「好きピ」「ぴえーん」「NHK」…イマドキのJK用語、どんな意味かわかる?
LINEが公開した動画「JK用語でJKの1日を再現してみた」で使われている言葉たち。
何それ? という方も多いかもしれないですが、これ全部、今の高校生が日常的に使っているリアルなワードです。
「そんな言葉あるの? の連続で、外国語かと思いました……」
制作にあたって、現役女子高生にヒアリングしたLINEプロデューサーの谷口マサトさんは、そう振り返ります。
実際に調査してわかった「最近のJK用語事情」、谷口さんに聞きました。
「心が折れそうになった」
――主人公のひなちゃん、寝起きで自撮りしてますね!? いきなりカルチャーショックです。
谷口:寝起きだけでなく「ブサイク顔をあえて撮影し、友達を笑わせる」のはかなりポピュラーな遊びのようですね。
――そうなんですね、うーん、プリクラで変顔する感覚と思えばわかる気がします。
谷口:この世代の「当たり前」はどんどん変わっているので、僕らが当初想定していたストーリーや用語は半分以上覆されて、途中心が折れそうになりました(笑)。
使う言葉も日常のアクションも、高校生たちに実際にヒアリングすると、想像したものと違う。
例えば、最初は「寝坊して焦る」シナリオだったんです。「絶起」(絶望の起床)という言葉をネットで見つけて、そこからスタートしようと思ったのですが「こんな言葉使わない」「別に寝坊しても焦らない」という答えが……。
「だって、LINEしたらよくないですか?」と言われて「そ、そうか」となりました。
――確かに焦らなくなった……。思い返せば、自分が高校生だった頃にメディアで取り上げられる「最近のJK用語」って全然ピンとこなかった気がします。
谷口:そう、今回の学びのひとつは「ネットにある“流行語”、あんまり信用できないな!?」でした!
日々新しい単語が生まれていること、言葉がどんどん変わっていることが体感的にわかってすごくおもしろかったです。
怒りの表現として「激おこぷんぷん丸」「ムカ着火ファイヤー」は知ってたけど「ムカ着火インフェルノ」は知らなかったな……とか。
「あげぽよ」なんかは、すでにかなり広く意味が通じる気がしますが、彼女たちのあいだでは「意味はわかるけどちょっと古い」という温度感でした。「テンション上がる!」は、動画の中では「テンアゲ」を使ってます。
卍ってどういう意味?
――多分似たような言葉だと思うのですが、何度も出てくる「卍」(まんじ)ってどういう意味なんですか?
谷口:これ、不思議な言葉ですよねぇ。僕もはっきり説明できません。
とにかくいろんなシーンで使うみたいです、喋り言葉でも書き言葉でも。「マジ卍」とか「卍からの卍」とか。多分「マジ?」から派生した言葉じゃないかなと思うのですが。
女子高生たちに実際の使い方を根掘り葉掘り聞いたのですが「だから、意味なんてないの。あるのは感情だよ」と返されて、しびれました。
――「あるのは感情だよ」……!かっこよすぎる!
谷口:情報量がものすごく多い上にやりとりのスピードが速い。多分、テンポよく超高速で掛け合いをしていくこと自体に意味があるのだと思います。会話を聞いていると外国語みたいに感じました。
動画の中では「なしよりのありだよ」「ありよりのありでしょ」「よき? のき? どっち?」あたりにスピード感が出ているでしょうか(50秒前後から)。
JK用語は昔から略すのが基本ですが「了解」を「り」、「それほんと?」を「そマ?」などはスマホでの打ちやすさもありそうですよね。
「ぴえーん」(泣き声、落ち込んでいることを示す)なんかは、実際には“書き言葉”だそうです。「書くけど、口に出すとぶりっ子っぽいから言わない」。
――LINEありきの言葉やカルチャーもいくつか出てきていますね。「トプ画が病んでる」(プロフィール画像や背景を真っ黒にすること)とか「スタレン」「スタ爆」(スタンプを大量に送ること)とか。
谷口:動画では取り上げていないですが、ボイスメッセージを使っている人も多かったです。通学中にしょうもない音声を送って笑わせ合う、なんて遊び方をしていると言ってました。
最初に紹介した「ブサイクな自撮りを送る」と雰囲気は似てますね。
――英語3文字の略語も勉強になりました。「BFF」(ベスト・フレンズ・フォーエバー)は知ってましたが、「NHK」!
谷口:「二の腕を引っ張ってキス」! ときめくシチュエーションを説明する言葉ですね、「壁ドン」「顎クイ」に連なるような。
――覚えておきます、使う機会はなさそうですが……!
気になる彼から電話をもらう裏ワザ
――動画のタイトルにもなってる、相手に電話をかけさせる技「ワンドキ」にびっくりしました。よくこんなこと思いつきますね!
(※ LINEのプロフィール欄を工夫して、あるアクションをうながすと……。詳しくは記事末尾の動画をご覧ください)
谷口:これすごいですよねぇ! 僕も自分のLINEのプロフィール欄でやってみたら、本当に何件か電話かかってきましたよ(笑)。久しぶりに飲みに行くことになった人もいました。
正直、広く使われているものではないのですが、まねしたくなるような印象的な裏技だったので採用しました。
――確かにやってみたくなりました。プロフィールを変えるという発想がまず自分にはなかった……。
同じツールでも年代によって文化も使い方も違いますよね。そのことを改めて感じました。今回は女子高生でしたが、また違う年齢層の使い方もこんな風に調査したいです。