中止になった「桜を見る会」にまつわる9の数字

    2004年に約8000人だった参加者は2019年には1万8200人に。ここ5年で支出の総額は2000万円以上増加。安倍首相や萩生田文部科学大臣の後援会の会員が多数招待されていることも問題視されている。

    費用面や招待者基準などをめぐり、批判が集まっていた首相主催の「桜を見る会」の中止が決まった。

    「桜を見る会」は首相が主催し、毎年春に開催される恒例行事。

    政府答弁によると、「各界において功績、功労のあった方々を招き、日頃の御苦労を慰労するとともに、親しく懇談する」ことがその目的だ。

    招待者数や関連支出がここ数年で急増していること、そして安倍首相の後援会関係者が多数招待されていることなどが問題視され、批判の声が高まっていた。

    BuzzFeed Newsは、桜を見る会に関する9つのポイントをまとめた。

    1. 今年の参加者数は1万8200人

    時事通信

    内閣府の国会答弁によると、4月13日に開かれた今年の桜を見る会には、1万5400人が招待された。

    家族などの同伴者がいることから、招待者と参加者の数は異なる。今年の参加者数は1万8200人だった。

    2. 15年前に比べて1万人増加

    Yuto Chiba / BuzzFeed

    首相官邸サイトや関連報道による「桜を見る会」の歴代参加者数をまとめると、15年間での参加者数の増加は以下のようになる。

    2004年:約8000人(自民党・小泉政権)

    2005年:約8700人(自民党・小泉政権)

    2006年:約1万1000人(自民党・小泉政権)

    2007年:約1万1000人(自民党・安倍政権)

    2008年:約1万人(自民党・福田政権)

    2009年:約1万1000人(自民党・麻生政権)

    2010年:約1万人(民主党・鳩山政権)

    2013年:約1万2000人(自民党・安倍政権)

    2014年:約1万4000人(自民党・安倍政権)

    2015年:約1万5000人(自民党・安倍政権)

    2016年:1万6000人(自民党・安倍政権)

    2017年:1万6500人(自民党・安倍政権)

    2018年:1万7500人(自民党・安倍政権)

    2019年:1万8200人(自民党・安倍政権)

    安倍政権下で参加者数が増加していることがわかる。

    3. 参加できる「10」の基準?

    時事通信

    「桜を見る会」には安倍首相や萩生田文科相の後援会関係者が呼ばれていたことから、「私物化」として、その選定基準が批判の対象になっているほか、公職選挙法に違反するのではないか、という指摘も上がっている。

    政府答弁によると、「各界で功労・功績のあった人たちを慰労し、懇談すること」を目的に開催されている「桜を見る会」の参加者の招待範囲は以下の通りだ。

    《皇族、元皇族、各国大公使等、衆参両院議長および副議長、最高裁判所長官、国務大臣、副大臣及び大臣政務官、国会議員、認証官、事務次官等および局長等の一部、その他各界の代表者等》

    今回問題となっているのは、「その他各界の代表者等」という条件にある「等」の文字が、どこまでの範囲を含んでいるのかという点だ。しかし、一連の経緯に関して、政府は個人情報であることを理由に回答していない。

    4. 経費:1.7倍に

    Yuto Chiba / BuzzFeed

    5月13日の決算行政監視委員会で内閣府が公表したデータによると、支出総額がここ数年で1.7倍(2014年の3005万円から18年の5229万円)と、年々増加している。2020年度予算では5700万円が計上されていた

    【過去5年間の「桜を見る会」の支出総額】

    2014年:3005万3000円

    2015年:3841万7000円

    2016年:4639万1000円

    2017年:4725万円

    2018年:5229万円

    5. 支出額は一人あたり約3000円

    時事通信

    2018年の参加者は1万7500人、支出総額は5229万円だ。1人あたりの支出額は単純計算で2988円となる。

    6. 飲食物に総額2261万5000円

    Yuto Chiba / BuzzFeed

    共産党・田村智子参議院議員の事務所が内閣府から入手した資料によると、2019年は飲食物提供業務に2261万5000円、会場等設営業務に2167万円が支払われている。

    2014年には飲食物提供業務に1432万4000円、会場等設営業務に928万5000円が支払われていた。この5年間で飲食提供の費用は1.5倍に、会場設営の費用は2.3倍に膨れ上がっている。

    7. 1952年から続く恒例行事

    時事通信

    朝日新聞によると、「桜を見る会」は1952年に当時の吉田茂首相が戦前に開催されていた「観桜会」を参考に始めたとされている。

    8. 中止となったのは4回だけ

    時事通信

    これまで「桜を見る会」が中止となったのは67年間で4回だけだ。

    1960年:日米安保条約の改定を巡る混乱を理由に中止

    1995年:阪神淡路大震災が起こったため中止

    2011年:東日本大震災が起こったため中止

    2012年:北朝鮮のミサイル問題のため中止

    9. 前夜祭の参加費は5000円?

    時事通信

    「桜を見る会」の前夜祭が開催されていることにも注目が集まっている。

    朝日新聞によると、2018年の「桜を見る会」前夜に東京・ホテルニューオータニで開かれた安倍首相夫妻同席の夕食会の会費は1人5000円だったという。

    しかし、安倍首相が代表を務める政党支部や関係する政治団体の収支報告書に収支の記載はないという。また、高級寿司店の寿司も振舞われたという前夜祭が、ニューオータニの会場費も含めて5000円で賄えるのかといった点などを野党は問題視し、批判を強めている。

    政府は11月13日、来年度の桜を見る会の中止を発表した。安倍首相自らの判断だという。

    時事通信

    政府としては今後、「桜を見る会」の招待者の基準の明確化と透明化を図るとしている。

    野党側は安倍首相の出席した予算員会の集中審議を要求しているが、与党側は拒否。

    野党は追及チームをつくり、内閣府からヒアリングを実施するなど、引き続きこの問題を追及していく方針だ。

    Contact Yuto Chiba at yuto.chiba@buzzfeed.com.

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