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Rebecca Hendin / BuzzFeed

パートナーからの性的暴行。5人の女性が語った被害

警告:この記事には、生々しい性的暴行とレイプの描写が含まれています。

レイプ犯には「無差別に見知らぬ被害者を襲う者」というイメージがある。しかし、実際の加害者に関するデータをみると、このイメージは食い違っている。オーストラリアの調査では、性的暴行の大部分が被害者の知人によるものだという。

女性に対する性的暴行の71%は、被害者の知人によるものだ。被害者が男性の場合は、加害者が知人のケースは80.9%に達する。この数字は、オーストラリア統計局がまとめた5つの州と地域の最新データだ。

2015年に起きた女性に対する性的暴行事件のうち、パートナーから性的暴行を受けた人の割合は、6%(ノーザンテリトリー)~11%(サウスオーストラリア)だった。

以下は、パートナーから性的暴行を受けたオーストラリアの5人の体験談だ。


エステルは、自分が望まないときに体を触られても、男性との関係では「あたりまえのこと」だと受け入れるようになった。

「私の胸やお尻は、私の自身のものではないと思っていました」とエステルはBuzzFeed Newsに話してくれた(エステルをはじめ、この記事に登場する人物は、プライバシー保護のために名前を変えている)。

元恋人のアダムとの3年にわたる恋愛関係のなかで、「本物の同意」があったことは「ほとんどまったくなかった」とエステルは言う。

「パートナーの性的欲求を一度でも満たせなかったら、それをきちんと満たせる誰かに彼を奪われる。そう心配しなければならないと教えられていました」

「すごく嫌なのに、彼を受け入れてしまうことが何度もありました。彼を満足させられない日が2日か3日続いたら、彼が別れたいという気持ちになってしまうのではないか、と怖かったから」

エステルが料理をしているときや、勉強をしているとき、皿を洗っているときに、アダムが背後から近づき、「乱暴に押し入る」ことがたびたびあったという。

「自分の無力さを感じ、彼の力の強さを思い知らされました」

「ノー」と言うのが怖かったばかりに、「ものすごく不快な気持ち」になる性的行為を受け入れたこともあった。

「真夜中に目を覚ますと――たいていはセックスを拒んだ夜ですが――彼が私の上に乗っていて、私の身体をまさぐっていることがよくありました。ときには、私の中に無理やり入ってくることもありました」

「同意なんてありませんでした……やめてくれるときもあれば、そうでないときもありました」

寝ているあいだにアダムに乗りかかられた最初のとき、エステルは抵抗した。何度も「いやだ」と言い、やめるように頼み、押しのけようとした。だが、抵抗すると「不感症」と言われた。それが2人の関係に悪影響を与え、「問題を生む」と責められた。

一度、セックスを拒んでアダムに殴られたこともある。

「私は自分の身体をパートナーに明け渡しました。勇気を出して自分の意志を主張しても、傷つけられたり、暴力を振るわれたり、レイプされたりするだけです。あるいは、2人の関係をダメにしたと責められたり。なにしろ『男性には欲求がある』のだから、と」

「女性が恋愛をする場合、たいていは同意の権利を放棄することを期待されます。それはとてもおそろしいと思います」

カーメンが恋に落ちた相手は、「おもしろくて、気さくで、よく笑顔を見せる」同僚のミッチェルだった。

2人は1年間つきあった。その期間について、カーメンはこう話す。「私の最高の庇護者になるはずだった人に、私は怯えていました」

ミッチェルは言葉でも、身体的にも、性的にもカーメンに暴力を振るったが、ありとあらゆる言い訳でその暴力行為を正当化した。

「彼はよく、愛されていないと感じたとか、自分の理想よりもセックスの回数が少ないと言って、泣きました。ときには、別の男性が私を上から下まで眺めまわしていたとか、私が彼のものだと思い出させる必要があるとか、そんな理由のこともありました。私と男性の友人とのおしゃべりが長すぎるから、ということも何度かありました」

ミッチェルの悲しみは、すぐに攻撃性に姿を変えた。

「涙を流していたと思ったら、ほんの数分後には、もう私に馬乗りになって両手で首を絞め、私のなかに押し入っているんです」とカーメンは言う。

自分が彼を失望させたせいだ、そんな仕打ちを受けても仕方がない、とカーメンは思い込んでいた。「彼の求めることをもっと理解しなければいけない」と自分に言い聞かせていた。

