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「医者が“コロナ死“と認定すれば、死者1人につき50万円支給」は誤り。「お金もらってコロナつくった」と動画拡散、厚労省は否定

「“コロナ死”と判定で医師は死者1人につき50万もらえる」と発信するツイートと動画が拡散。その後、「RAPT理論+α」と称するブログも記事化し、誤った情報がさらに広がった。

「新型コロナによる死亡と判定すると、医者に死者一人当たり約50万円が支払われる」とする情報が拡散している。

しかし、これは誤りだ。厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策本部は取材に対して、「そうした制度は存在しない」と否定した。

BuzzFeed Newsはファクトチェックを実施した。

ついにこの動画を出す時が来たか
コロナ判定1人50万
#ワクチン中止を求めます

1月11日午前中に発信されたのは、上記のようなツイート。17日12時現在、約2000リツイート、約4700いいねと広く拡散し、添付された動画も30.7万回再生されている。

動画では、お面で顔を隠した人物が「患者がコロナによって死亡したと判定すると、医者に45万円前後の金額が支払われる」という趣旨の内容を発信。

「コロナではなく、普通に肺炎で死んだ、癌で死んだと言えば診断料がすごく下がる。コロナって判定するといきなり50万もらえる」「要するにお医者さんがコロナを作ったわけですよ、お金もらって」などと話している。

13日には、この動画の内容を「RAPT理論+α」と称するブログが記事化。「【コロナ死急増のカラクリ】医者が“コロナ死”と認定すれば、死者1人につき50万円支給されることが発覚!!」という記事を公開している。

フォロワーが1万6000人いるブログと同名のアカウントからのツイートは17日12時現在、6000件以上リツートされ、1.2万件のいいねを集めるなど拡散している。

なお、このブログは過去にも「自衛隊員400人がコロナワクチン接種後に死亡した」という誤情報を発信。このほかにも誤情報や、根拠不明の情報、いわゆる「陰謀論」が多数掲載されていることが確認できた。

厚労省は明確に否定

前述の通り、拡散している情報は誤りだ。

BuzzFeed Newsが取材をしたところ、厚生労働省・新型コロナウイルス感染症対策本部は「新型コロナによる死亡と判定すると、医者に死者一人当たり約50万円が支払われる」という情報に関して、「そうした制度は存在しない」と否定した。

なお、国は、都道府県を通じて医療機関に対し、「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(医療分)」を交付している。コロナ患者のために病床を確保した場合に支払われる病床確保料や、コロナ患者受け入れのための設備整備の支援などが含まれる。

新型コロナをめぐっては、いわゆる「陰謀論」が多く拡散されている。SNS上には根拠がはっきりしなかったり、誤ったりしている情報も多く広がっている。拡散しやすい扇情的な「又聞き」の情報などではなく、公的機関などによる発表を参考にすることが重要だ。


BuzzFeed JapanはNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、2019年7月からそのガイドラインに基づき、対象言説のレーティング(以下の通り)を実施しています。

ファクトチェック記事には、以下のレーティングを必ず記載します。ガイドラインはこちらからご覧ください。なお、今回の対象言説は、FIJの共有システム「Claim Monitor」で覚知しました。

また、これまでBuzzFeed Japanが実施したファクトチェックや、関連記事はこちらからご覧ください。

  • 正確 事実の誤りはなく、重要な要素が欠けていない。
  • ほぼ正確 一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない。
  • ミスリード 一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。
  • 不正確 正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。
  • 根拠不明 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
  • 誤り 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
  • 虚偽 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
  • 判定留保 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
  • 検証対象外 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。