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「日本は男女平等だと思いますか?」メディアからの質問に、橋本聖子新会長は…

橋本会長は森前会長について、会見で「私自身の政治の師」「大変特別な存在」とコメント。「私はやはりアドバイスをしていただかなければいけない局面もあるんだろうと思っています」としている。

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の新会長に2月18日、橋本聖子氏が就任した。

橋本会長は記者会見を開き、東京五輪開催に向けた意気込みや新会長選任に至った出来事についてコメント。

「私のミッションは、参加者にとっても国民の皆さんにとっても、安全最優先の大会を実現して、アスリートの皆さんが迷うことなく、この夢の舞台に立てるように、今の社会の空気を変えていくこと」と語った。

女性比率のアップは「形だけであってはいけない」

前会長の森喜朗氏は女性蔑視発言で批判を集め、辞任した。

橋本会長は「政治の師でもある森会長に対して、私はしっかりとあってはならない発言であったということを明確に申し上げさせていただきました」と語った上で、「これからに生かしていかなければいけない」と強調した。

森氏の発言に抗議する15万筆の署名に応えるためにも、発言の背景などを検証をする必要があるとの見解を示した。

男女平等の問題については「早急な対応が必要」とし、「今月内には新たな方向性を提示する」「組織委員会での女性の比率を40%にする」と語った。

「女性理事の比率を40%に引き上げるということは、形だけであってはいけないという風に私は思っております。ただ単に40%に上げるというだけではなくて、その中身を多くの皆さんに理解していただかなければいけない。非常に丁寧にしっかりとやっていく必要があると受け止めております」

「まだまだ性別役割分担意識が非常に高い」

日本は男女平等だと思いますか?と報道陣に問われると、「日本はジェンダーギャップ指数をとっても、121位という残念な結果であります。まだまだ性別役割分担意識が非常に高い」と回答。

その上で、組織委員会がしっかりと多様性と調和、男女平等といった点を踏まえて改革をしていくことが、まずは必要であると説明した。

「今回の出来事で、多くの方は、組織委員会が大会を契機としたジェンダー平等の推進にいかに取り組もうとしているか、注目されている。そのことに関しては、スピード感を持って進めて、組織委員会に対する皆様からの信頼回復に努めていきたいと思っています」

「軽率な行動について深く反省」

2014年のソチ五輪では、橋本会長は日本の選手団長を務めた。

その際、打上げパーティーで、男子フィギュアスケートの高橋大輔選手に無理やりキスをしたと週刊誌に報じられた過去もある。

当時、日本スケート連盟の会長を務めていた橋本会長は「キスを強制した事実はない」とコメントしていたが、改めてこの問題についての認識を報道陣から尋ねられた。

橋本会長は「軽率な行動について深く反省をしております」「非常に厳しい声は受け止めている」と話した。

森前会長は「大変特別な存在」

前会長の森氏は橋本会長にとって、政界の父にあたる。

橋本会長も森氏について、会見で「私自身の政治の師」「大変特別な存在」と語った。

ラグビーW杯、サッカーW杯、東京オリンピック・パラリンピックの招致活動などに森氏が尽力してきたことを紹介。森氏の経験と実績を強調し、次のように話した。

「私はやはりアドバイスをしていただかなければいけない局面もあるんだろうと思っています」

「一連の状況と同時に、今までの森会長の実績と経験というものを、私自身が前向きに捉えて、しっかりと前に進める原動力にするということが、私自身の会長としての役割」

「正していくべきものと、そして検証するものと、いろいろあると思いますけれども、その部分はしっかりと区別をしてやっていきたい」