「女性がいなくなる日」とは? 世界の数百万人動かしたウィメンズ・マーチがストライキへ

    女性たちは黙っていない。何かがおかしいと感じたら、立ち上がる。批判もはねつける強さを持つ。それが社会を変えると信じているから。

    世界で数百万人が立ち上がったウィメンズ・マーチ(女性大行進)。その主催団体が2月6日、ストライキを呼びかけた。

    「ゼネスト:女性のいない日(デイ・ウィズアウト・ウーマン)」。つまり女性が一斉に出勤せず、職場から女性の姿が消える日にしましょうということ。「日付は追って知らせます」

    「人々の意志は立ち上がる」

    広報担当者は「企業に責任ある経済活動を要求するためのプランについて、近く発表します」と話した。

    「自由と平等という原理が脅かされている今、ウィメンズ・マーチは、肯定的にコミュニティを築き、絆を強め、女性やマイノリティが経営する地元企業を支援するような活動を追求します」

    ウィメンズ・マーチは、トランプ大統領の女性を蔑視したり、役割を押し付けたりする発言に抗議する活動として始まった。ただ、トランプ大統領への個人攻撃ではなく、女性の権利の擁護やエンパワーメントを掲げて、広がった。

    参加者は、反人種差別、LGBT権利擁護、環境保護といった幅広い訴えを掲げて、世界各地を練り歩いた。

    盛り上がるボイコット運動

    経済活動を通じて女性たちが企業に要求を突きつける運動はいま、アメリカで盛り上がりを見せている。

    #GrabYourWallet (財布をつかめ)はサンフランシスコの女性が昨年10月に始めた活動。大統領選で女性差別発言を続けたトランプ大統領に抗議し、ホテルやゴルフ場などトランプ家のビジネスを利用しないようにボイコットを呼びかけた。

    ボイコット運動は大統領就任後に大きく盛り上がった。中でも女性が消費者としてのパワーを見せつけたのが、娘イヴァンカのブランド商品を扱う百貨店のボイコットだった。

    有名百貨店ノードストロームは2月2日、イヴァンカブランドの取り扱いをやめると発表した。百貨店ニーマン・マーカスもジュエリーの取り扱いをやめた。現在は、取り扱いを続けるメイシーズやアマゾンなどに批判が集まっている

    「ワォ!#レジスタンスは成功している ノードストロームはイバンカ・トランプのブランドと手を切った #GrabYour Walletを成功に導いてくれたみなさん、ありがとう」

    Wow! #RESISTANCE is working Nordstrom cut ties with Ivanka Trump Brand Thank you to all who worked at making… https://t.co/KisqysAtN0

    「イヴァンカへ #GrabYourWalletボイコットは、あなたのお父さんのアメリカ第一主義の延長よ」と皮肉るツイート。イバンカの靴は中国製だ。

    Dear Ivanka: just look at the #GrabYourWallet boycott as an extension of your dad's America First campaign. ☕️

    ウィメンズ・マーチの主催団体は、#GrabYourWalletの運動を称賛し、「経済パワーを団結させる活動を支援します」という声明を出した。

    世界で立ち上がる女性たち

    立ち上がる女性たち。アメリカに限られない。ここ1年、グローバルに大きな力を発揮している。

    フランスでは昨年11月7日午後4時34分に女性たちが一斉に職場を離れた。男女の賃金格差に抗議するストライキだ。

    2010年、フランス女性の平均賃金は男性より15.1%少なかった。主催団体は、この時間をもって、男性だった場合にもらえる年間賃金分は働いたことになると計算した。

    ポーランドでは昨年10月、人工妊娠中絶を原則禁止する法案に反対し、10万人もの女性たちがストライキとデモ活動を繰り広げた

    「ブラックマンデー」と呼ばれ、女性らは黒い服に身を包んだ。性と生殖に関する権利(リプロダクティブ・ライツ)が侵害されることを嘆いてのことだ。

    法案は否決された

    ゼネストへ

    いまのところゼネストの日付は公表されていない。アメリカでは別の団体が2月17日にゼネストを予定している。この主催者はBuzzFeed Newsにウィメンズ・マーチ側と7日に会議を持つと話した。

    ウィメンズ・マーチがゼネストを呼びかけるツイートはすでに2万回以上リツイートされた。FacebookInstagramには「いいね!」など3万以上のリアクションがある。

    著名人も賛意を示している。

    コメディアンのコリーヌ・フィッシャーは、経済的な力を使って社会を変えようというメッセージを発信した。「これこそが私が話してたこと。財布を攻撃してやりましょう」

    This is what I'm talking about. Hit 'em in the wallet. https://t.co/rEj1ckAjra