Instagramで生きるファッショナブルなインフルエンサーたち

    Instagramでの競争は激化しており、運だけでインフルエンサーのキャリアを築くことはできない。インフルエンサーとしての成功を目指す人々が、これまでに投じてきた時間と金、努力の価値があるかどうかを語ってくれた。

    すごく寒い。凍えてしまいそう」

    1月中旬。外の気温は氷点下。しかし、完璧な写真を撮るための努力に休みはない。28歳のメアリー・グイは、もともと広告会社の幹部だったが、ファッションブロガー兼Instagramの「インフルエンサー」に転身した。

    Instagramのアカウントは「@layersofchicblog」。グイは、ニューヨーク、ブルックリン橋の近くで、岩によじ登っている。透ける素材の黒いドレスに身を包む彼女は、「目標は、死なないこと」と筆者に語った。

    公園警備の担当者がやって来て、けがをする前に下りるよう命じる。グイは命令に従ったが、警備員が立ち去るとすぐ、再び岩に登った。「バッグが見えるような写真を撮ってね」と、グイはフォトグラファーに言った。次はネイル、その次はイヤリングだ。30分後、あらゆる角度から写真を撮り終えると、グイはポップアップテントに入り、パールで装飾されたセーターとレギンスに着替えた。そして、また同じことの繰り返しだ。

    ポーズとポーズの合間に、グイは筆者に対して、「撮影が始まると、寒さも何も感じないの」と言った。「でも、冬の撮影だと、手の感覚が戻るまでに2時間くらいはかかるわね」。それでも、グイは望み通りの写真を撮り続ける。風になびく髪、背景にはマンハッタンの地平線。そして、1000人以上から獲得した「いいね!」

    グイは、Instagramで急激に増えている「インフルエンサー」の一人だ。彼らは、完璧にスタイリングされた服や最新のブランドバッグを身に着け、自ら選び抜いた写真を次々と投稿している。背景は、タイのエキゾチックなビーチや、パリミラノのシックな建造物、ニューヨークやマイアミのグラフィティが描かれた壁など。風になびく髪は自然に見えるようスタイリングされており、褐色の肌は、「焼けた肌」というより「太陽にキスされた肌」という表現がぴったりだ。

    ビキニ姿の写真では、腹筋に目を奪われるかもしれないが、決して過剰ではない。流れるようなマキシドレスは、ちょうどいい具合に風を受けている。絶妙な角度で撮影された5つ星レストランのブランチは、椅子に立って、真上からテーブルを見下ろしたものだ。高級ホテルのベッドでとった朝食は、エジプト綿のシーツがフレームになっている。最新のアクセサリーや化粧品は、大理石のカウンターに置かれている

    現在もソーシャルメディアだけで生計を立てることはできていない

    このように、細心の注意を払って編集されたインフルエンサーの写真がInstagramに投稿されるなか、ブランド各社はInstagramを、若く感受性の強い消費者をターゲットにした、直接的だが巧妙なマーケティング手段だとしている。そしてInstagramは、「#ad」、「#sponsored」などの広告タグが付いたジュエリーやアイクリームの写真であふれ返る場になった。

    米連邦取引委員会は、宣伝にこれらのタグを付けるよう義務づけている。こうしたスポンサー付き写真のおかげで、Instagramへの投稿は、高収入を期待できる仕事の一つになった。有名インフルエンサーの中には、1投稿当たり15万ドル前後の報酬を受け取る者もいる。

    30歳のマイクロインフルエンサー(フォロワー数10万人未満のインフルエンサー)であるマイク・トマシエロ(アカウントは@nydoorman)は、「今は業界は飽和状態で、あちこちにインフルエンサーがいます。ビキニモデルになりたいセクシーな女性もいれば、腹筋が19個に割れているような男性までね」と話す。トマシエロはもともと、ニューヨークのクラブやパーティーの常連としてオンラインで注目を集めていた。彼の右手首には、Instagramアカウント名のタトゥーが彫られている

    クローゼットを充実させ、適度にフォロワーを獲得し、良いカメラと写真編集の基礎知識があれば、Instagramで生計を立てることができる、と思った人もいるだろう。

    しかし、Instagramには毎日のようにソーシャルメディア界のスターを夢見る人がどんどん参入しているため、利益を出すことはどんどん難しくなっている。幸運と趣味のいい服だけでは、インフルエンサーとしてのキャリアを確立できないのが実情だ。

