中国の砂漠を駆け抜ける、過酷な6日間マラソン。その2日目、 プロランナーのディオン・レオナルドは、小さな犬が自分の傍らを走っていることに気づいた。
レオナルドが子犬の存在に気づいたのは、ゲートル(ランナーが足首の周りに巻くもの)に、その犬がかみつき始めた時だった。レオナルドは、その犬が前の晩にキャンプをうろついていた、ちっちゃい犬だ、ということに気づいたという。
その犬は、レオナルドと一緒にキャンプ地のテントまで戻り、レオナルドの傍らで横になった。
レースに、ちなんで「ゴビ」と名付けられたその犬は、残りの大会期間も、キャンプに入りびたった。他のマラソン参加者たちも、自分たちの食事をゴビのエサ用に分けてくれた。
ゴビはすぐに、このイベント参加者の間で人気者になった。そしてレオナルドは、強い絆を結んだこのゴビを、飼おうという気持ちになっていた。
レオナルドは、ゴビを住んでいる英国に連れて帰る費用の足しにするため、クラウドファンディングに着手した。目標額はすでにクリアし、しかも、はるかに上回っている。
レオナルドはすでに受け入れの手続きを開始しており、ゴビを一時的に中国の友人に預けているという。
マラソン最終日。ゴビとレオナルドは一緒にゴールインした。