私はウクライナに住む15歳。夢は日本でマンガ家になること――戦時下の“日常”を描いた4コママンガ

    4コママンガ『ウクライナのあかりちゃん』が電子コミックで発売。作者は現地に住む15歳の女性です。発売までの経緯を聞きました。

    BookLiveは6月20日、4コママンガ『ウクライナのあかりちゃん』を電子コミックで発売しました。

    作者のAkari Sayakaさんは、ウクライナに住む女性。日本で漫画家になることを夢見る15歳です。

    金曜日の朝、「今日こそ状況はよくなるかな?」とテレビをつけるも、映るのは緊迫したスタジオ。

    ぬいぐるみを手に「ママ、この子たちも連れていっていい?」と聞く時の、目的地は避難シェルター。

    かわいらしい絵柄ですが、描かれているのは戦時下の日常です。

    ウクライナに住む 15 歳の少女、あかりちゃんは日本のマンガとアニメが大好きな女の子。

    彼女の夢はいつか日本でマンガ家になること。そのために毎日マンガを描いていました。 ウクライナの日常は変わってしまったけれど、マンガ家になる夢は変わらない。

    これはそんな少女の日常を描いたお話です。

    一体どんな経緯でマンガ化に至ったのでしょうか? 担当編集に聞きました。

    Twitterでの持ち込みから

    出会いは2021年夏。Twitterで作品の持ち込みを募集していたところ、DMを通して英語のマンガの“持ち込み”があったそう。

    「日本のマンガやアニメが好きだという彼女の作品に粗削りだが光るものを感じ、やりとりを開始しました」

    半年前、DMに英語の持ち込みがありました。 話を聞くと「日本のマンガが大好きなので、いずれマンガ家になって日本に住みたい」というウクライナの少女でした。彼女とネームやデザインラフのやり取りをする間に、情勢は悪化の一途を辿りました。 彼女は今、ウクライナの日常を描いてます #ウクライナ https://t.co/K9tSnzWDkU

    Twitter: @kumagoroshi58

    最初はストーリーマンガを描いていましたが、実力を向上するため、自身を主人公として、もっと身近な出来事を題材に4コママンガを描いてみるようにアドバイス。

    それを継続的にTwitterにアップすることで、まずは「自分のマンガが人に読まれる」体験を重ねてみてはどうか……と提案したそうです。

    提案をもとに、Akariさんが4コママンガを描き始めた数日後にウクライナ情勢が一変。

    人命と安全を最優先に、Akariさんやご家族の安否を常に確認しながら、書籍化に向けて書影の作成や内容のブラッシュアップをリモートでおこなったと言います。

    Akariさんは、自身のTwitterアカウントで今も日々更新を続けています(セリフは英語)。

    『ウクライナのあかりちゃん』は各電子書籍サイトで配信中。全19ページで、価格は100円(税別)です。

    著者印税および配信にあたっての諸経費を除いた売上は、ウクライナへの支援金として国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に寄付されます。