「顔なんか見せんでええ」新型コロナで亡くなった祖父は最期に言った。漫画家が別れを描いた理由

    新型コロナウイルスにより祖父を亡くした漫画家が、「別れ」の一部始終を描きました。

    コロナ禍での「別れ」を描いた作品があります。

    新型コロナウイルスに感染した祖父を亡くした漫画家が、自身の体験を作品にし、Twitterに投稿しました。

    コロナ禍の厳しい現実を描いた作品は多くの共感を呼び、2万5千以上のリツイート、7万9千以上の「いいね」を集めました。

    「目頭が熱くなりました」「会いたい人に会いに行ける世の中に、早くなりますように」などの感想が寄せられています。

    「祖父の葬式に代えて」

    「祖父の葬式に代えて」と題されたこちらの作品。新型コロナウイルスに感染した祖父と主人公である作者の別れを、コロナ禍の厳しい現実とともに描いています。

    この作品を読んだ医療従事者や介護従事者、新型コロナウイルスの感染で親族が入院している人などからは、共感の声が寄せられました。

    BuzzFeedは作者である矢寺圭太さんにお話を聞きました。

    漫画家の矢寺さんは、週刊ビックコミックスピリッツで漫画「ぽんこつポン子」(小学館)を連載しています。

    この作品を描いたのは、母への思いが原点でした。

    矢寺さんは、長い間祖父を看ていた母が訃報を受け、「とても落ち込んでいるのではないか」と心配していました。

    「コロナ禍で、こんな形でお別れさせるのは、悲しいな、と。この漫画を読んでくれた人が、祖父の死を一緒に悲しんでくれれば、母も少しは安らげると思いました」

    「皆さんそれぞれの状況で、大変な思いをされている」。

    作品が完成すると、お母さんから嬉しい反応があったといいます。

    「作中にも描きましたが、母は思ったよりも元気でした。この漫画のことは、喜んでくれているようでした」

    Twitter上での反響を受け、矢寺さんは「この非常事態に、皆さんそれぞれの状況で、大変な思いをされているのだと改めて感じました」と答えます。

    「特にコロナを問わず、このご時世の中で近しい人を亡くした方々、また現場の職員の方たち、介護、医療、葬儀に携わる人たちのお話は、とても身につまされる思いでした」

    矢寺さんのお祖父様のご冥福を心よりお祈りいたします。