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半数以下に減った席。裁判にも影響与えたコロナ

3月16日、「相模原事件」の判決が言い渡された。一般傍聴席の10席を求めて1603人が列を作った。

相模原市の知的障害者入所施設「津久井やまゆり園」で入所者19人を刺殺し、職員を含む26人に重軽傷を負わせた「相模原事件」。元施設職員の植松聖被告に3月16日、死刑の判決が言い渡された。

16日午前、横浜地方裁判所近くの傍聴券の抽選会場には裁判の判決を見届けようとする人々が列をなした。

席は10席。倍率は160倍に

横浜地裁は新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、法廷の一般傍聴席はこれまでの半分以下、10席に絞られた。

今回の裁判の傍聴券を求めて、並んだ人の数は1603人。倍率は160倍にもなる。

横浜地裁総務課広報係の担当者によると、法廷内では「横2席を開け、前後には着席しない」形で傍聴人は着席したという。

リストバンドの配布方法にも変化が

新型コロナウイルス対策はそれだけではない。

通常は屋内で行う傍聴券の抽選券であるリストバンドの配布を屋外で行ったほか、普段であれば係員が直接列に並ぶ人々の手にリストバンドを巻いているが、今回は原則として抽選の参加者自身に巻いてもらう形で対応した。

自身でリストバンドを巻くのが難しい場合は、係員が手首やバッグにリストバンドを巻いていた。担当の係員には手袋の着用を義務付けたと広報担当者は説明する。

抽選結果の発表の際も、「対策として発表する場所を倍にして一箇所に人が集まらないように配慮した」と語る。

法廷内には横浜地裁がアルコール消毒液を用意し、傍聴席の一人ひとりに利用して消毒することを声がけしたという。

こうした対応は今後も続くのだろうか。横浜地裁の担当者はこうした対応の終了時期は「現時点では未定です」と回答した上で、傍聴券を配布する際の特別な配慮を行うかどうかは「事件ごとの判断になる」とした。

横浜地裁では3月13日から全ての裁判の法廷で傍聴席の席数を減らし、新型コロナウイルスの感染拡大予防に努めている。