新型コロナウイルス感染症の影響で会社が休業に。時短営業で勤務時間が減った。でも、会社から休業手当が出ないーー。
そんな時、使える制度が国の「休業支援金・給付金」だ。
事業者の協力を得られなくとも、条件を満たしていれば誰でも自力で申請できる制度だ。
「雇用調整助成金」、活用されないケースも
「まん延防止等重点措置」をはじめ、新型コロナによる経済へのダメージは今年も広がり続けている。
そんな中、一般的に利用されるのが「雇用調整助成金」だ。
事業者が厚生労働省に申請し、休業時の休業手当を国が肩代わりするもので、コロナ禍をかんがみ特例措置として1人あたり1日15000円を上限に休業手当が助成される。
しかし、この「雇用調整助成金」利用には、いくつかのハードルがある。日本総研によると主な課題は3つだ。
まず1点目が「雇用調整助成金」の申請者は事業者であることだ。そのため、会社が支給に前向きでなければ、どれだけ制度が整えられていたとしても、そこで働く人々は休業手当を受け取ることはできない。
2点目が申請の煩雑さだ。オンライン申請はできず、7種類の書類の提出が必要となる。
3点目が申請から給付までに1ヶ月程度要するということだ。
そのため、一部には対象となるにも関わらず、申請をしない事業者も存在する。
結果として不利益を被るのはそこで働く人々だ。
こうした人々を支えるために設けられているのが、厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」だ。
休業支援金・給付金の対象は?いくらまで?
「休業支援金・給付金」を受け取るため、事業者に作成してもらう必要がある書類は休業の事実について確認するものだけだ。
もし事業者の協力が得られない場合でも、その旨を申請書類に明記すれば、申し込むことができる。
なお、対象となる「休業」には以下のようなケースも含まれる。
・1日8時間勤務をしていたにも関わらず、まん延防止の取り組みを受けて1日4時間未満の勤務になった場合
・「週○日勤務」と労働条件通知書に記載されているのに実際のシフトがそれよりも少なくなった場合
支給金額の上限は1人1日あたり11000円。今年5月以降の休業については、原則1人1日あたり9900円となる。
中小企業で働く正規雇用の人は昨年10〜12月の休業を、中小企業で働く非正規雇用の人は昨年4〜9月の休業を補償する支援金を受け取ることができる。申請期限は5月31日。
中小企業で働く正規雇用、非正規雇用の人は今年1〜4月の休業支援金も受け取りが可能だ。こちらの申請期限は7月31日。
また、大企業で働く人については正規・非正規を問わず、昨年4〜6月、今年1〜4月の休業を補償する支援金の対象となる。申請期限は7月31日だ。
コロナ禍においてはサービス業などが特に打撃を受けており、結果として2009年のリーマンショックと比べ、より多くの女性が困窮しやすい傾向が浮かび上がっている。
しかし、野村総研の調査によると、新型コロナによってシフトが減ったパート・アルバイトで働く女性のうち、この「休業支援金・給付金」を知っているのはわずか16%だ。
申請していない理由の1位は「自分が申請対象になるのか分からなかった」というもの。
この機会に自分が対象となるかどうかを確認することが重要だ。
疑問に思うことなどがあれば、コールセンターへ問い合わせることもできる。
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金コールセンター
電話番号 :
0120-221-276受付時間 : 月曜~金曜 午前8時30分〜午後8時
(土日や祝日は午前8時30分〜午後5時15分)