6月3日、スーダンの治安部隊が首都ハルツームの軍本部前で行われていた座り込みデモを強制排除した。活動家や医者によると、治安部隊によって100人以上が殺された。デモ参加者らは丸腰の市民だった。
スーダンでは30年間独裁支配を続けてきたバシル大統領の退陣を求めて、何ヶ月にもわたり抗議活動が続いていた。
今年4月に軍事評議会がバシル大統領を拘束して以来、軍当局による統治が続いている。
ガーディアン紙によると、デモの弾圧に紛れて治安部隊が70件以上のレイプに関わったとハルツームの病院が報告した。
しかし、デモ参加者らは、軍事評議会が民政に権限を引き渡すまで、抗議活動を続けると表明している。
現地では停電による電話やインターネットの回線障害が起きており、現状が外部に伝わりにくくなっている。
そんな中、ソーシャルメディア上でプロフィール写真を青一色に染める運動が広がっている。
スーダンで起きている暴力を、国外の人々にも知ってもらうための取り組みだ。
とあるエンジニアの死が、この運動が広がるきっかけとなった。
その時のマッタルさんのプロフィール画像が青一色だったのだ。
2013年のマッタルさんのツイートが引用され、拡散した。
ツイッターだけでなく、インスタグラム上でも運動は広がっている。6月12日、アカウント@reresolve_がプロフィール画像を変えるようフォロワーに呼びかけた。
このアカウントの持ち主はワシントンD.C.在住のリマズ・アブドルガーデルさん(25)だ。
彼女はBuzzFeed Newsの取材に対し、「 スーダン人のコミュニティが、プロフィール画像の変更を呼びかけているのをインスタグラムで見つけました。彼らはスーダンを青く染めようとしていました」と語った。
彼女の投稿が拡散したのは12日だが、マッタルさんが亡くなった当日から彼の親族や友人はプロフィール画像を変更していた。マッタルさんのWhatsApp(ワッツアップ)やインスタグラムアカウントのプロフィール画像も同じ青だった。
BuzzFeed Newsはこの運動のきっかけとなった引用ツイートをした人物に取材を試みたが、返答はない。停電の影響の可能性がある。
マッタルさんの死後、青いプロフィール画像はスーダンの人々と連帯して犠牲者に敬意を示す方法になった、とリマズさんは考えている。
青いプロフィール画像は今や「国際的な連帯」のシンボルになっている、と彼女は話す。
スーダンで弾圧を受けている人々へ寄付した印として、プロフィール画像に青いハートを付け足す人もいるという。
これまでに、何千人もの人々が様々なソーシャルメディア上でプロフィール画像を青く変更している。
歌手のデミ・ロヴァート、モデルのハリマ・アデン、女優のヤラ・シャヒディなど、数々の有名人も自身のプロフィール画像を変更した。
歌手のアリアナ・グランデは、クラウドファンディング GoFundMeでファンにスーダンの救急医療への寄付を呼びかけた。
日本でも運動が広まりつつある。
この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子