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「立ちション」をした10歳男児、逮捕。「黒人だから捕まった」と弁護士が主張

米ミシシッピ州で、屋外で立ち小便をしたとして、10歳の少年が逮捕・起訴された。弁護士は「少年が黒人だから逮捕された」と主張している。

米ミシシッピ州セナトビアで8月、当時10歳の黒人少年が、屋外で立ち小便をしたとして逮捕・起訴された。

少年は、非行行為の罪で起訴されたと英メディアが報じている。

12月12日、少年審判が行われ、少年には3カ月の保護観察処分、読書感想文の提出の判決が下された。

少年の弁護人は、人種差別があったと主張している。

現地メディアの報道によると、少年は8月10日、母親の用事先でトイレを借りようとした。しかし、借りられるトイレがなかったため、少年はやむを得ず母親の車の陰に隠れ、立ち小便を行った。

当時、母親は少年のそばにはいなかったという。

車で通りかかった警官が、私有地で立ち小便している少年を発見し、声をかけた。警官は少年の母親を探しにいったという。

用事を済ませた母親が少年の元に戻り、警官が事情を説明。その場で母親が少年を叱ると、警官は納得した様子だったと、母親はCNNの取材に答えている。 

しかしその後、警部補を含む4人の警察官が現場に到着し、少年は逮捕・連行された。

事件後、警察署長はSNSに声明文を投稿。

少年の母親が「白人でなければ逮捕されず、警察官も見逃していたはず」と警察の対応を批判する中、当局としての見解をつづった。

「担当した警官は、少年裁判所に、少年を要観察処分にする照会状を提出した。(中略)本来、大人であれば罰せられるような公然わいせつの罪を少年は犯している」

「警官は少年を警察に連れて行き、手続きを済ませ、母親に引き渡された」

しかし、少年はFOXニュースの取材に対し、「留置場で拘束されていた」と主張している。

その後、地元警察は新たな声明を投稿し、事件を担当した警官を解雇したと公表した。

「事件を担当した警察官は、警察内の文書の規則に違反していた。また、このような状況に遭遇した際の、事前訓練の内容にも反した行動をとっていた」

「担当した警察官のうち1人は解雇、その他の関係者については適正に処罰した」

今回の判決にあたり、少年の弁護人を務めたカルロス・ムーア氏は、次のようなコメントを発表した。 

ムーア氏は、こう主張する。

「少年は誰でもやるようなことをしただけ。しかも周囲に見えないように車のドアの陰に隠れて行っていた」

「彼が黒人以外の人種であれば、逮捕・起訴・処罰も課されなかっただろう」

pic.twitter.com/d6D00Jy8mP

— Attorney Carlos Moore (@Esquiremoore) December 16, 2023
Twitter: @Esquiremoore

また、少年の母親はCNNの取材に対し、こう訴えかけた。

「息子は取り乱しています。警察を見かけるたびに、また捕まるのではと思っているのです。今後、カウンセリングを受けさせる予定です」

米複数メディアは19日、少年側は判決を不服とし、保護観察処分の同意書にサインしなかったと報じた。