    BuzzFeed Newsは、デジタル時代のスタイルアイコンを目指す人々を取材し、インフルエンサーの仕事に投じている時間、収入と支出、努力の価値があるかどうかを率直に語ってもらった。取材に応じてくれた人々のフォロワー数は1万5000~500万人だ。

    Jarry Lee / BuzzFeed News

    Instagram用の写真を撮影するメアリー・グイ。

    グイは2016年半ば、広告業界での6年のキャリアを捨て、ファッションブログとInstagramをフルタイムの仕事にしようと決めた。Instagramのページは、鮮やかなピンクや青、水玉、花柄、ボウやタッセルなどの繊細なディテールであふれている。

    グイは自身のことを「現代のキャリー・ブラッドショー」(1998年から2004年に放映されたTVドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の登場人物)と表現する。エイミー・ソングの「Song of Style」をはじめとするスタイルブログの影響を受けていたグイは、2010年に自身のブログを開設し、月1度のペースで投稿を始めた。そして2013年にはInstagramを開始。今では5万人以上のフォロワーを抱えている。

    グイの場合、Instagramの写真を1枚編集するのに最長2時間、ブログの記事を書くのには1時間かかる(投稿の頻度は週2〜3回)。衣装を着ての撮影は週に2回行う。「衣装を変えるごとに300~400枚の写真を撮影し、そこから良い写真を選びます」と語るグイ。写真を選んだら、まずはコンピューター上で「Adobe Lightroom」を使って編集し、次に「Snapseed」や「Facetune」など、スマートフォンで人気の編集アプリ、フィルターアプリを使用する。

    グイの場合、スポンサー付き写真やキャンペーンで収入を得るまでには6カ月(と1万フォロワー)がかかった。「最初は、毎月2000~3000ドルを自分の貯金から費やし、1投稿当たり50~100ドルしか稼ぐことができなかった」と言い、現在もソーシャルメディアだけで生計を立てることはできていない。「でも、少しずつ良くなっています」と言う。

    今では、1投稿当たり最高500ドルほど請求できるようになり、フォロワーの増加とともに、この金額も大きくなっている。

    「それでも安定していないので大変です。ブランドとのコラボレーションがいくつか決まり、高報酬を得られる月もあれば、翌月は収入ゼロということもあります。しかも、報酬が支払われるのは30日後という場合もあります」

    当初はスポンサーも小さなブランドばかりだったが、今では「H&M」や「Glamour」誌といった有力ブランドともコラボレートできるようになった。

    グイは、2017年11月から2018年2月まで、生活のためにアルバイトをしていた。「私のレベルでは、毎月Instagramの収入だけに頼るのは難しいのです。それでも、やめようと思ったことはありません」。グイはフォロワー数の着実な増加に励まされており、フルタイムの仕事に戻るつもりはないと語る。

    グイにとって、最大の経費はフォトグラファーだ。以前は元ボーイフレンドが写真を撮ってくれていたこともあり、撮影にお金を払うのは気が進まなかったのだが、現在はプロのフォトグラファーを雇っている。「見た雰囲気や写真の質が安定していることの重要性に気づいたのです」。グイは写真のために服やアクセサリーを購入しているが、商品を無償提供してくれるブランドが増えており、経費削減になっているという。

    Erik Paparar, Courtesy Aimee Song

    左:イギー・オカフォー。右:エイミー・ソング。

    ファッション関連のインフルエンサーたちは、ブランドから商品を提供されるようになっても、服やアクセサリーに大金を投じることが多い(自身のスタイルに合う商品ばかり提供されるわけではないし、投稿の多様性を維持するためだ)。

    23歳のスタイル/ライフスタイルブロガーで、3万4000人のフォロワーがいるイギー・オカフォー(@igeeokafor)は、ナイジェリア出身で、現在はマンハッタンのフィナンシャル・ディストリクトに暮らしているが、クラシカルなスタイルを好み、高級品を身に着けることが多い(ダブルのスーツやスリーピース、ツイード、千鳥格子など)。「GQ」誌に掲載されていてもおかしくない写真ばかりだ。

    オカフォーによれば、支出は服だけでなく、交通費(ブランドのイベントに出かける出費)やウェブサイトの維持費もかなりかかるという。ブログを始める資金は母親に出してもらったとのことで、現在は服と写真に毎月それぞれ2000ドル弱(合わせて約4000ドル)を使っているという。

    ただし、すべてのインフルエンサーが、服に大金を投じるべきだと思っているわけではない。ブロガーのエイミー・ソング(@songofstyle)は470万人のフォロワーを持つ最も有名なインフルエンサーの一人だが、「当初、私はかなり倹約していました。2つの小売店で仕事をしており、商品を割引価格で購入できたためです」と振り返っている。