「そのあとすぐに、彼はいつも、自分が残した跡について弁解していました」

ミッチェルはカーメンに対して、自分はきみの魅力には抗えないし、「ファックせずにはいられない」のだから、きみはそれを嬉しく思うべきだと言った。

ミッチェルは自分の暴力的な行為を、「荒っぽいセックス」にすり替えようとしたのだ。

カーメンは虐待の重荷をひとりで抱えていた。カーメンは運動選手タイプの活発な女性だ。そんな自分が応戦しなかったり、警察に訴えられなかったりするなんて、誰も信じてくれないだろうと思っていたからだ。

「腕や首や顔にある跡について何か訊かれることがあっても、肩をすくめて、わからない、がさつだから、と言うだけでした。そんな情けない答えに、みんながあっさりと納得してしまうことに失望したけれど、同時にほっとしてもいました」

ミッチェルと別れようとするたびに、自殺するという彼の脅しが「差し迫った現実」として真実味を帯びていくような気がした。

「2人の両方が生きている限り、この関係を終わらせることはできない、と本気で信じるまでになっていました。あとはもう、いつ終わらせるのか、そのタイミングの違いでしかない、と思っていました。自分には彼よりも生きる資格があるとか、そんなふうに考えるのは、おそろしいことでしょう?」

その罪悪感は、ミッチェルと別れたずっとあとまで消えなかった。

「私は自分のために正しいことをしたのだ、私は彼の問題を治すために生きているのではない、と理解するまでに、長い時間がかかりました」

いまなら、虐待行為や支配的行動にもっと早く気づけるはずだと、カーメンは前向きに考えている。とはいえ、いまでも「ひどい気分の波」に苦しんでいる。

「彼や自分自身に対する怒り。主体性を失ってしまったことや、怯えながら過ごした1年に対する怒りが、身体のなかで膨れ上がることがあるんです。ぐったりして、何をする気力も出ないこともあります。こんなことして何になるの、しょせん人間なんて残酷なものなんだから、と思ったり。ただ泣くだけのときもあります」

カーメンはいまでも職場でミッチェルと顔を合わせるが、気持ちは以前よりも楽になっている。

「私はまだ闘っています。壊れてはいません」

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「本当に温室育ちの子ども」だったジャスミンは、信心深い両親のもとで、ほぼ通学せずに自宅で教育を受けて育った。

だが、反抗期を迎えた18歳のときに、地域の演劇グループで一緒だった33歳のビクターに求愛された。

「デートに誘われた記憶もありません。本当に突然、つきあうようになったんです」とジャスミンはBuzzFeed Newsに語った。

「私たちは長い時間をかけて、私の処女喪失について何度も話し合いました。私ははっきりと、心の準備ができたら教えると伝えました」

そうした話し合いは、ビクターが「待つと約束」して終わるのが常だった。

「ある夜、パーティーがあって、たくさんの人が彼の家に泊まりました。だから、私が寝る場所は、彼のベッドしかありませんでした。私はひどく酔っていて眠かったので、服を着たままベッドに入り、眠りに落ちました」

「私が目を覚ましたときには、彼はもう、挿入しようとしているところでした。というか、その痛みで目が覚めたんです」

ジャスミンは「身体が凍りつき、終わるまでじっとしていた」という。

「そのあと、彼に抱きしめられて、私は泣きました。女の子はみんな、処女を失ったときに泣くものだと、彼は言っていました」

ジャスミンはモーニングアフターピルを飲んだ。両親にばれるのではないかと「びくびくして」いた。

「下着についた血を洗っていたら母に見つかって、生理が早く来たと嘘をついたのを覚えています。あの日は1日じゅう、次から次へと屈辱を味わいました」

「私はずっと、自分が男性を誘惑して罪を犯させたのなら、それは私の過ちのようなものだと信じて育ちました。両親はそんなふうに自分たちの信仰を解していたし、私もそう教えられてきました……だから、打ち明けなかったんだと思います。実際、誰にも話しませんでした」

ビクターとの関係は、それからさらに7カ月続いた。

何年もあとになって、あるパーティーでほかの女の子たちの初体験の話を聞いてはじめて、ジャスミンは自分の経験が「普通ではなかった」ことを理解した。

「彼女たちの話で衝撃だったのは、彼女たちが決定権と力を持っていたことです……私からすれば、『ちょっと待って、自分で選ぶの?』という感じでした。そのときに、自分に起きたことは普通ではなかったんだと気づいたんです」

20代のほとんどをつうじて、ジャスミンにとってセックスは「体外離脱的な体験」で、「心と頭がどこかに閉じ込められていた」という。

「誰かの腕に抱かれて眠りにつくことができませんでした――眠るとき、自分の身体に相手の腕や脚の重みを感じると、パニックになってしまって。元彼にレイプされて目を覚ました瞬間が、フラッシュバックするんです」

