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3度目の緊急事態宣言で何が変わる?解除の条件は?どこが休業するの?知っておくべき8つのポイント

政府は4月23日、「緊急事態宣言」を東京都、大阪府、京都府、兵庫県に発出することを決めた。緊急事態宣言の発出で何が変わるのか?ポイントをまとめた。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、政府は4月23日、「緊急事態宣言」を東京都、大阪府、京都府、兵庫県に発出することを決めた。

期間は4月25日から5月11日まで。

緊急事態宣言の発出で何が変わるのか?8つのポイントをまとめた。

1.そもそも緊急事態宣言とは?

緊急事態宣言は「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に基づき発出される。

発出の要件としては、感染者の数や感染したおそれがある人のうち感染経路が特定できない人がどれだけいるのかなどを踏まえること、感染が拡大し、医療提供体制に支障が生じていることなどが定められている。

すでに東京都や大阪府に適用されている「まん延防止等重点措置」は、「ステージ3(感染急増段階)」もしくは「ステージ2(感染漸増段階)」で適用される。また、適用の対象は都道府県知事によって限定される。

一方、緊急事態宣言は「ステージ4(感染爆発段階)」を発出の目安と位置付け、地域を限定せず都道府県単位で発出される。

それぞれの地域の感染状況を示す「ステージ」は、(1)新規感染者数(2)感染経路が不明な人の割合(3)療養者数(4)医療のひっ迫具合(5)PCR検査の陽性率をもとに判断する。

菅義偉首相は23日夜、今回の緊急事態宣言の必要性について次のように語った。

「このまま手をこまねいていれば、大都市の感染拡大が国全体に広がることが危惧されます。こうした中で、再び緊急事態宣言を発出し、GWという多くの人が休みに入る機会を捉え、効果的な対策を短期間で集中して実施することにより、ウイルスの勢いを抑え込む必要があると判断しました」

2.休業要請の対象は?お酒の提供はどうなる?

感染拡大のリスクが高いとされているのが飲食の場だ。

3度目の緊急事態宣言では、前回に比べ強い対策が打ち出された。

4月25日以降、酒類を提供しない飲食店の営業は「重点措置」と同様、午後8時まで。酒類やカラオケ設備を提供する飲食店には休業要請が出される。

さらに休業要請の対象には飲食以外の事業者も加わる。

1000平米を超える劇場や映画館、家電量販店や書店、百貨店などの商業施設やスポーツクラブ、パチンコ店やゲームセンター、美術館や動物園、テーマパークも休業要請の対象だ。

なお、「生活必需物資の小売」は休業要請の対象から外れるため、百貨店についてもデパ地下など食品売り場の営業は認められる。

3.休業要請に応じた店舗への協力金はどれくらい?

今回、緊急事態宣言が発出される4都府県では、休業者のために活用できる雇用調整助成金に加え、休業要請に応じた施設に対して協力金を支給する。

飲食店や商業施設については、店の規模や売り上げに応じて支給する形となり、支給額は1日あたり最大で20万円となる。

合わせて要請に応じたショッピングモールなどに入る店舗には、1日2万円の協力金が支払われる。

また、菅首相は会見で売り上げが減少した事業者に対して、新たな一時金を支給する方針を示した。

協力金の金額を巡っては、加藤勝信官房長官が23日、「仮に飲食店が休業を行った場合も固定費を賄える水準で設定されている」と説明。

「増額がこれ以上必要とは考えていない」としている。

飲食店など店舗が正当な理由なく命令に応じない場合、都道府県は30万円以下の過料を科すことができる。

4.イベントは原則無観客。県を超える移動の自粛も。

社会生活の維持に必要なものを除き、イベントは原則無観客開催を要請。Jリーグやプロ野球といったプロスポーツもこれに該当する。

さらに鉄道事業者には平日の終電の繰り上げ、週末の減便をはじめ協力を依頼する。

また、外出自粛の要請と合わせて、感染拡大地域から他の地域へ感染を広げないために、不要不急の都道府県間の移動を控えるよう求めている。

5.学校はどうなる?

学校の臨時休校は、今回の対策には組み込まれていない。

あくまで部活動をはじめとする感染リスクが高いとされる活動についてのみ制限する形だ。

萩生田光一文部科学相は23日、記者会見で「感染対策を徹底して学習の継続を図っていただきたい」と発言。

自宅でのオンライン学習と学校での学習を組み合わせて対応する方針を示した大阪市の対応については、「1つのモデル」と評価した。

大学などについてもオンライン授業を活用し、学びの機会を確保するよう求めている。

6.都府県ごとに独自の対策?

東京都の小池百合子知事は23日、人出を抑制するために街灯を除く店頭などの照明を午後8時以降は消すように業界団体などを通じて要請すると発表した。

また、政府が1000平米を超える劇場や映画館などに対して休業を要請する方針を示す中、東京都は床面積の大きさに関わらず劇場や映画館などには一律で休業の協力を求めるとしている。

都は独自の取り組みを進めるため、休業する大型商業施設のテナントに対し、政府が支給する1日2万円の協力金に上乗せして、宣言の期間を通じて34万円を支給するとしている。

7.期間を延長する可能性も

3度目の緊急事態宣言は5月11日までを予定している。

しかし、政府分科会の尾身茂会長は国会で「短期間にステージ3、ステージ2の方向にいっていただくことを期待しますが、必ずしもそうなると保証はない」とコメント。

「延長もあり得る」と語った。また、宣言解除後は「重点措置」へと移行する可能性も示唆している。

8.緊急事態宣言、解除の基準は?

過去2回の緊急事態宣言は、結果として当初予定していた期間を延長している。

3度目の緊急事態宣言はどのような条件を満たした場合に解除されるのか?その目安を問う声が報道陣からは上がった。

菅首相は「その時の状況を総合的に判断する」「GWの短期集中」と述べるに止まり、明言を避けた。

しかし、尾身会長は「ある程度どういう状況になったら解除するかという目安は必要」とコメント。

「基本的対処方針を守ったらいい」「せめてステージ3、ステージ2へ安定的に(感染者数が)下降方向に向いていること」とし、あくまで感染者数が減少していること、その減少傾向が持続する見通しが立っていることが必要であるとしている。


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