    現在31歳のソングは、2011年9月という早い時期にInstagramを始め、注目を集めることに成功した。「必要なのはスタイルだけです」とソングは話す。「どれだけ大金をつぎ込んでも、自分のスタイルがない人もいます」

    ソングのような有名ブロガーの場合、ソーシャルメディアでのプレゼンスが高まるにつれ、別の経費が必要になってくる。ジェシカ・ワン(@notjessfashion:フォロワー数62万人)を例に考えてみよう。ワンが3年前にブログを始めたとき、仕事のパートナーは夫だけで、写真撮影も夫が行っていた。しかし今では、コミュニケーションディレクター、コンテンツ・ストラテジスト、複数のフォトグラファー、パートタイムのライター数人、ウェブ開発者から成るチームを抱える。今でも服を購入しているが、それは自分のスタイルをコントロールするためだ。

    「目に見える買い物の費用だけでなく、マーケティングや法務、経理にも経費がかかります」。ワンは何より、移動と設備、撮影場所のレンタルに費用をかけている。ワンがInstagramとブログを始めたきっかけは、自身が運営するオンライン衣料品店に客を呼び込むためだったが、現在の夢は「上質なエディトリアルコンテンツを生み出し続ける」こと、さらに多くのスタッフと仕事をすることだという。ワンはさらに、ファッション分野だけでなく、多くのブランドにコンテンツを提供したいと述べている。

    人生そのものが仕事とも言える

    しかし、マイクロインフルエンサーをはじめとする多くのインフルエンサーは、すべてを自分の手で行わなければならない。

    グイによれば、インフルエンサーやブロガーの仕事は、フルタイムの仕事をいくつもかけ持ちしているようなものだという。「ブログにかかわることは、すべて自分でやらなければなりません。言ってみれば、スタイリスト兼モデル兼クリエイティブディレクター兼写真編集者です。撮影の計画や設備の手配、交渉、請求も自分の仕事です」とグイは話す。しかも、自分自身がビジネスになっているため、人生そのものが仕事とも言える。

    グイは、投稿のスケジュールを決めている。少なくとも1日1度、時間は正午か午後9時だ。さらに、iPhoneのメモ機能を使って、あらかじめキャプションを準備する。「投稿の間隔は約8時間がベストです。午前11時より早く投稿したら、エンゲージメントがあまり良くありません」。グイは毎週土曜日、自宅にこもって1週間分の写真を用意している。

    グイは、Instagramに写真を投稿するとき、まずは、以前の投稿に寄せられたすべてのコメントに返信するようにしている。そして、次の10分で新しいコメントに返信したり、グイと同じハッシュタグ(#realoutfitgram、#prettylittleiiinspo、#romanticstyle)を使っている写真に「いいね!」したり、コメントを書いたりする。

    「こうした10分間ずつの間に誰かがコメントしてくれたら、必ず返信して、その人の写真にコメントを残すと決めています」

    グイは、1日平均3~4時間をInstagramに使っているという。「待ち時間や暇な時間はもちろん、集中しなくてもいいときやテレビを見ているときにもInstagramをしています」。地下鉄での通勤時間はずっと写真を編集しているそうだ。「地下鉄はインターネットが使えないので、写真編集に最適の環境です」

    グイは、ブランドのイベントにも時間を使っている。週に数回行くことも珍しくない。26歳のメキシコ系ファッションブロガー兼デザイナーで、テキサス州オースティンからニューヨークにやって来たアレクサンドラ(レックス)ディーク(@lexiconofstyle:フォロワー数8万5000人)も、かつては毎晩イベントに行き、1日に4つのイベントを回ることもあった。

    現在は、厳選したイベントのみに参加しているが、スポンサー付き投稿の期限があり、自宅にこもることを選択する場合もあるという。ほかの自営業と同様に、インフルエンサーの仕事も地味な側面がたくさんあるのだ。「だらしない服装で、コンピューターの前に座り、500通の電子メールに返信するような日もあります。誰とも話さない日だってありますよ」とディークは言う。

    Courtesy David Pangilinan

    デイビッド・パンギリナン

    別の意味でも、インフルエンサーは孤独な仕事になり得る。23歳のデイビッド・パンギリナン(@davidisherenow)は21万6000人のフォロワーを持つライフスタイル・インフルエンサーだが、ソーシャルメディアでのプレゼンスが人間関係に悪影響を及ぼすこともあると話す。「デートではこの話題を避けています。相手に威圧感を与えることがあるためです。親友たちはよくわかっているのですが、私があらゆるプラットフォームのために写真を撮るので、ほとんどの料理は食べる前に冷めてしまいます」

