「無料映画チケットをプレゼント」というテキストメッセージを送ることは違法なのか? オーストラリアのある事件が話題に

    嘘のピザの注文をしたことで逮捕された男性。彼を突き止めた捜査方法は果たして許されるものなのか?

    見知らぬ女性にピザを送りつけていた男性が、無料の映画チケット郵送の罠に引っかかり逮捕された。

    しかし、電話を使った成りすましへの有罪判決はニュージーランド高裁により覆されている。

    ニュージーランド・ティマールに住むリチャード・アーサー・ジェームズ・クラウフォードは2017年に3000円相当のドミノピザの嘘の注文を行い、ある女性がこの配達されたピザを受け取った。

    裁判官によると、この女性はピザの配達だけでなく、さまざまな成りすましの被害を受け、困惑しているという。病院に連れていくためのタクシーが配車された日もあった。しかし、残念ながら警察はこれらの容疑を固めるだけの証拠を掴むことができていなかった。

    クラウフォードは2017年11月に有罪判決を受けたが、高等裁判所は提出されたクラウフォードの自白を証拠として認めていない。彼の自宅を突き止めるプロセスにおいて送られた無料の映画鑑賞チケットに関するテキストメッセージが適切でなかったと判断したためだ。

    裁判官のジャスティス・ニコラス・デイビッドソンによって説明された経緯によれば、クラウフォードが注文したのは2枚のピザとガーリックトースト1つ。ピザを受け取った女性は注文した人物の電話番号を入手し、警察へ通報した。

    「巡査部長がこの電話番号に何度か電話をかけたが、つながることはなかった」と裁判官は述べる。「警察のデータベースで電話番号の照合も行なったが、所有者を特定することはできなかった」。

    「そこで彼は『いつもご利用ありがとうございます。あなたは2017年12月6日までにご利用可能な映画の無料鑑賞チケット2枚の当選者に選ばれました。お名前とご住所を教えてください」というテキストメッセージを送信した」

    するとクラウドフォードからすぐに返信が届いたという。そこには彼の名前と住所が記載されていた。

    後日、警察がその住所を訪ねると明かりがついていた。そこでドアをノックし、クラウドフォードと彼の父親に話を聞くことにしたという。

    「捜査を担当した警察官は成りすましで注文されたピザについて彼らに質問を行ない、警告した」という。被告はこれらの呼びかけに答えることはなかった。

    「警察官は自分が映画鑑賞チケットの件を連絡した張本人であることを告げた。あまりの衝撃に彼は自分の頭を叩き、『そんなバカな』と吐き出した。その後、警察署まで同行。犯行を自白した」

    地裁でクラウドフォードに有罪判決を下した判事は自白した経緯は適切でなかったことを認めている。しかし、その点については目をつむり証拠として提出することを認めた。

    「自白の中身について納得はしていません。自ら頭を叩き、『そんなバカな』と口にして、自白したことは捜査上の不適切な行為と結びつきます」と地裁の判事は結論づけた。

    デイビッドソン判事は、映画のチケットとテキストメッセージでクラウフォードを騙したことと彼の自白には関連はないと考えている。

    「捜査官に場所を明かさないためのトリックは非常に巧妙なものです。しかし、捜査官の機転で彼の住所、そして『そんなバカな』という一言を引き出すことができました」とデイビッドソンは語る。

    「彼は自分の負けを認めたはずです。そして警察に協力することを選んだのでしょう。彼の所在は合法的な捜査によって導き出すこともできたかもしれません。しかし、その可能性は低いと言えるでしょう」

    デイビッドソンは警察の「部分的に悪質な行為」を認めながら、クラウドフォードの行動は「女性を対象に、匿名で」行なっており「悪ふざけ」で済ませることはできないと記している。

    「クラウドフォードさんのような欲にかられ、人を騙したしっぺ返しを食らったケースに人々の注目はつきもの」だ。

    しかし、彼は警察の法律にそぐわない捜査を推奨していない。


    この記事は英語から翻訳されました。

    BuzzFeed JapanNews