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「オーストラリアの山火事」と拡散された画像は誤り。画像は全て過去の森林火災

オーストラリアの山火事の状況と共に発信された画像4枚は全て今回の森林火災とは無関係のものだ。

オーストラリアで森林火災が続き、大きな被害が出ている。

そんな中、タレントのフィフィさんがTwitterで被害の深刻さを訴え、4枚の画像を付けて投稿した。しかし、これらの画像はいずれも今回の火災のものではない。

拡散している画像は誤りだ。BuzzFeed Newsはファクトチェックを実施した。

画像はすべて別の火災のもの

オーストラリアの山火事の被害が深刻化。強烈な熱波が広大な土地を襲い、4億8000の動物が死亡、三分の一のコアラが焼死しました。2019年の9月から各地で続いている山火事では、多くの人が避難を余儀なくされ、これまでにおよそ525万haが焼失したほか、23人が死亡しています。Prayer for #Australia

ツイートは1300回以上リツイートされ、拡散している。フィフィさんのツイート内容は以下の通りだ。

《オーストラリアの山火事の被害が深刻化。強烈な熱波が広大な土地を襲い、4億8000の動物が死亡、三分の一のコアラが焼死しました。2019年の9月から各地で続いている山火事では、多くの人が避難を余儀なくされ、これまでにおよそ525万haが焼失したほか、23人が死亡しています。Prayer for #Australia》

2019年9月から現在まで、オーストラリア各地で森林火災が発生。現在も200を超える森林火災が確認されているとBBCが報道。AFPによると専門家らはこの森林火災で5億匹近い動物が死んだという推計を発表した。

ツイートで言及されている被害状況に誤りはないが、添付された4枚の画像はすべて、今回の火災のものではない。

1枚目はアマゾンで発生した大規模な森林火災を伝えるニュースのなかで、2019年8月23日にボリビアのウェブサイト・El Diarioに掲載された画像だ。

2枚目は2009年12月22日にオーストラリアのThe Sydney Morning Heraldがその年の2月から3月にかけて発生した森林火災について伝えた記事に掲載されている。

3枚目は2013年10月18日にオーストラリアの現地紙・NEWCASTLE HERALDが掲載した、森林火災の消火活動を行う消防士たちが道路の上で休息をとっている様子を伝えたもの。

4枚目は2019年2月1日にThe Wolfe BrothersというミュージシャンのFacebookページに投稿され話題となった消火活動を行う消防士たちの画像だ。

どれも今回のオーストラリアの森林火災とは無関係な画像だが、今続いている山火事の被害を伝えるものとして拡散している。

オーストラリアの森林火災の被害は今も拡大し続けている。

被害の深刻さを伝えるため、SNS上では様々なかたちで情報が発信されている。それ自体は否定すべきことではない。繰り返すが、オーストラリアでの火災は深刻な問題だ。

しかし、中には誤った情報を含んでいる場合もあるため、シェアには注意が必要だ。また、「イメージ画像」として添付する際には、それを明記すべきだ。


BuzzFeed JapanはNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」(FIJ)のメディアパートナーとして、2019年7月からそのガイドラインに基づき、対象言説のレーティング(以下の通り)を実施しています。

ファクトチェック記事には、以下のレーティングを必ず記載します。ガイドラインはこちらからご覧ください。なお、今回の対象言説は、FIJの共有システム「Claim Monitor」で覚知しました。

また、これまでBuzzFeed Japanが実施したファクトチェックや、関連記事はこちらからご覧ください。

  • 正確 事実の誤りはなく、重要な要素が欠けていない。
  • ほぼ正確 一部は不正確だが、主要な部分・根幹に誤りはない。
  • ミスリード 一見事実と異なることは言っていないが、釣り見出しや重要な事実の欠落などにより、誤解の余地が大きい。
  • 不正確 正確な部分と不正確な部分が混じっていて、全体として正確性が欠如している。
  • 根拠不明 誤りと証明できないが、証拠・根拠がないか非常に乏しい。
  • 誤り 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがある。
  • 虚偽 全て、もしくは根幹部分に事実の誤りがあり、事実でないと知りながら伝えた疑いが濃厚である。
  • 判定留保 真偽を証明することが困難。誤りの可能性が強くはないが、否定もできない。
  • 検証対象外 意見や主観的な認識・評価に関することであり、真偽を証明・解明できる事柄ではない。