ご注意:本記事は、性暴力の話題を扱っています。
※レキシーさんとその家族は、匿名を希望しているため、苗字は伏せています。
自称「パワーポイント・ストリッパー」のレキシーさん(22)。レキシーさんは、『今日は秘密をお教えします』というタイトルで、まるで講義をするように、自身の秘密を両親に告白しました。その様子を撮影した動画がTikTokで公開され、540万回以上再生されています。

拡散されたこの動画は、レキシーさんの姉であるサミさんが撮影しました。動画内では、レキシーさんが両親の前で、次のように講義を始めます。
「この秘密は私の人生に関わるもので、誰かに影響を及ぼすものではありません」
「秘密を打ち明ける理由はただひとつ。私がいちばん愛して信頼している人たちに、私に今何が起きているのかを知ってほしいから。そして、私が歩む人生の一部となってほしいからです」
「これから話す『秘密』とは、私は有能で、かっこよくて、力強いことを示します」(左)

そして、次の瞬間、レキシーさんは自身の重大な秘密をはっきりと打ち明けたのです。
両親がリアクションする間もなく、レキシーさんは次のスライド『よくある質問』に移り、解説を始めます。

レキシーさんはこれらの『よくある質問』に答え、自身の心境を両親に訴えました。
プレゼンが終わると、レキシーさんの母親ジェンさんはこう言いました。
「人生に関することを正直に話してくれて、本当にありがとう。レキシーは、力強いね」
そして、父親のエイドリアンさんも、「我が家に新たな彩りが加わったね」と応援していました。

この動画に対して、レキシーさんへの応援やプレゼン能力を称賛するだけでなく、揺るぎないサポートをしてくれるレキシーさん両親への絶賛のコメントが、たくさん寄せられました。
「あなたのお母さん、めっちゃ支えてくれるじゃん、びっくり」

「これが…これが機能している健全な家族ってやつか???🥺」

BuzzFeedは、この動画を投稿したレキシーさんとその家族(サミさん、ジェンさん、エイドリアンさん)に、話を聞きました。
学生時代の不幸な体験が「すべての始まり」
レキシーさんにとって、性的な活動に自信を持つようになったきっかけは、高校時代にまで遡ります。
「16歳のとき、アルバイト先のファストフード店のマネージャーが、私の同意も、意識さえもないときに、私の処女を奪ってしまえ、と企てたんです」
「このことが原因で、私の人生は変わってしまいました」とレキシーさんは話します。
その後、大学でも性暴力の被害に遭ったと打ち明けました。
「憧れていた大学へ進んだのですが、同級生に押し倒されました。行為の最中、何度もノーと言ったのに」
ストリップに「魅力」を感じるように
しかしレキシーさんには、心境の変化があったといいます。
「回復するにつれ、ストリップがとても魅力的に思えるようになりました」
「ポジティブなやり方で、人とセクシーに関わったり、自分の性的指向を前向きに受け入れてもらったり、他の人にハッピーになってもらったりできると思えたのです。もちろんすべて、私が同意した上でですけど」
「そして実際にストリップダンサーとして、まさにそういった経験をこれまでにしてきました」
一方、母親ジェンさんは 、レキシーさんから秘密を打ち明けられ、母親としての心境を吐露しました。
「人生とは、それぞれの人が歩む道のりです。私たちは誰もが、学び、成長するために生まれてきたのです」
父親のエイドリアンさんは、こう語ります。

「私は親としての成功を、子どもたちがどれだけ自分と同じように育ったかでは判断しません」
「子どもたちがどれだけ安心して話をしてくれるかで判断しています」
「この動画は、私たち親と子どもたちの間で育んできた親密なコミュニケーションのカタチを反映していると思っています。もちろん、それは長年の苦労の末に築けたものですが」
動画を撮影した姉のサミさんは、家族の関係性について、こう話します。

最後に、父親のエイドリアンさんとレキシーさんは「性労働に否定的な世論」に向けて、私見を述べました。

「性労働はずっと、人間社会の一部でした。しかし現在は多くの人が、性労働について話すことは居心地が悪いと感じています」
※性暴力を受けた経験がある場合、#8103(ハートさん)に電話をかけて相談できます。
発信された地域にある各都道府県警察の性犯罪被害相談電話窓口につながる、全国共通の番号です。
他にも、内閣府男女共同参画局による性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター♯8891(はやくワンストップ)もあります。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:松丸さとみ / 編集:BuzzFeed Japan