美大生が作ったヤバすぎる「トイレットペーパー」 使い心地を聞いてみたら...。

    トイレに駆け込んだとき、これがあったらびっくりしちゃう……!

    美大生考案のトイレットペーパーがやばすぎる。

    ある美大生が授業の課題で作った、見たこともない「トイレットペーパー」がこちらです。

    側面を見ると、トイレットペーパーに見えるのですが...。

    何やら文字が書いてあります!

    いったい何かというと、「利用規約に同意しないと使えないトイレットペーパー」なんです!!

    びっしりとこんなに詳細な利用規約が書かれています。

    BuzzFeedは制作者の有本怜生さんに話を聞きました。

    多摩美術大学統合デザイン学科1年生の有本さんは、写真とデザインが好きで、身の回りのものを観察することで作品に活かしているといます。

    今回、Twitterに投稿されたトイレットペーパーは、大学の授業で出された「動きとコミュニケーション」という課題で制作したものでした。

    「送り手から受け手の一方的な情報伝達ではなく、受け手が何かしらの動作をすることで相互作用性のあるコミュニケーションを図るという課題です」

    選んだテーマは、「生活とインターネット」。

    「インターネットの中の動作を、生活の中の動作と結びつけようと試みた」という有本さんは、「利用規約に同意しないと使えないトイレットペーパー」を含めて3つの作品を制作しました。

    なぜ「トイレットペーパー×利用規約」だったのか。

    有本さんは、全長約60mあるトイレットペーパーと、ほとんどの人が中身を見ずに同意する利用規約、両者に共通する「長い」という特性に着目。

    トイレットペーパーを切る行為と、利用規約の同意ボタンを押すという行為を掛け合わせました。

    これによって、「重要な規約にも関わらず、ほとんどの利用者が便と同等の扱いをしているという社会風刺」が込められた作品になっているといいます。

    「トイレットペーパーと利用規約、どう結びつけると一番面白いか」

    この点を考えるのが、課題制作の過程で難しかったそうです。

    「最初は既存の利用規約文をトイレットペーパーに印刷しようとしていたのですが、それだけだと単に利用規約の長さを強調しただけで面白くなかったので、トイレットペーパーのミシン目をゴール(同意ボタン)としたトイレットペーパーのための規約分を新しく作ることにしました」

    制作にあたり、有本さんはまず、既存のSNSなどの利用規約や、利用規約をテーマにしたアート作品をリサーチしました。

    トイレットペーパー単体の制作時間は3日、他の2つの作品やアイデアを出す時間などを含めると約1カ月の制作期間だったといいます。

    「作品を実際に使ったら、おそらくお尻から血が出てくるのでおすすめしません」

    最初は、本物のトイレットペーパーに印刷することも考えていましたが、見積もりを出すと、2ロールで6万円と予算を大幅にオーバー。

    そこで「苫更」という新聞紙に使われているようなザラザラした質感の紙を代用しました。この紙をトイレットペーパーと同じサイズに切り、合計300枚ほど使用しました。

    「トイレに紙を流すことはできません。苫更を使用した理由は、トイレットペーパーのように必要以上に価値を感じさせない作品にしたかったからです」

    「作品を実際に使ったら、おそらくお尻から血が出てくるのでおすすめしません」

    課題を提出すると、「参考作品」に選ばれたといい、現在、提出物として学校で保管されています。

    「お時間がある方はトイレットペーパーの利用規約をよく読んでみてください。『トイレに流せない』以外にも予想外な規約文がたくさん隠れています」

    アイデアとセンスの詰まった、素敵な作品のご紹介でした。