プーチン大統領、プリゴジン氏の死を事実上認める。有能なビジネスマンとしつつ「人生で重大な間違いを犯した」

    90年代初頭から旧知の仲だったプリゴジン氏について「複雑な運命を辿った人」と表現。「人生で重大な間違いも犯したが、結果も残しました」と振り返りました。

    ロシアのプーチン大統領は、同国の民間軍事会社「ワグネル」の創設者、エフゲニー・プリゴジン氏が死亡したことを事実上、認めました。

    プリゴジン氏の名前が搭乗者名簿にあるビジネスジェット機が8月23日にロシア国内で墜落。「暫定データでは乗員乗客10人全員が死亡している」と航空輸送局が発表していました

    2023年8月24日、プシーリン氏とモスクワで会談するプーチン大統領(AFP=時事)

    ロシア国営メディア「RT」によると、プーチン大統領は24日、首都モスクワでウクライナの親ロシア派指導者デニス・プシーリン氏と会談しました。飛行機の墜落を「航空事故」で「悲劇」と表現しつつ「犠牲者の遺族の皆さまに心からお悔やみを申し上げます」と哀悼の意を示したそうです。

    また、90年代初頭から旧知の仲だったプリゴジン氏について「複雑な運命を辿った人」と表現。「人生で重大な間違いも犯したが、結果も残しました」と振り返りました。「重大な間違い」とは、6月にワグネルを率いて反乱を起こし、モスクワに向けて進軍したことを指していると見られます。

    さらに、「有能なビジネスマン」としてアフリカでも活躍し、石油、ガス、貴金属、宝石を扱って成果を挙げていたこと。墜落当日はアフリカから帰国したばかりで、ロシア当局者と会っていたことなどを明らかにしました。

    裏切り者に死を? プーチン大統領の関与を指摘する声も

    プリゴジン氏の死について、欧米諸国ではプーチン大統領の関与を指摘する声も出ています。

    ロイター通信によると、元CIA作戦上級将校でモスクワ支局長を務めたダニエル・ホフマン氏は、今回の「事件」はプーチン大統領の命令で起きたと確信しているとして、次のように述べています。

    「自分たちが残忍で冷酷であり、プーチン大統領を裏切る者は誰でも究極の代償を払うことになるということを部下たちに知ってもらいたいのだろう」

    【動画】「プリゴジン氏の飛行機」が墜落する瞬間

    ロシア国営メディア「RT」はSNSで、プリゴジン氏が搭乗していたとされる飛行機がトヴェリ州で墜落する瞬間の動画を投稿しています。

    Plane Crashes in Russia's Tver Region pic.twitter.com/IuIlgZ91HZ

    — RT (@RT_com) August 23, 2023
    Twitter: @RT_com