日本の『バービー』配給会社が「極めて遺憾」と謝罪
映画『バービー』国内公式アカウントは7月31日、海外のファンを中心に流行していたムーブメント「#Barbenheimer(バーベンハイマー)」について、X(旧Twitter)で謝罪しました。
投稿では、日本での配給元であるワーナーブラザースジャパンの名義で「アメリカ本社の公式アカウントの配慮に欠けた反応は、極めて遺憾なものと考えており、この事態を重く受け止め、アメリカ本社に然るべき対応を求めています」「不快な思いをされた方々には、お詫び申し上げます」と、アメリカ本社に代わって謝罪しています。
問題となった『バービー』公式の投稿とは?
アメリカではバービー人形を実写化した『バービー』と、原爆開発者のオッペンハイマー博士の生涯を描いた『オッペンハイマー』が7月21日に同時公開されました。作風が対照的な2作品を面白がったファンの間で、両作品のキャラクターを一緒に描く「バーベンハイマー」というネタがブームになっていました。
「DiscussingFilm」というメディアが日本時間7月12日、X(旧Twitter)に、あるユーザーが描いたバーベンハイマーのイラストを投稿しました。爆風を前にしたオッペンハイマー博士の肩にバービーが乗って手を振っているというものでした。これに『バービー』の公式アカウントが「忘れられない夏になるでしょう」と日本時間21日にリプライしたことで、日本語圏から批判が殺到しました(8月1日現在、投稿は削除されています)。
「公式が原爆ネタに便乗してる」
「もうバービーという映画を心から楽しむことができない」
「原爆は笑いのタネにしていいものではない」
などの声が寄せられています。
著名プロデューサーが日本語で謝罪。「アメリカの若者は歴史認識がなく、他人の感情に対して失礼」
ホラー映画『ヴァチカンのエクソシスト』のプロデューサー、ジェフ・カッツさんも今回の騒動に言及しました。同作品は7月14日に日本公開が始まって以来、「ヴァチクソ」の愛称で日本のSNSでも人気が沸騰しています。
カッツさんは日本時間8月1日、「このようなことが起こって大変申し訳ございません。アメリカの若者は歴史認識がなく、他人の感情に対して失礼です」とXに投稿。アメリカ人を代表する形で日本の人々に謝罪しました。
「日本が味わった苦しみは、世界のどこでも二度と繰り返してはなりません。戦争ではなく愛を!」と反戦の思いを綴っています。
この投稿に対して、「海外の映画関係者がこの様に寄り添ったコメントをしてくれるのは嬉しいし、救われる」「今日一番嬉しくて泣いてしまった。この言葉をアメリカ公式のバービーから欲しかった」などと感激する声が多く寄せられています。