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宮城県にある猫島「田代島」を知っていますか? 行くのは大変だけど、着いた瞬間から猫・猫・猫のまさに猫好きの楽園だった!

移動の大変さが吹き飛ぶほど島は猫ちゃんまみれ……まさに猫好きの楽園のような場所でした。

日本には岡山県の「真鍋島」、瀬戸内海の「青島」など様々な猫島がありますが、東北にも宮城県石巻市にある「田代島」という猫島が存在します。

東京から新幹線で約1時間半、電車に乗り換えて1時間半、さらにバスに乗り15分、フェリーで40分と行くのはとても大変な島……。しかしそんな移動の大変さが吹き飛ぶほど島は猫ちゃんまみれ……まさに猫好きの楽園のような場所でした。

東北の猫島『田代島』の写真

実際に田代島へ行ってみました!

2月10日、石巻市は雲一つない快晴に恵まれました。

石巻駅前からバスで門脇港という港に向かい、田代島行きのフェリー「シーキャット」に乗船します。

フェリーから見えるどこまでも続く太平洋も青く輝いており、何よりフェリー内のモニターに表示される猫ちゃんたちの写真が期待感を高めてくれます。

フェリーのモニタにも猫ちゃん

40分ほどでフェリーは田代島仁斗田港に到着しました。フェリーは暖かく、寝過ごしてしまうと隣の網地(あじ)島まで行ってしまうため、居眠りには注意しましょう! ちなみに網地島も東北のハワイと呼ばれ夏は賑わう人気観光スポットです。

漁船が並ぶ漁港に降り立つと、まず目につくのは猫をモチーフにした建造物の数々。  

東北の猫島『田代島』の写真
ネコ多い少ないの看板

漁で使用する浮きに猫の顔を書いた案内人形や、観光案内の看板にも「猫 多い← →少ない」の文字が(みんな多い方に進んでいました)。

そして「本当に猫に会えるんだろうか」という不安もつかの間、船から降りてすぐに第一猫ちゃんに出会うことができました!

東北の猫島『田代島』の写真

猫といえばそっけない絶妙な距離感が魅力の動物ですが、田代島の猫は代々人と共存してきたからなのか、非常に人懐っこく、目が合うとこちらにすり寄ってくる子がとても多い!

東北の猫島『田代島』の写真

「写真を撮らせてあげるからなでて」と言わんばかりに集まってきます。

東北の猫島『田代島』の写真

上陸から15分ですでに数十匹の猫ちゃんたちと出会うことができ、この時点でとても楽しいのですが、田代島の魅力はまだまだこんなものではありませんでした。

「猫島」でのルールを守って楽しみましょう

田代島では絶対に守らなければいけないルールがあります。それは、「食べ過ぎなどによる体調不良を防ぐため、ネコちゃんにエサは与えない」ということです。

島のいたるところで見つけられる猫の人形は実は猫のエサ入れ。餌付けしようとエサを持ってきてくれた人にはこちらで回収し、猫たちの体調にあわせて再利用しているのだとか。

東北の猫島『田代島』の写真

猫ちゃんたちの食事風景を見たいという方は(もちろん私もです!)、島の中心にあるおみやげ屋兼飲食店の「島のえき」で見学することができます。廃校になった中学校を改装して営業しているそうです。

島のえき

島のえきは港から徒歩30分くらいの場所にありますが、自然があふれる雄大な景色に見とれてしまったり、道中でも何度も何度も猫ちゃんたちと遭遇してしまうため、なかなかたどり着くことができませんでした。

東北の猫島『田代島』の写真
東北の猫島『田代島』の写真

ゆっくりとした時間が流れる中、島のえきに到着! そこにはおびただしい数の猫ちゃんが……! 

大量のねこちゃん
大量の猫ちゃん。ご飯待ち

近くのベンチで休憩していると、灰と白2匹の猫ちゃんが私の膝を取り合い始め……そんな体験に頬は緩みっぱなしです。

「島のえき」では、12時前後から猫ちゃんたちのお昼ごはんの様子を見学することができ、その光景は圧巻……!

