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「ステレオタイプと違う形の報道」 BuzzFeed Japanが「貧困ジャーナリズム賞」を受賞

「貧困問題への理解と意識を持ち、正確かつ継続的に報道するジャーナリスト個人」を対象としている賞だ。


格差や貧困などをテーマにした報道を表彰する「貧困ジャーナリズム大賞2017」の授賞式が9月11日、東京都渋谷区の東京ウィメンズプラザであり、BuzzFeed Japanの貧困に関する一連の報道が「貧困ジャーナリズム賞」を受賞した。

貧困問題に取り組むさまざまな個人、団体を結びつける「反貧困ネットワーク」が主催する同賞は、2008年に設立。

「貧困問題への理解と意識を持ち、正確かつ継続的に報道するジャーナリスト個人」を対象としており、今年で10年目。全国紙やテレビなど大手メディアではないインターネットメディアの受賞は珍しい。

2016年1月にローンチしたBuzzFeed Japanはこれまで、沖縄やLGBTの人たちの貧困、子どもや女性の貧困、過労死や労働者の現状など、国内外の貧困問題などについての記事を配信してきた。



主催者のコメントは以下の通り。

インターネットメディアの自在さを活用して、現代人が直面する様々な貧困の断面をルポ。既存のメディアが書いていない切り口で多様な形で取り上げたことは、何かと「○○シリーズ」で括りがちなステレオタイプと違う形の報道スタイルがありうることを示した。

受賞後、BuzzFeed Newsの小林明子エディターは、「すべての問題の根底には『貧困』があり、地続きになっている。読者が『自分ごと』として受け取れるよう、多方面から伝えてきた」とあいさつ。

貧困問題の一つである「情報格差」に言及し、「スマホさえ持っていれば、なんらかの情報にたどり着き、解決の糸口を探してもらえるかもしれない。そういった目線で、これからも発信を続けていきたい」などと語った。

その後のシンポジウムでは、ジャーナリストの水島宏明・上智大学教授や、竹信三恵子・和光大学教授と各受賞者がパネルディスカッション。

「貧困問題を伝える難しさ」ついて、「貧困バッシング」をどう回避するべきか、取材相手とどう信頼関係を築いていくのか、などについてそれぞれの経験談をもとに話し合った。

水島教授はここで、「新聞やテレビ、ネットも含めたメディアは、ある種のレッテル張りによって物事を理解しやすいように伝えてしまう。このことが真実を遠ざけてしまうことにつながるかもしれない」などと指摘した。


小林明子エディターの受賞コメント全文

BuzzFeed Japanは、現代人が直面する様々な貧困の断面をルポしてきました。紙幅の制限や伝統的なしがらみのない新しいインターネットメディアとしての特性を活かし、切り口をしぼったり「シリーズ」として一括りにしないことで、様々な世代、性、地域、経歴の誰にとっても「貧困」は隣り合わせにあることを伝えようとしてきました。これはBuzzFeed Newsのモットーである「Reporting to you」(あなたに届けるニュース)に沿ったスタイルであり、今回、一度きりの企画ではない「一連の報道」として評価されたことを光栄に思います。


BuzzFeedはエンタメとニュースの総合メディアです。ともすれば、真面目なニュースだけではなく、エンタメも扱うメディアは信頼度が低いと思われがちですが、この多様性にも私たちの思いがこもっています。普段ニュースを読まない人が、私たちのメディアにエンタメコンテンツを読みにきて、ついでにニュースも読む。「貧困」というと自分とは関係ない問題だと思っている人でも、クイズや診断などのコンテンツを楽しむうちにブラック労働のニュースに触れるかもしれません。ニュース記事でも写真を多用するなど、エンタメコンテンツでバズった手法を取り入れて、より多くの人が読みやすいよう書き方を工夫しています。

貧困の大きな要因の一つに「情報格差」があります。インターネットを通じて誰もが気軽に多様な情報に接することができ、問題や悩みの解決につながる。それを目指して、BuzzFeed Japanはこれからも発信していきます。


その他の受賞者(順不同)

貧困ジャーナリズム大賞

  • 該当者なし

貧困ジャーナリズム特別賞

  • NHK「ハートネットTV」担当「障害者施設殺傷事件から1年」のシリーズなど(大麻俊樹・浅田環・林きよみディレクター、中野淳アナほか)
  • 沖縄タイムス連載企画「『働く』を考える」など「子どもの貧困」の背景にある親の低賃金や長時間労働に関する一連の報道について(学芸くらし班、高崎園子記者、座安あきの記者、榮門琴音記者)

貧困ジャーナリズム

  • NHKスペシャル「見えない“貧困”~未来を奪われる子どもたち~」(高橋裕太ディレクター、新井直之ディレクター)
  • NHKスペシャル「ばっちゃん~子どもたちが立ち直る居場所~」(伊集院要ディレクター)▽毎日放送、映像‘17「支えて、支えられて~生活保護の現場と『みさ姉』~」(斉加尚代ディレクター)
  • 関西テレビ、ザ・ドキュメント「そよ風が残したもの~障害者殺傷事件の波紋~」(真鍋俊永ディレクター)
  • 共同通信「非正規公務員の労災についての一連の報道」(金沢支局、国枝奈々記者)
  • テレビ東京、ガイアの夜明け「密着!会社と闘う者たち 第2弾」(ドキュメンタリージャパン、岡部統行ディレクター)


Kota Hatachiに連絡する メールアドレス:Kota.Hatachi@buzzfeed.com.

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