日本ユニセフ協会は5月1日、新型コロナウイルスのストレスの影響から子どもを守る、子育てのヒントを伝えるウェブ漫画を公開した。
今回公開された『左ききのエレン ユニセフ特別編「チームの世界」』は、広告業界を舞台にクリエイターの葛藤を描いた『左ききのエレン』とユニセフがコラボし、誕生したスピンオフストーリーだ。
伝えるのは子育てのためのヒント
新型コロナウイルスの影響で、「世界のほぼすべての子どもたちが学校に通えていません」とユニセフは今起きている問題の深刻さを伝える。
現在までに約190カ国で休校措置がとられ、その影響は13億人の子どもと若者に及んでいる状態だ。
完全または部分的なロックダウンを実施している国で暮らしているのは世界の子どもの約6割。そんな中で「家庭でのストレスレベルも上昇し、子どもたちへの家庭内暴力や虐待のリスクも高まって」いる。
そんな中で、親子で前向きに日々を過ごしていくためのヒントを提示するため、このコラボが実現した。
ベースとなっているのは、ユニセフが4月10日に発信した「ユニセフの子育て6つのヒント」だ。
子ども一人ひとりと過ごす時間を確保することや、よくできたときには褒めるようにといったアドバイスや一定の日課を設けることの必要性などが6つのポイントでまとめられている。
【子育て6つのヒント】
(1)1対1の時間をつくろう
(2)ポジティブでいよう
(3)日常を整えよう
(4)子どもが誤ったふるまいをしたら
(5)ストレスとうまく付き合おう
(6)新型コロナウイルスについて話そう
「育児を完璧には出来ていないと感じる事もあります」
『左ききのエレン』の作者・かっぴーさんも一児の父。今回無償で協力するに当たって、自身が抱く戸惑いもコメントしている。
「私にも1歳半の娘がいて、夫婦共働きの中で協力しあって育児をしています。でも仕事に追われたり自分の体調が万全とは言えない時、育児を完璧には出来ていないと感じる事もあります」
その上で、スピンオフ作品で子育てに励む保護者にメッセージを送ることを決めた背景を次のように語る。
「大切な事は日々のルーティンを決めて穏やかに過ごす事だと思います。特別な事では無く、自分に出来る日常的な事が誰かのために繋がるかも知れません。私に出来る事はと言えば、漫画を描く事くらいしかありませんので、いつも通り漫画を描く事が誰かの助けになるのであれば、こんなに安上がりな事は無いと思います」
「まず親が平静を取り戻す事で、子どもは安心できると思います。家庭内暴力・DVと聞くと反射的に『うちには縁がない』と思いたくなると思いますが、当たり前の事がままならない今だからこそ、家族と過ごす時間の大切さを改めて思うきっかけになれば幸いです」