東北の猫島『田代島』の写真
東北の猫島『田代島』の写真
東北の猫島『田代島』の写真

竹を使った長い食器にカリカリを求めて群がる猫ちゃんたち。ずっと見ていたくなるような光景に、私もほかの観光客の皆さんも歓声を上げていました。

「島のえき」ではニンゲンもご飯を食べることができ、この日は島の名産であるウニを使ったおにぎりと、「牡蠣のうしお汁」のセットをいただきました。濃いウニの贅沢な味と、濃厚で巨大な牡蠣がゴロゴロと入ったうしお汁は絶品です……!

島のえきの食事
東北の猫島『田代島』の写真

店内には猫に関するお土産の販売や、地域猫の写真とお名前がズラリと並んでおり、見学だけでもとても楽しい場所になっています。

東北の猫島『田代島』の写真
東北の猫島『田代島』の写真

「猫神社」にお参りも

「島のえき」から徒歩5分ほどの場所にある、「猫神社」も田代島の定番観光スポットです。

東北の猫島『田代島』の写真
東北の猫島『田代島』の写真

明治時代から漁業が盛んだった田代島では、大漁に合わせて集まってくる猫たちと漁師たちが仲良く住んでいました。

しかしある時漁業に使う道具を作っていた際に、事故で猫ちゃんが大けがを負ってしまい、それに心を痛めた当時の大謀(総監督)が、小祠を安置し、猫の安全と大漁を祈願して「猫神様」と祀って信仰を深めていったのだとか。

今でも3月15日には供物の「マグロ」をお供えし、漁師さんたちも初漁には参詣を行うなど、地域に根差した神社となっています。

竹林に囲まれた神社周辺にも、もちろん猫ちゃんたちはいっぱい。「島のえき」から案内するようについてきてくれる猫ちゃんもいて、なんだか神秘的な光景を味わうことができました。

猫好きはぜひ行ってほしい!

そんな猫ちゃんたちとの不思議な時間はあっという間に過ぎていき、帰りのフェリーの時間が近づいてきました。

最初は猫ちゃんにばかり気を取られていましたが、漁村と海のコントラストや、とても透明度の高い海など、猫ちゃんだけではない様々な魅力にあふれていることに気づくことができました。海沿いの道を歩いているだけで気持ちがいいです。

筆者は地元が宮城県仙台市とかなり近い場所なのですが、こんな素敵な場所が近くにあるとはまさに灯台下暗し。また時間を見つけて猫たちに会いに行こう……というより、早くもう一回行きたい! という気持ちが強く大満足の休日となりました。

東北の猫島『田代島』の写真
東北の猫島『田代島』の写真

田代島の行き方

(2月10日時点のもの。特にバス乗り場はたびたび変わっているようなので、駅にあるバス案内所で聞くのがおすすめです)

JR仙石東北ライン「石巻駅」、1番バス乗り場から「山下門脇線」に乗車し約10分の「中央1丁目」下車。バス停からフェリー乗り場までは徒歩5分ほどの距離があります。

田代島行きのフェリーは現在、9時10分、12時42分、15時40分発の3便が運航しています。約40分で到着する田代島仁斗田港で降りましょう。帰りは早朝の7時55分、13時55分、15時30分のいずれかとなります。

観光で訪れる際は、石巻駅周辺で前泊し、朝一の9時10分のフェリーに乗船、13時55分もしくは15時40分のフェリーで戻ると、猫ちゃんたちとゆっくりした時間を過ごすことができるのでオススメです。

フェリーは悪天候の際は運航を見合わせる場合もあり、「島のえき」や島内にある喫茶店などもお休みの日があるため、運行情報公式ホームページなどをご確認の上挑戦してみてください。

行くのは大変ですが、苦労に見合う夢のような体験が田代島では待っています!

取材協力:「島のえき」、島の猫ちゃんたち

東北の猫島『田代島』の写真