ニュージーランドのサウスランド地方にあるオマウイという小さな町。ここで、今、飼い猫を規制しようという動きが持ち上がっている。8月の終わり、条例案が提出された。
条例案の内容は、現在の飼い猫は屋内での飼育に限定すること。今飼っている以上の猫は飼えないこと。サウスランド地方の環境問題担当のアリー・ミード氏は、地元のラジオ局にこう語った。
「新しい猫はダメということになります。今飼っている猫が死んだら終わり、代わりの猫を飼うことはできません」
法案の目的は、在来種の保護にある。BuzzFeedの取材にて、条例案に賛成のジョンさんは、飼い猫の存在が、町のトカゲや鳥の激減に大きく影響していると話してくれた。ニュージーランドの固有種であるニュージーランドバトが、飼い猫によって殺されたのを、何度も見たことがあるという。
「飼い猫禁止案が通ることを願いますよ。猫は、動くものはすべて殺します。町の年寄りたちは、岩を裏返せばトカゲがいたもんだと言いますが、今はもういません」
飼い猫規制案がニュージーランドで持ち上がるのは、今回が初めてではない。オークランド市議会でも、今年初め、害虫対策の一環として、マイクロチップをつけておらず、生態学的に問題があるとして捕獲された猫は殺処分とするとう条例案が提出されている。
オマウイに住んで5年というニコさん。3匹の猫を飼う彼女は、条例案はとても残念だと、BuzzFeedに語った。条例案の存在で、地域のコミュニティに亀裂がはいっているというのだ。
現在、反対派の人々は大きく声をあげられず、匿名で環境課に投書している状態だという。ニコさんは、猫を禁止したところで効果はないと考える。
「飼い猫がどれほどオマウイの在来種に影響を与えているのか、証拠を見せてほしいです」
また、地元メディアの取材を受けるまで、条例案の存在を知らされていなかったことにも不信感をもっているという。
賛成派のジョンさんは、飼い猫を規制することで、ニュージーランド独自の貴重な鳥類を呼び戻すことができると考える。
「猫が嫌いなわけじゃないんです。これは、ここに住む責任だと思っています。自分の住む土地の環境を、自分で壊すなんて考えられません」