「到底許せるものではない」渋谷区長がハロウィンで緊急声明 節度ある行動を呼びかけ

    週末にトラブルが相次いだ東京・渋谷の街。区長が改めて注意を呼びかけた。

    東京・渋谷では、ハロウィンを目当てに多くの人が街に集まり、トラブルが相次いでいる。

    渋谷区の長谷部健区長は10月29日、区の公式サイトで声明を発表。「決して周囲に迷惑をかけることなく、モラルやマナー、法令を守り、健全にお楽しみいただくよう」にと、改めて注意を呼びかけた。

    今年は「ハロウィンの自粛」を呼び掛けている渋谷区

    毎年ハロウィンの時期、渋谷の街には仮装した人々が集まり、賑わいを見せる。その一方で、ゴミのポイ捨て、仮装の着替え場所やトイレの不足、違法車輌の暴走などが問題視されてきた。

    例年のトラブルを重く見た渋谷区は10月23日、マナーやモラルの向上を呼びかける会見を開いた

    この中で長谷部区長は「ハロウィンで渋谷に人が集まるようになってから約4年が経った。集まりすぎて危険になっている」「楽しく遊ぶのはいいが、それはクラブや店など許される場所でするように。禁止するのではなく、節度を持って遊んでほしい。モラル、マナーに訴えかけたい」と話していた。

    その上で「ハロウィン本番は10月31日まで。31日が過ぎたら帰るように」と、「ハロウィンの自粛」も呼びかけた。また、周辺店舗にビン入りの酒類の販売自粛を初めて要請する。

    今年はすでに逮捕者も

    ところが、こうした渋谷区の呼びかけもむなしく、今年もトラブルが相次いでいる。

    先週末の渋谷の街では、軽トラックが取り囲まれて横転させられる事件が発生。盗撮や痴漢、暴行の疑いで逮捕者も出た

    ゴミの問題も深刻だ。28日の夜、BuzzFeed Newsの記者が渋谷センター街を歩いてみた。

    街の中心部にある警視庁渋谷署の宇田川交番近くでは、渋谷区や地元商店街などが共催する「ハロウィンごみゼロ大作戦」のメンバーがゴミ袋を配布し、ポイ捨てをしないよう呼びかけていた。

    一方で、路上には大量のゴミが放置され、缶やペットボトル、割れたビンが散乱していた箇所もあった。

    センター街を歩いていると、誰かが蹴ったと思われる飲みかけのペットボトルが記者の右足にあたった。これが割れたビンだったら……と思うと、思わず怖くなった。

    事態を重く見た渋谷区は29日、長谷部健区長の名前で緊急の声明を発表。

    「複数の逮捕者が出たり被害届が出されるなど犯罪行為も明らかになっており、大変憤りを感じております」と、危機感を露わにした。

    その上で「ハロウィンにおいて、周囲に迷惑をかけることなく、健全に楽しんでいる方たちはきちんといらっしゃいます」「そういった方たちの努力や思いを踏みにじる一連の行為は、到底許せるものではありません」と、節度ある行動を呼びかけた。

    全文は以下の通り。

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    10月31日のハロウィーンに向けたお願い

    一昨日から本日にかけまして、ハロウィーンに関連した渋谷駅周辺の騒動について多くの報道がなされております。

    複数の逮捕者が出たり被害届が出されるなど犯罪行為も明らかになっており、大変憤りを感じております。渋谷区としましても、警察との連携を改めて強く進めてまいります。


    また、犯罪に至らなくとも、ルール、マナー違反をしている人たちの様子も多く報道されております。そのような人たちは、渋谷を愛し、この街を誇れるものにしていく思いのない人たちです。


    ハロウィーンにおいて、周囲に迷惑をかけることなく、健全に楽しんでいる方たちはきちんといらっしゃいます。また、日頃から真に渋谷の街を愛し、この街を誇れるようにする努力をしている方たちもたくさんいらっしゃいます。


    そういった方たちの努力や思いを踏みにじる一連の行為は、到底許せるものではありません。


    街の安心・安全と賑わいの両立は、地方公共団体のトップとして大事な責務です。誠に残念ながら一朝一夕にこの問題を解決できる特効薬はありませんが、解決に向けて強い意志を持って取り組んでまいります。

    そして、重ねてのお願いになりますが、10月31日のハロウィーンにおきましては、決して周囲に迷惑をかけることなく、モラルやマナー、法令を守り、健全にお楽しみいただくよう、よろしくお願いいたします。

    渋谷区長 長谷部 健

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