何もないところに映像を表示して、それをタッチして操作。10月10日に発売されたばかりのVRヘッドセット「Meta Quest 3」を使った、近未来的な家事の光景を撮影した動画が話題になっています。
「VR超しにリアル世界!?」「ここまできてるとは……」など、最先端の技術に驚いたというコメントが多く寄せられています。
空中にYouTubeを表示しながら皿洗い
10月11日におくまさん(@ROYCE62294821)がX(旧Twitter)に投稿した動画。
VR機器「Meta Quest 3」を使って、食器を洗いながら料理系YouTuber「リュウジ」さんの動画を見ているのですが……何もない空中に動画を表示しており、まるで漫画やゲームのような近未来SFを思わせる映像です。
こちらはMR(Mixed Reality:複合現実)と呼ばれる、現実世界と仮想世界を融合させて表示する技術を用いたもの。食器を洗っている現実の風景はカメラで取り込み、その上にYouTubeの画面を表示することで、まるで空中にモニターを表示しているかのように動画を見ることができています。
また、指の動きが機器に取り込まれており、画面の配置や操作なども素手のまま行えています。画面が邪魔になった際にはつまんで端によけたり、調理の工程をもう一度確認したければ空中をサッと指でなぞって動画を巻き戻すなど……本当にSFの世界観ですね……。
VRの可能性を感じさせると多くのコメントが寄せられました
動画には、
💬「メタクエスト3こんな事出来るんか!」
💬「ふぁ!? こんなクリアにVR越しにリアル世界見えるの? ましてやコントローラー無しで操作?」
💬「見えたなVRの光明が……皆わかってんだろ……? このままゴーグルが普及すればいずれ燭台切光忠(編注:ゲーム『刀剣乱舞』のキャラクター)が隣で作り方を教えてくれながら台所でパスタ作ったりできるって事を……」
など革新的な映像に期待を寄せるコメントが多く寄せられていました。
また、投稿者さんが見ていた料理研究家のリュウジさんも投稿を引用し、「なにこれめちゃくちゃほしい。台所革命でしょこれ」と反応していました。
投稿者さんにお話を聞きました。
――とても近未来的な動画でワクワクしました。「Meta Quest 3」のMRを初めて体験した際はどんな気持ちでしたか?
非常に感動しました。前機種の「Meta(Oculus) Quest 2」も所有していますが、現実を取り込むパススルーの精度が比べ物にならないほど向上しており、深度センサーで一瞬にして部屋が描写されたことと、その精度に驚きを感じました。
ハンドトラッキング(手の動きを取り込むこと)の精度も高く、リアルとデジタルの融合を実感しました。
――使っていて便利だった点があれば教えてください。
今までは換気扇の音が気になっていたため、台所で動画を見る際はイヤホンを使っていましたが、それが不要になったので動画の音を聞きながら家族との会話も楽しめるようになりました。
――近くのものは映像が歪んでしまうため、包丁を使う際は気を付けたほうがいいなど改善の余地がある点も投稿されていましたが、そのほかに気になった点があれば教えてください。
現状では「直接見るより解像度が劣る」「顔に近づけると歪む」「直接見ている景色と若干色味が異なる」と3点ほど改善の余地があると考えています。
そのため、調理に関して言うと火の通り具合がわかりにくいといった問題がありますね。ただ、いずれも調理に慣れた方でしたら問題なく活用できると考えています。
――パススルー性能の向上により、日常使いのハードルがかなり下がったように感じますが、動画のように「つけっぱなしで何かをする」うえでの使いやすさはいかがですか?
付けっぱなしで作業すると言う点では、バッテリー消費や重さ、そして視覚情報の問題が残っているように感じます。
バッテリー消費の観点では、MR使用時は消費が激しいようで2時間と充電が持たず、重さの観点でも前に重心が移動するため、慣れるまで不快に感じるかもしれません。
これらの問題はエリートストラップ(装着性を改善する公式アクセサリー、モバイルバッテリーが付属したものなどもあります)などを使用することで改善の余地はあると考えています。
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ヘッドマウントディスプレイ越しではありますが、『攻殻機動隊』や『電脳コイル』、『ソードアートオンライン』のような近未来SF作品の世界が現実のものになりつつあることを感じさせる動画ですね……!
「Meta Quest 3」は家電量販店や通販サイトにて発売中。価格は7万4800円(128GB版)です。