全国各地で新型コロナウイルス感染症の爆発的な感染拡大が続く中、妊婦のコロナ患者も増加している。
千葉県柏市では、新型コロナに感染した30代の妊婦が入院先が見つからないまま早産し、新生児が死亡するという事例も起きた。
妊娠中に新型コロナの感染が判明し、自宅療養や宿泊療養をする場合、どのようなポイントに気を付けるべきなのだろうか。
産科医に連絡すべき症状は…
日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は8月23日、「新型コロナウイルス感染で妊娠中に自宅や宿泊療養(ホテルなど)となられた方へ」と題した文書を発表。
新型コロナと関係なく、次のような症状がある場合には、かかりつけの産婦人科医へ連絡するよう求めている。
・性器からの出血
・破水感
・頻繁に起こる子宮の収縮
・胎動の減少
・強い腹痛
・その他、助産師等から妊婦健診時に言われていた症状
健康観察のポイント
新型コロナについては、以下の通り健康観察をするよう呼びかけている。
・呼吸状態、心拍数や呼吸数の計測
・体温の測定
・パルスオキシメーターを持っている場合には酸素飽和度の測定
新型コロナの症状、何に注意?
さらに、次のような症状がある場合、かかりつけの産婦人科医か保健所へ連絡する必要があるという。
(1)1時間に2回以上の息苦しさを感じる時
(2)トイレに行くときなどに息苦しさを感じるようになった時
(3)心拍数が1分間に110回以上、もしくは呼吸数が1分間に20回以上
(4)安静にしていても酸素飽和度が93-94%から1時間以内に回復しない時(妊娠中は赤ちゃんのために95%以上の酸素飽和度が必要)
こんな症状が出たらすぐに救急車を
また、以下の場合はすぐに救急車を要請するよう求めている。
(1)息苦しくなり、短い文章の発声も出来なくなった時
(2)酸素飽和度が92%以下になった時
「酸素投与以上の治療が必要な方は全体の2割以下」
両団体の文書は、こんな風に呼びかけている。
「妊娠中に新型コロナウイルスに感染されても、8割以上の方は無症状、またはかぜ程度の軽い咳や発熱の症状で収まり、酸素投与以上の治療が必要な方は全体の2割以下ですので、現在無症状の方はご安心していただきたい」
「ただし、妊娠中は様々な妊娠に関連した異常は起こりえますし、症状が強くなる方もおられます。そのため、新型コロナウイルスに伴う症状に加えて、妊娠に関連した異常な症状がないかについて十分ご注意いただくことが大切です」