コーヒー店が設置した「見た目が最高すぎる」自動販売機が、神奈川県川崎市のJR登戸駅前に出現。SNSで話題になっています。
店名と思わしき「TRANSSIDE COFFEE」という看板の下にたたずむのは、たくさんのハンドルや装飾が施された自動販売機。
焙煎に使用する窯や、蒸気を逃がす煙突などコーヒーに関連したものが装飾として再現されており、遊び心とカッコよさがあふれ出る作品になっています。
実際にこちらの自販機ではコーヒー豆を購入することができ、香りにこだわったという豆はおいしいと評判のようです。
夜はライトアップされ、より一層ミステリアスな魅力が引き立つとのこと。実物を見てみたい……!
11月25日、この自動販売機をXに投稿したのは、各地の自動販売機の写真を投稿している石田健三郎さん(@jido__hanbaiki)。
取材に対し石田さんは「15年近く自動販売機を見続けてきましたが、色合いやラッピングにとどまらず、自販機そのものに部品を追加するなど、ダイナミックに装飾するものは非常に珍しい。“スチームパンク”なデザインが眺めているだけでも楽しいですね」と話してくれました。
投稿には「かっこよすぎる」「スチームパンクたまらん」といった多くのコメントと、4万件を超える“いいね”が寄せられ話題になっています。
デザイナーの亀山裕昭さんにお話を聞きました。
――どういった経緯でオリジナル自販機を作成されたのでしょうか?
3年ほど前のコロナ禍の時期にオーナーから"コーヒー豆の自販機を置きたい"という発注があり、その際に1台目の自販機を製作して、今回が2台目になります。
――1台目はとてもかわいらしいデザインですね! 2台目の装飾がたくさん施された自販機はどういった発想から生まれたのでしょうか?
実際にあるトランサイド珈琲の豆の焙煎窯からイメージしています。
そこから古いタイプのタイムマシーンとか潜水艦のようなインダストリアルでスチームパンクな見た目にしました。ディズニーシーにありそうな(笑)。
――制作にあたってのこだわりや、苦労した点などあれば教えてください。
オーナーから「とにかく目立つもので、他には無い自販機にして欲しい」という注文をいただいたので、限界までそこは意識しました。
苦労した点は、アトリエで製作したのは良いですが、あまりに重過ぎて設置場所まで運ぶのがかなり大変でした(笑)。
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制作途中の写真も迫力がすごいですね……!
売っているものは自慢のコーヒー豆1種類のみ
この自販機を設置しているトランサイド珈琲の担当者にも取材しました。
――販売されている商品について詳細を教えていただけますか?
1995年、小田急線「読売ランド前」駅を拠点とし、先代が確立させた直火焙煎珈琲豆を販売しています。
“#11”と呼ばれ、表参道のイタリア料理店や目白の輸入食品店といった有名店で愛され親しまれてきたものを、現在でも想いを受け継ぎ提供しています。
また、こちらの自動販売機ではコーヒー豆の香りと味の劣化を防ぐ為、挽いた豆ではなく焙煎された直後の豆を冷蔵販売しています。
――完成した自販機を見て、どう思われましたか?
焙煎工房がそのまま自動販売機になったようなデザインに感動すると同時に、登戸にお住まいの皆様だけにとどまらず、このデザインが大いに話題になると手ごたえを感じました。
――SNSでは大変好評です。今のお気持ちを教えてください。
美術家・亀山裕昭さんがデザインした自動販売機に多くの皆様が興味を持っていただくことで、より多くの皆様にトランサイド珈琲を知っていただけると思うと素直に嬉しいです。
丁寧に焙煎している関係で大量生産が難しく、タイミングによっては売り切れになっているということもあります。そんな時は、読売ランド前駅北口から徒歩1分のところにあるカフェ・ド・シュロ店内でもこちらの豆が購入可能です。
また、カフェに併設されているトランサイド自動販売機1号機でもカフェ営業時間外で豆を購入出来るので是非こちらもご利用くださいませ。
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大人の遊び心とこだわりが詰まったコーヒー豆の自動販売機を紹介しました。もしかしたら3台目も……? どんなデザインになるのか楽しみですね。
設置場所:登戸ブルーウォータービルディング(登戸駅前郵便局と同じ建物)
住所:神奈川県川崎市多摩区登戸2432-1
取材協力:デザイナー・亀山さん(@latex_cult)、トランサイド珈琲店担当・二宮さん、写真提供・石田さん(@jido__hanbaiki)