新型コロナウイルスの流行により、世の中に定着しつつある「新しい生活様式」。
しかし、それによって新たに困りごとが生まれてしまった人たちがいます。視覚障害者の方々です。
一般社団法人盲導犬総合支援センターの公式キャラクター、もうどう犬エルくんは「道案内するとき」「店内に入るとき」「レジで並ぶとき」の3つのケースについて、現在の感染状況に即した、盲導犬ユーザーへの「新しい」声かけ方法をTwitterで呼びかけました。
投稿は1万6000以上のリツイート、1万8000以上のいいねを集め、大きな話題に。
「自分も見かけたらそのように行動します‼️」「新たな生活様式での手助けが出来ると分かり嬉しいです」などのコメントが寄せられています。
ツイートで紹介された3つのケースは、以下の通りです。
1.道案内するとき
新型コロナウイルス流行前は、盲導犬ユーザーにひじを持ってもらうなどして、目的地まで誘導していました。
しかし、接触することが難しい場合も多いコロナ禍では、少し前を歩き、声で誘導するという方法が推奨されています。
2.店内に入るとき
新型コロナウイルス流行前は、特別な補助はなくても、そのまま入店できていた盲導犬ユーザーと盲導犬。
コロナ禍では、入り口に設置されたアルコールを利用するためにも声かけが必要です。
3.レジで並ぶとき
以前は前の人の足音などを頼りに列の進みを判断していました。
しかし、レジに並ぶ列もソーシャルディスタンスが採用されている現在、視覚障害のある人は前に並んでいる人の位置を把握しにくく、列の進み具合が分かりづらくなっています。
そんな時は、前後に並んでいる人が列の進み具合を伝えてあげると、スムーズにレジを利用できるようになります。
投稿のきっかけは?
BuzzFeedは、盲導犬総合支援センターの担当者に狙いを聞きました。
情報発信のきっかけは、「コロナ禍においてソーシャルディスタンスが推進されるなか、盲導犬ユーザーに取って大切な情報源である周囲の方からの声かけが減ってしまっているという声を聞いたこと」だったそうです。
「声をかけたら、余計なお世話だと思われてしまうかもしれない」と心配な時は、どうしたらいいのでしょうか?
センターの担当者は「盲導犬に出会ったとき、まずお願いしたいことはそっと温かく見守っていただくこと」と説明します。
その際、何か困っていそうな様子を感じたら、「お手伝いしましょうか?」と尋ねるとスムーズです。
重要なのは、犬ではなくユーザー本人に声をかけること。
腕を突然引っ張ったり、犬のハーネスを引っ張ったりするような声のかけ方は危険なため、避けなければいけません。
真後ろから声をかけると、ユーザーは体の向きを変えて答える必要があり、進行方向がわからなくなってしまいます。このため、ユーザーの前に立って声をかけるのがポイントです。
センターでは「声かけパンフレット」を作成・配布しています。
パンフレットでは、「信号待ちをしているとき」「道に迷っていたとき」「駅のホームやバス停にいるとき」なども、声かけが嬉しい場所として紹介されています。
「お手伝いをお願いしたい内容は人それぞれです。きっかけができたら、その時はぜひご本人に希望を聞き、実践をお願いいたします」
Twitter上で注目を集めた、コロナ禍の声かけ方法。
話題になったツイートを投稿した、盲導犬総合支援センターの「もうどう犬エルくん」は、次のようにコメントしています。
「たくさんの人が、新しいお手伝いの輪を広げてくれて、とっても嬉しいよ! みんなのちょっとした声かけが、盲導犬ユーザーにとっては大きな安心につながるんだよ」
〈サムネイル / セツサチアキさん提供〉
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