世界各地に広がる「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」の大規模な抗議活動。警察による暴力行為だけでなく、約400年にわたって根付いた体系的な差別を撤廃しようという動きが、より一層強まっている。
レディー・ガガなど、多くの著名人も人種差別に反対し、声を上げている。
ビートルズのポール・マッカートニーもその1人。
1964年、フロリダ州ジャクソンビルで行われる予定だったコンサートへの出演を拒否したと明かした。理由は、「観客が人種ごとに分けられていたから」。
ビートルズのメンバーは、人種隔離政策には反対だった。観客が「分離」される形のコンサートを、彼らは望まなかった。
1964年、ビートルズはアメリカのジャクソンビルで演奏することになっていた。でも観客席が(黒人と白人で)分離される予定だと知った。
そんなの間違っている。そう思って、「僕たちはそんなライブはしない!」と言った。そして、最終的にジャクソンビルで「観客が分離されない」形で演奏した。これは、あの地では初めてだった。
その後、ライブ出演する時は、観客を分離しないことを契約書に必ず明記することにした。僕たちにとっては、それが常識だったから。
ここで重要なのは、ビートルズの対応だけではない。60年近く経った今でも、私たちが同じレベルの人種差別に直面しているということだ。
今、この世界の実情を思うと気分が悪い。怒りすら感じる。あれから60年近く経った今でも、人種差別的な警察によってジョージ・フロイドが無意味に殺された。彼だけではない。数えられない黒人が、命を落としている。
「沈黙は、意見とは言えない」。ポールはそう付け足した。
この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子