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【激レア深海生物】オオメンダコが“耳”をパタパタさせる姿に悶絶する人が続出「可愛すぎて動悸が」

「パタパタかわいすぎる…!」「イラストや漫画などの創作ではよく目にするけど実在するんだ」など、たくさんの反響が寄せられました。

激レアな深海生物「オオメンダコ」が“耳”のようなものをパタパタさせる瞬間を撮影した動画がSNSで話題になっています。

オオメンダコのぱたぱたが撮れました
可愛すぎて胸が苦しい pic.twitter.com/DsLUqNXa1H

— もち (@mochi_deepsea) September 20, 2023
Twitter: @mochi_deepsea

マニアックな海水魚・淡水魚が大好きだという「もち」さん(@mochi_deepsea)が9月20日、この動画をX(旧Twitter)に投稿しました。

このオオメンダコは、福島県いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」で7月23日から展示している約40cmの個体です。同館の解説ページなどによると、7月15日に北海道羅臼沖の水深800〜1200mで採集された「激レア深海生物」で、飼育例はほとんどない上、長期飼育が非常に難しい種類だそうです。

メンダコ科は日本近海の4種類(メンダコ、オオメンダコ、センベイダコ、オオクラゲタコ)が知られています。そのうちメンダコは、全幅が20cm前後ですが、オオメンダコは着底時の全幅が30cm以上にもなるんだそうです。

頭部にある“耳”のような突起をゆ~っくりと動かして“ぱたぱた“するシーンが写っています。そのふわふわとした動作や足をくるくると動かすしぐさがなんともかわいらしく、ずっと見ていたくなるような深海生物の魅力たっぷりの動画となっています。

この動画には、

💬「可愛すぎて動悸が」

💬「生ハムみたい」

💬「メンダコって実在する生き物だったんだ……」

💬「ぼっちちゃんだ!(※編注:アニメ『ぼっち・ざ・ろっく)の主人公が落ち込むと、メンダコのような姿になります)」

生きている姿を見られるのはとても珍しいというオオメンダコ。創作や漫画ではポピュラーな生物とあって、「実物もかわいい!」という感想が多く寄せられていました。

このオオメンダコを展示しているアクアマリンふくしまに取材しました。

――このようにオオメンダコが耳のように見える部分をぱたぱたさせるのは、よくあることなのでしょうか?

耳→鰭(ヒレ)とよばれる部分ですね。常にみられるわけではありませんが、時折みられる行動です。

――あれはヒレだったんですね。何のためにヒレををぱたぱたさせてると考えられますか?

一般的にはヒレは、方向転換をする際、舵の役割として使うとされています。水槽内では、遊泳前後、摂餌行動、興奮した時などでみられる行動の一つです。

撮影したもちさんにお話を聞きました。

――撮影機材を教えてください。

iPhone13 Proを使用しています。

――オオメンダコの「ぱたぱた」は狙って撮影したのでしょうか、それとも撮影していたらたまたま見かけた感じでしょうか?

狙っていました。

初めて展示を見て以来惚れ込んでしまった種類なので、3回見に行ってやっと「ぱたぱた」を見せてくれたときは嬉しかったです。

特に「ぱたぱた」はオオメンダコに限らず、メンダコなども見せてくれる個人的に最高にかわいい仕草の一つだと思っています。

このようなダイナミックな仕草には予感というか、予兆があることが多いです。オオメンダコ・メンダコの場合は、足を不規則にもぞもぞもと動かし始めたり、普段は接地している吸盤を見せるような仕草をし始めると、その後にパタパタと耳と呼ばれることが多いヒレをはためかすことが多いです。

以前「ぱたぱた」を見せてくれたときと同じような脚を盛んに動かす仕草を見せたので、これはチャンスと思って動画撮影を始めました。

――オオメンダコを実際にご覧になって、どんな印象を持ちましたか?

メンダコとはかなり違う“存在感”を持っていると感じました。

まずは、名前の通り大きいです。メンダコよりも一回り大きく、だいたい40cmくらいの大きさです。

特徴的だと思うのはその分厚さです。メンダコは実はかなり薄い生き物なのですが、それが水中では膨らんでいて、立体的な形をとっています。

オオメンダコは文字通り“肉厚”という体の造りをしているように見えます。その結果、頭のように見える胴の部分がとても重厚で、モコモコとしたぬいぐるみのような雰囲気を特に強く持っています。耳(ヒレ)や足も分厚くて、その形のイメージ通りのおっとりのっそりした緩い動きをします。

その印象を何とか言葉にするなら、メンダコを思い切りマイルドにしたような感じの存在感……というところでしょうか。メンダコで“ゆるキャラ”を作ってから命を吹き込んだような……生きたぬいぐるみのようなぼってりとした癒し感が最高です。

Twitter: @mochi_deepsea

――今回投稿された動画が4万件以上の「いいね」を集めたことをどう感じていますか?

まずは、見てくださってありがとうございます! 多くの方から注目を浴び、また「かわいい、見てみたい」などのコメントが集まったことがとても嬉しいです。そして、この機会にメンダコとの雰囲気の違いに興味を持って頂けたら、オオメンダコ“推し”としては最高です。

オオメンダコは生きている姿を見られることが非常に稀な珍しい生き物です。本当は、そういった意味でとてもマニアックな深海生物ともいえるでしょう。

既にメンダコが深海のアイドルとして周知されているので、オオメンダコはメンダコの延長で鑑賞されることが多いのかなと思いますが、オオメンダコ推しとしては、オオメンダコならではの雰囲気や造形を是非是非見てほしい! という気持ちを強く持っています。

Twitter: @mochi_deepsea

今回撮影した「ぱたぱた」はとてもかわいい仕草ですが、可愛い仕草のうちの一つでしかなく、ほかにもかわいい仕草を隠し持っているのがオオメンダコです。

深海生物は長期飼育が難しいものが少なくありません。前日まで元気にしていても、突然展示終了となってしまうこともごく普通です。まだ間に合うと思いますので、これをきっかけに、ぜひ「アクアマリンふくしま」まで直接会いに行って、オオメンダコならではの雰囲気を感じ取ってみてください!

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水族館でオオメンダコのパタパタを見ることができたら超ラッキーですね!

もちさんはこのほかにも、自身のアカウントで水生生物の魅力たっぷりな写真や動画を投稿しています。

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