    Instagramは実際、パンギリナンの恋愛関係に問題をもたらした。パンギリナンが付き合っていた男性も、少数ながら、オンラインでフォロワーを獲得していた。「6カ月がたったころ、彼は、『Instagramのストーリーに僕をタグ付けしてほしい』と言いました。彼が私と一緒にいる本当の理由は何だろうと思い、彼と別れることにしました。相手が好きなのは私自身なのか、それとも私のフォロワーなのか。真意を読み取ることができませんでした」

    パンギリナンは、Instagramで有名になる前からの友人を大切にしているという。今となってはイベント目当てに近づいてくる人がいるかもしれないからだ。「悲しいことですが、フォロワー数が、私自身や友人関係の定義になり始めています」

    27歳のナサニエル・ジェームズ(@thenathanielmanual)は、2万3000人のフォロワーを持つメンズウェア/ライフスタイルブロガーだが、男女にかかわらず、ほかのブロガーと自分を比較してしまうことで苦しんでいるという。「ブロガーの場合、自分自身がブランドです。そのため、人格や人生のハイライト場面をつくり上げる必要があります」とジェームズは話す。

    「自分よりフォロワーが多い、自分より“良いブランド”と仕事をしている、自分よりいい体をしている、自分より顔がいい、笑顔が完璧。このような思考にむしばまれ、ブロガー仲間と会うことができないほど不健全な状態になってしまいました」

    ニューヨークを拠点に活動する26歳のファッションブロガー、カサンドラ・ディミコ(@cassdimicco:フォロワー数11万1000人)も、この気持ちがわかるようだ。

    「十分なフォロワーを獲得できないと、自分を責めてしまいます。他人の成功をねたむことだってあります」

    「悲しいことですが、90%の人は、自分がしている何かより金儲けのほうが大切なのです」

    Jarry Lee / BuzzFeed News

    メアリー・グイ。インフルエンサーのイベントにて。

    もちろん、いったん成功すれば、十分な収入を得られることもある。筆者が取材したインフルエンサーの多くは、業界の大まかなルールとして、1投稿当たり、「フォロワー数の1%」を報酬として受け取ることができると述べている。例えば、フォロワー数が1万人の場合、スポンサー付き投稿1件当たり100ドルを請求できるということだ。

    「しかし、実際はさまざまです。フォロワー数35万人で年収100万ドルの人もいれば、同じフォロワー数で年収7万ドルの人もいます」と話すのは、世界初のインフルエンサーマーケティング・プラットフォームを自称する「フォー・カード」の創業者ジェームズ・ノードだ(フォー・カードでは、インフルエンサーがコラボレーション相手のブランドを検索できるし、その逆も可能だ)。ただし、ノードの試算によれば、ほとんどのインフルエンサーは、ドル換算で、フォロワー数と同等の年収を得ているという。

    インフルエンサーマーケティング・エージェンシー、コージェントのマーク・ザブローCEOは、一般的に言って、フォロワー数10万人未満の「マイクロインフルエンサー」は、スポンサー付き投稿1件当たり500~2500ドル。フォロワー数10万~50万人の「インフルエンサー」は2500~5000ドルを受け取っていると話す。

    「手っ取り早く大金が手に入る仕事じゃない」

    一方、筆者が取材した23人の場合、ブランドから報酬を得られるようになるまでに平均1~2年がかかり(フォロワー数は1~2万人)、生計を立てられるようになるまでにはもっと長い時間がかかっているようだ。当初の報酬は1投稿当たり50~200ドルくらいだったと、ほとんどの人が話している。

    手っ取り早く成功したいと考える一部のインフルエンサーは、フォロワーや「いいね!」、コメントを買ったり、ボットを使ったりといった不正行為を働く場合がある。これらはInstagramの規約に反する行為だ。Instagramは近年、Twitterなどのソーシャルメディアプラットフォームと同様、ボットの流入を阻止することに苦労している。いくつもの対策を講じ、取り締まりを強化しているにもかかわらずだ。2014年には、スパムの疑いがあるとして、数百万単位のアカウントが停止処分を受けている

