【ニュージーランド銃乱射事件】銃撃犯に物を投げて人々を救った男性がいた

    ニュージーランド・クライストチャーチでの銃乱射事件で、危険を顧みずテロリストに立ち向かった父親がいた。「他の人を助けることだけを考えていました」

    3月15日、アブドルアジズはニュージーランド・クライストチャーチにあるリンウッド・モスクの外にいた。

    大きな銃で武装した男を目にした時、48歳の彼は男を軍人だと思っていた。

    しかし、直後に2人が倒れているのに気づき、男が卑猥な言葉を叫んでいるのを耳にしたという(AP通信)。

    彼がいた場所では、7人が銃弾に倒れた。

    異変に気づいたアブドルアジズは、礼拝中だった80人に向かって伏せるように叫んだ。

    しかし人々は状況をつかめず、ためらった様子だった。銃声が鳴り響き、ガラスが割れ、遺体を目にするまでは。

    This is Abdul Aziz, a hero, who safed so many life in the #Christchurch attack. Originally from #Afghanistan he confranted, chased and forced the attaker to escape. He was empty handed, but a heart full of love. The world call him a hero but he says that he did his civic duty.

    クライストチャーチでたくさんの命を救ったヒーロ、アブドルアジズ。アフガニスタン出身の彼が、銃撃犯に立ち向かって追い払った。アブドルアジズは丸腰だったが、その手にはたくさんの愛を持っていた。彼はまさにヒーローだが、一市民としての責任を果たしたまでだと言っている。

    「2人の息子が『お父さんお願いだから中に戻って』と言っていました」

    「『行きなさい、大丈夫だから』と伝えました」とアブドルアジズはロイター通信に語った。

    彼は銃を持った男の気をそらすため外に走り出た。男が別の銃を取ろうと車に戻った時、男に向かってクレジットカードの器械を投げつけた。

    男が発砲を再開した時も、注意をそらすため車の間に入っていったという。

    Abdul Aziz is hero, who saved lives at #Christchurch Dodging bullets the Afghan immigrant and father of 4 confronted the shooter and saved lives.

    アブドルアジズはヒーローだ。アフガニスタンからの移民で4人の父親である彼が、クライストチャーチで銃弾を避けて犯人に立ち向かい、人々の命を救った。

    その後、男はもう一度車に戻ってきた。アブドルアジズは落ちていたショットガンを投げつけた。

    窓が割れ、男はそのまま車で走り去った。

    AP通信の報道によると、彼の勇気ある行動がなければ死者の数は増えていただろうとモスクのイマーム(礼拝の指導者)であるラテフ・アラビは語った。

    「他の人を助けることだけを考えていました」とアブドルアジズは振り返る。

    Meet the incredible man who chased the New Zealand mosque shooter, potentially saving dozens of lives

    アジズのインタビュー映像

    これまでの死者は50人にのぼる。ニュージーランド史上もっとも死者が多いこの銃乱射事件を、政府は右翼的な過激派による犯行とみている。

    被害者はパキスタン人、トルコ人、サウジアラビア人、バングラディシュ人、マレーシア人、その他多岐にわたるとジャシンダ・アーダーン首相は発表した。

    アフガニスタン・カブール出身のアブドルアジズは、幼い頃に難民として国を出た。数年前ニュージーランドに移り住んだが、それ以前は25年間オーストラリアで暮らしていた。

    「たくさんの国に行きましたが、ニュージーランドは最も美しい国の一つです」と語った。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子