テレビドラマ『フレンズ』のレイチェル役で知られる俳優のジェニファー・アニストンが先日、Varietyのインタビューで語った撮影秘話が、批判を呼んでいる。
ジェニファーは、2019年に放映されたドラマ『ザ・モーニング・ショー』で主演のアレックス役を務めた。
シリーズ3作目では、俳優のジョン・ハム演じるポールと性的な場面を演じた。
キャリアを通して、同作品で初めてベットシーンを撮影したというジェニファー。もともと友人としての付き合いが長かったジョンが、撮影時に手厚くサポートしてくれたと振り返った。
「居心地が悪いと思うことはなかった」
「ジョンはいつも紳士的だった。どんな動きをするときも、どんなカットでも、『大丈夫?』と聞いてくれた」
加えてジェニファーは、同シーンの撮影においてインティマシー・コーディネーターをつけなかったと明かした。
インティマシー・コーディネーターとは、性的な場面の撮影で、俳優の心身の負担への配慮と、制作者の演出意図の実現を両立するために、両者のあいだで調整を行う人のこと。
性的な場面の動きなどを決め、場面を演じる俳優だけでなく、作品に関わるすべての人が気持ちよく撮影に参加できるようにする役割を持つ。
インティマシー・コーディネーターを採用することは法的な義務ではない。
しかしハリウッドでは、#MeToo運動の影響で、性暴力や性被害を生まないよう、性的な場面の撮影に専門の監督者を置くことが一般的となっている。
#MeToo運動は2017年、ハリウッドに端を発し、世界的に広がった連帯運動。長年抑圧されていた女性たちが、#MeTooというハッシュタグを使い、性被害や性暴力を世界に向けて告発した。
ジェニファーは、同作品ではインティマシー・コーディネーターは必要ないと判断した理由を語った。
「制作側は私に、インティマシー・コーディネーターは必要かどうか聞いてきた。私は年配の俳優なので理解できず、『それなに?』と聞き返した」
「説明を聞き私は『お願い。撮影だけでも気まずいのに、これ以上人を増やさないで』と言った」
「ジョンも私もベテランだから、自分たちでなんとかできると思った」
これに対しネットは、ジェニファーの自由な選択を尊重しながらも、インティマシー・コーディネーターの役割を矮小化する発言に対し、批判の声が上がった。
💬「インティマシー・コーディネーターは、撮影中の気まずさを減らし、俳優同士の信頼関係を築く人物だ」
「ジェニファー自身にとって、インティマシー・コーディネーターが不要なのはいいけれど、インティマシー・コーディネーターは、ジェニファーだけでなく、演技全体をよりよくするのに効果的な仕事なんだ」
💬「インティマシー・コーディネーターは、俳優たちだけでなく、撮影に関わるすべての人が気持ちよく撮影できるように現場にいる」
「ジェニファーが、インティマシー・コーディネーターなしで気持ちよく撮影できたのはいいことだ」
「でも、撮影に関わるほかのスタッフも、全員が心地よく仕事ができなきゃダメだと思う」
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:筒井華子