたり、一人芝居をしたりする」

「すると、事故にあったときと同じくらい、心臓の鼓動が早くなるなどの身体的反応があるらしい」

「それは、そのようなシーンを演じると、まるで自分が本当に経験しているかのように、自分が表現する人物の感情に合わせて身体が呼応してしまうから」

「ただ演技をしているだけで、現実の世界で性的な行為をしているわけではないと頭でわかっていても、その演技に自分の身体がどう反応しているか、きちんと認識できないことがあると思う」

この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳：筒井華子