実業家のイーロン・マスク氏に買収されて以降、有料ユーザーを優遇する措置が続いている「X」(旧Twitter)ですが、ついに年間1ドル支払わないと投稿やDMができない」という措置が試験的に始まりました。
X社の公式アカウント(@Support)は日本時間10月18日午前、ニュージーランドとフィリピンで新しいプログラム「Not A Bot」を「本日からテストしています」と投稿しました。「新規の未認証アカウントは、投稿や他の投稿とのやり取りを行うために、年間1ドル(約150円)の課金をする必要があります」と続けています。
既存のユーザーは「影響を受けない」とした上で、X上で自動投稿などをする「ボット」の活動などを減らすための措置で「収益化に向けたものではない」と説明しています。
マスク氏が「利用者に少額の月額利用料を課す方向」と発言して波紋を呼んでいた
X社のオーナーであるマスク氏は9月19日、「Xのシステム利用者に少額の月額利用料を課す方向へ移行しようとしている。それがbotに対抗するための唯一考えられる手段だ」と発言して世界的に報道されました。
その後、マスク氏は報道を打ち消す投稿をしていましたが、今回のテストは以前の発言に沿った内容になっています。
X社公式サイトの告知によると、今回導入される課金プラン「Not A Bot」は、ニュージーランドとフィリピンの新規アカウントが対象。この2カ国で作られるアカウントは、まず電話番号を認証した上で、年会費1ドル相当(ニュージランドの場合は1.43ニュージランド・ドル、フィリピンは42.51ペソ)を選択することになります。
その上で初めて、ウェブ上でコンテンツの投稿、投稿の「いいね」、返信、他のアカウントの投稿の再投稿と引用、投稿のブックマークができるようになるそうです。スマホやタブレットPCのアプリ版がどうなるかは記載されていません。
課金しなければ、PC上のXでは投稿の閲覧以外は実質的に何もできなくなるとみられます。今回が単なるテストで終わるのか、日本を初めとした世界各国のXユーザーの有料化に向けた布石となるのか注目を集めています。
X社の有料化テストの告知投稿の日本語訳
本日からニュージーランドとフィリピンで新しいプログラム「Not A Bot」をテストしています。新規の未認証アカウントは、投稿や他の投稿とのやり取りを行うために、年間1ドルの課金をする必要があります。このテストでは、既存のユーザーは影響を受けません。
この新しいテストは、すでに成功しているスパム、プラットフォームの操作、ボット活動を減らす努力を強化するために開発されました。これは収益化に向けたものではありません。
そしてこれまでのところ、サブスクリプションの選択肢は大規模に機能する主要なソリューションであることが証明されています。