【初】ダウン症のバービー人形が発売。当事者家族から喜び「2体も買っちゃった!」

    米玩具店メーカー「マテル社」が4月25日、新たにダウン症のバービー人形を発売した。ネットでは、「多様なバービー人形が見られて嬉しい」といった声が上がっている。

    米玩具店メーカー「マテル社」が4月25日、新たにダウン症のバービー人形を発売した。

    マテル社は、同バービー人形について「すべての子どもたちが、バービー人形に自分たちの姿を重ねられるように…」と公式発表で述べた。

    ダウン症を持つバービー人形は現在、オンラインサイトで10.99ドル(約1460円)で販売されている。今後、全米の玩具店で販売予定だという。

    同社は「『遊び』を通して、社会に存在する偏見に立ち向かう」と述べた。

    「私たちの目標は、すべての子どもたちが、バービー人形に自分たちの姿を重ねられるようにすること。同時に、自分と違う見た目の人形と遊ぶことも勧めています」

    「自分とは異なる人形で遊ぶことで、子どもたちは、他者への理解や共感を育むことができる。それは、違いを認め合うことができる『社会づくり』に繋がると考えています」

    「ダウン症を持つバービー人形を通して、私たちのリアルな世界を正確に反映するとともに、私たちの『遊びを通して、個々の違いを受け入れ、認め合う』という理念を実現していきます」

    今回、バービー人形の製造にあたり、マテル社は、ダウン症を持つ人たちのリアルな声を反映させるため、非営利団体「全米ダウン症協会(NDSS)」と協力したことを明かした。

    全米ダウン症協会は、人形本体から衣服やアクセサリーのデザインまで、幅広い製造工程に携わっている。代表のカンディ・ピッカード氏は、声明でこう述べた。

    「ダウン症のバービー人形は、私たちのコミュニティにとって、とても大きな意味があります。なぜなら、ダウン症を持つ人たちは初めて、自分と同じ姿のバービー人形で遊ぶことができるようになったのです」

    「私たちの社会に、リプレゼンテーションは必要。その大きなパワーを、この人形は改めて教えてくれています。個々の違いを受け入れる社会を実現するための大きな一歩であり、喜ばしいことだと思っています」

    LGBTに関する様々なサービスを行っている株式会社「アウト・ジャパン」は、リプレゼンテーションについて、以下のように定義している。

    映画やテレビなどのメディア表現において、社会を構成する人々の多様性を正しく反映させ、マイノリティが公正に描かれることを目指そうとすること

    ネットでは「多様なバービー人形が見られて嬉しい」といった声が上がっている。

    「多様性を受け入れ認め合う社会、平等な社会への大事な一歩だ。多くの企業が前進しているのは良いことだと思う」

    @CNN Diversity, inclusion and equity. Good to hear more companies are moving forward.

    Twitter: @shreyash88

    これまでにも、マテル社は、白斑を持ったものや、車椅子、義肢、補聴器を使ったものなど、さまざまバービー人形を発売してきた。

    人形のレビューサイトには、ダウン症の子どもを持つ親からこんな評価が寄せられている。

    「バービー人形で泣く日が来るなんて、思ってもいなかった。ダウン症の娘はまだ人形で遊べる歳ではないけれど、娘のために2体も買っちゃった」

    「自分と同じ見た目の人形で、娘が遊べることがとても嬉しくて…。私たちのような家族にとって、リプレゼンテーションや個々の違いを受け入れる社会の動きは、すごく意味のあることなんです」

    サムネイル:Getty Images / Mattel