ジャスミンはいま、「やさしくて理解のあるパートナー」と長くつきあっている。

「パートナーを抱きしめたまま眠れるようになってきました。長い時間がかかったけれど、乗り越えつつあることを誇りに思っています」

ラーラは、10年をともに過ごした夫と離婚したが、子どもの父親である夫とは、「ごく普通の、愛情と理解のある関係」を保っていたという。

「私たちはふたりとも、子どもの両親として友好的な関係であろうと必死に努力していました。それでも離婚後は、相手に対する憤りが大きかったと思います」

ラーラは新しい職に就いたばかりで、それにうまく対応できなかった。

就職して3日目に、ラーラはパニックに襲われ、別れた夫に電話をかけて助言を求めた。

「彼はうちに来て話をして、私がボトル半分のウイスキーを飲み干すのを眺めていました。数時間のうちに、私は見るからに酔っぱらった状態になりました」

ラーラがベッドに行くと、元夫もついてきたという。

「レイプされた当時、私は35歳で、離婚してから5年が経っていました」

ラーラが唯一覚えているのは、元夫にキスされないように顔をそむけたことだ。

「『いやだ』と言ったと思いますが、私は泥酔していました。身動きもできなかったし、セックスに応えたり望んだりする状態じゃないのは、どう見ても明らかでした。ことが終わると、彼は服を着て出て行きました」

この出来事は、ラーラには「理解できない」ことだったという。というのも、元夫はかつて、ラーラが過去に受けた性的暴行を乗り越えるのを支えてくれたからだ。

「あのレイプは『驚き』どころではありませんでした。私は身体的にも精神的にも同意できる状態ではなかったのに、そんな最悪のときにレイプするなんて、ひどいとしか言いようがありません」

次に元夫に会ったとき、ラーラはレイプされるのではないかと「すごく怯えていた」という。

「私は一晩中、文字どおり足を組み、腰の上で腕組みをして座っていました。身体が自分の身を守ろうとしていたんです。頭がうまく動いていなかったから」

最近では、ラーラは元夫を避けるようにしている。

「子供のために、礼儀は保っています」

ブリーは15歳のときに、アレックスとつきあいはじめた。アレックスはトランスジェンダーの男性で、ふたりがつきあっていた当時は女性の姿をしていた。

「その交際のせいで、友だちから仲間はずれにされました。私はカトリックの高校に通っていて、(アレックスとのつきあいは)同性間の恋愛と見なされたからです。内心の同性愛嫌悪が大きかったんです」とブリーは言う。ブリーは現在、21歳になっている。

「本格的な交際は初めてだったので、そのつきあいが不健全だと気づくまでに、しばらく時間がかかりました」

ある日の放課後、ブリーはアレックスから、身動きできないように縛って、目隠しをしたいと言われた。

「最初から不快感があったけれど、受け入れました」とブリーは言う。

「そのときのセックスのかなり早い段階で、私は『やめて』と言いました。これ以上したくない、不快だ、と。でも、彼に胴体を抱えられていたので、抵抗できませんでした。行為はさらに乱暴で荒っぽくなりました」

「私は『やめて』と言うのをやめました。両親が家にいたから、あまり大声は出せなかったんです」

その後、ブリーはそのときのことについて、アレックスと話し合おうとした。

「私が『やめて』と言ったのは、そう言って彼を喜ばせようとしていたからだと思ったと、彼は言いました。そんなことは、それまでになかったのに……したくないと明確に言わなかった私のせいにされました」

アレックスはブリーに花を贈り、「ひどい気分だった」と言ったが、その理由については認めなかった。

「私は何度もそれについて話し合おうとしましたが、彼は最後には、『警察を呼んで俺を刑務所送りにするか、この話をやめるかのどちらかだ』としか言わなくなりました」

3カ月後、ふたりは別れた。

「いまでも、セックスをするのが苦しいんです。少なくとも、あのときのことを思い出さずにするのは難しい」とブリーは言う。

「アレックスが男性の姿になったことで、私からすると楽になった部分はあります。というのも、彼が男性だとわかっていれば、私が暴行を受けたことをみんなに信じてもらいやすいからです。でも、私たちがつきあっていた当時は、彼は女性だと思われていました」

この記事は英語から翻訳されました。翻訳:梅田智世/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan

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Gina Rushton is a breaking news reporter for BuzzFeed News and is based in Sydney.

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