スポーツウェアメーカー「アディダス」が発表したスポーツブラの広告が、イギリスの広告審査機関から注意勧告を受けた。
広告には、さまざまな形のバストやサイズを受け入れ、多様性を尊重するメッセージが込められており、25〜65人の女性のトップレス写真が使用されていた。
ASAは、アディダスのポスター広告やトップレスの写真を使用したツイッター投稿に対し、24件の苦情が寄せらていたことを明かしている。
「広告に使われた写真はヌード写真であり、女性を性的な対象として扱っている」「子どもの目に見える場所には相応しくない広告」といった内容だったという。
アディダスへの照会を含めた調査の結果、ASAは同広告に「女性を性的な対象とする意図はない」としつつも、「裸の胸の写真はヌードとして捉えられる可能性が高く、子どもを含むあらゆる年齢層の人が目にする可能性がある」と指摘。
そのうえで広告が規範に反すると結論付け、「不快感を与えないよう、ターゲット層を考え、苦情のあった形の広告は掲載しないよう」警告したとしている。
インターネット上では、アディダスの広告を支持する意見が目立つ。
「アディダスのブラが欲しくなった。広告が規則違反なんてありえない。公共の場でトップレスになることは違法ではない。暑い日にシャツを脱いで、トップレスになる男性がいるじゃないか」
「はじめて広告をみたとき、素敵だなと思った。これが性的だなんて、思いもしなかった」
一方で、本当に胸を出す必要があったのか疑問視する声も上がった。
「いろいろな形のバストがあることくらい、みんな理解している。わざわざ広告で見なくてもいい」
「確かに女性のボディ・ポジティブも大切だけど、男性も同じくらい大切。さまざまなサイズの男性器を写した広告はどこ?アディダスは、男性下着もたくさん作っているはずだよね?」という意見もあった。
このツイートに対し、あるユーザーは「あなたは性器と胸を比べているけど、それはナンセンスだと思う。スポーツウェアの広告写真には、上半身裸の男性はたくさんいる」と反論している。
アディダスは、ASAから勧告を受けた後も、広告が意味するメッセージを「誇りを持って支持する」と述べた。
「ASAからの勧告は、メールやバナー広告に、今回の広告(女性の裸のバスト)が使われていることに関してであり、広告や、広告が意味するメッセージを否定しているわけではないことを強調したい」と続けた。
広告の写真に使用されたモデルたちは、アディダスの広告コンセプトに賛同しており、同意の上で撮影に挑んでいるという。
また、アディダスの広告代理店は、事前にASAの姉妹組織「広告慣行委員会(CAP)」に今回の広告を提出しており、その助言に従って学校や宗教施設の近くには広告を掲示していなかった。