新型コロナワクチンなどを開発・製造・販売しているファイザー社をめぐり、日本法人の本社が入居するビルから看板が撤去されたことや、サイトが一時閲覧できなかったことに関連して、「計画倒産」「夜逃げした」「ワクチン訴訟を恐れ逃亡」などとする情報が拡散した
「反ワクチン」の文脈による広がりとみられ、Twitterでは10月24日朝に「ファイザー」がトレンド入りする事態にまで発展した。しかし、これは誤情報だ。
看板の撤去は契約更新に基づくものだが、同社は変わらずビルに入居し、営業を続けている。また、サイトは一時的なトラブルで閲覧できなくなったが、すでに復旧済みだ。
BuzzFeed Newsはファクトチェックを実施した。
ファイザー社に関するツイートが相次いだのは、10月24日深夜ごろ。サイトが閲覧できなくなったことに関するツイートが広がったことがきっかけだ。
「ファイザーホームページ閉鎖のお知らせ」としたスクリーンショット動画も「逃げ出したかも」と投稿され、2000以上のいいねを集め、14万再生を超えている。
これに合わせ、同社日本法人の本社が入居する新宿文化クイントビル（東京都渋谷区）に掲げられていたロゴの看板が、この夏に撤去されていることをサイト閉鎖と関連づける投稿も増えた。
「計画倒産」などと疑う声や、ワクチンに関する「訴訟恐れて逃亡」などとする憶測も入り乱れ、拡散。朝には「ファイザー」がトレンド入りした。いずれもワクチンに反対する立場などからの発信が中心とみられる。
前述の通り、こうした憶測はいずれも誤情報だ。そもそもサイトは閉鎖ではなく同日午後には復旧しているし、看板は撤去されても、ファイザー社は同じビルに入居を続けている。
ビルの管理者は…
BuzzFeed Newsのメール取材に応じたファイザー社の広報担当者によると、サイトの障害の原因は調査中。また、看板の撤去については「入居物件の契約事項により対応しています」とだけ回答した。
一方、ビルを管理する住友不動産の担当者によると、同社は現在も変わらず入居を続けている。
また、企業の看板をビルに掲示するためには別途契約が必要で、ファイザー社の看板の撤去は更新時期のタイミングにあたるものだったという。現状では再掲の予定はないとしている。
なお、ファイザー社は2021年にロゴを変更していることから、ロゴ変更で看板の撤去ないしは作り直しをするのでは、と関連を指摘する声もある。
ワクチンをめぐっては、いわゆる「陰謀論」がたびたび拡散している。誤情報などがきっかけとなり一気に広がりを見せることがあるため、はっきりした根拠を示さない断片的な情報や憶測には注意が必要だ。
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- 根拠不明 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
- 誤り 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
- 虚偽 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
- 判定留保 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
- 検証対象外 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。