    10万人のフォロワーがいるファッション/ライフスタイルインフルエンサーで、モデルの仕事もしているリサ・ディシコ・カフエ @lisadnyc )は、「“買収”行為はすべて取り締まるべきだと思います。多くの人が、他人による承認を買っています。“ループ・ギブアウェイ”を使っている人もいます」と話す。ループ・ギブアウェイとは、フォロワーをプールするために一部のインフルエンサーたちが使っている手法だ。「ループ」の中では、参加者たちがすべての画像に“いいね!”を付け、ループの中の次の人をタグ付けする。そして、関係するすべてのインフルエンサーをフォローする。何かいいことがあるかもしれないからだ。

    「一部のブロガーは、ラクをしたいと考えています」とカフエは指摘する。「けれども、インフルエンサーは決して、手っ取り早く大金が手に入る仕事ではありません」

    「Myspace」や「Vine」がどうなったかを見ればわかるように、ソーシャルメディアプラットフォームが永遠に続くことなどめったにない。では、Instagramのインフルエンサーたちはどこへ向かおうとしているのだろう?

    9万人のフォロワーを持つ28歳のビューティー/スタイルブロガーであり、ニューヨークのスタテン島を拠点に活動するコートニー・ダニエル(@curlsandcouture)は、すべてのインフルエンサーが「引退後」の計画を立てておくべきだと主張する。

    ダニエル自身の計画は作家兼起業家で、マーケティングエージェンシーか美容院を開きたいと考えている。「ビューティー関連のチュートリアルをつくることくらいしかできませんが」と笑うダニエルは、「自分にとってインフルエンサーの仕事は、もっと持続可能な何かをするための足がかり」と語る。さらに、ダニエルは外科医を目指すため、医学部適性試験の勉強もしている。将来的には、ソーシャルメディアと医学への情熱を何らかの形で融合させたいそうだ。

    しかし、Instagramでの名声が最終目標という人もいる。グイはフォロワー数10万人を達成し、Instagramだけで生きていけるようになりたいと考えている。ソングをはじめとする初期のブロガーたちが、自身のプラットフォームを利用して、ビジネスや慈善活動で成功を収めたように、カプセルコレクションの発表やYouTubeチャンネルの運営を目指している人もいる。

    Jarry Lee / BuzzFeed News

    ブルックリン橋公園で写真を撮影するメアリー・グイ。

    オカフォーは、いずれは、「ジョルジオ・アルマーニのような」メンズウェア/ライフスタイルブランドを立ち上げ、店を持ちたいと考えている。ジェームズは、本を書くこと、レストランをオープンすること、陶芸教室を運営すること、自身のアパレルブランドを持つことを目標にしている。

    ディミコは、ブランドかウェブサイトか「何かの会社」を立ち上げたいそうだ。「すでに支持者を獲得していたら、何かを始めたいとき、自由にマーケティングできるから」とディミコは話す。「そのような状況で、何かを創造し、売り込まないのは損だと思います」

    トマシエロは、「ソーシャルメディアで生計を立てるだけの人間にはなりたくありません。いつか自分がクールな存在でなくなった場合に、何が起きるかわからないよ」と話す。もともとメディアエージェンシーのアナリストだったトマシエロは、ソーシャルメディアマーケティング・エージェンシーのタレント・リソーシーズに就職。ソーシャルメディアでの名声を生かしながら、ブランドやインフルエンサーと仕事をしている。

    トマシエロは、Instagramでの成功をうまく生かしているインフルエンサーの手本として、高校の同級生で、170万人のフォロワーを抱えるブロガー、ダニエル・バーンスタイン(@weworewhat)を例に挙げる。彼女は現在、おしゃれなオーバーオールのブランドを設立している。

    「“成功”の鍵は、ただ自分らしく生きること。写真のことばかり考える必要はありません。自分が面白い人間でなければ、面白いコンテンツをつくることなどできないでしょ?」と語るトマシエロは、自分はすでに、ある意味で「成功」したと考えている。

    とても貧しい移民の息子として、ニューヨークのロングアイランドで子供時代を過ごしたトマシエロは、いつも蚊帳の外にいたと話す。「クラスメートたちはクールな子供時代を送っていましたが、私はそのような体験をしていません。それが今では、チャリティーのガラパーティーや、“コーチェラ・フェスティバル”のバックステージ、“アート・バーゼル”など、数多くのブランドが招待してくれるのです。私にとっては、想像すらしていなかった最高の体験です」

    「もし明日、ソーシャルメディアがなくなり、仕事を失うことになっても、人生で最もクールな出来事だったと思うことでしょう」

    この記事は英語から翻訳されました。
    翻訳:米井香織/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan

    BuzzFeed JapanNews

    Contact Jarry Lee at jarry.lee@buzzfeed.com.

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