ピルを飲んでいるの――その時、恋人が私に返したことば

ピルを飲んでいる彼女の気持ちと、それを聞いた彼氏の気持ち

「あなたに処方する薬はピルです。抵抗はありますか?」

医師からそう言われた。Aさんは現在25歳。20歳のときに友人のすすめで婦人科を訪れ、ピルを服用するようになった。

もともと、月経は定期的に来たことがなかった。「楽でいいや」と思っていたものの、大学生になると体調に影響が出るようになった。電車の中で立つこともできなくなり、ひどい吐き気に襲われた。以来、ピルを飲んでいる。

経口避妊薬であるピルは、ホルモンをコントロールすることで排卵を抑制する。これによって避妊が可能になるが、月経を整える効果もある。Aさんのように生理不順を治すために服用している人も多い。

原因がわかって安心した。でも、その後に不安に襲われた

病院で検査を受け、多嚢胞性卵巣症候群であることがわかった。排卵が起こりにくい状態にあったのだ。「生理が来ないという漠然としたものがクリアになって安心した」と言うが、同時に相反する気持ちも芽生えた。

「自分では排卵できないってことは、私は妊娠できないんじゃないかって思ったんです。だから、ちゃんと治さないといけないと思ったのですが、『治療して排卵ができるようになるかはわかりません』と言われて『まじか…』と」

だからといって、治療しない選択肢はなかった。「当時は学生だったので、結婚もあまりリアリティがなくて。将来に向けて今できることをやろうと思いました」

一度、服用をやめてしまったこともあるそうだ。「定期的に病院へ行って、診断を受けるのが面倒で…。半年に一度血液検査をしなくてはいけない」からだ。飲まなくなると生理は来なくなった。

ピルの服用にはいくつか壁がある。個人差はあるが、Aさんのように「めんどくさくなってしまう」ことがある。筆者もピルを服用しているが、何度か服用をやめたことがあった。

健康になるためではあるものの、定期的に血を抜かなくてはいけないし、月に2〜3000円ほどかかる。何より、毎日飲まなければいけないので、習慣化も億劫だ。飲み忘れても目に見えて体調を崩すわけでもない。

「私はピルを飲んでいるの」彼氏に告白したら…

ピルを服用していることは、恋人にも話してきた。説明しておいた方が二人の関係にとっていいからだと言うが…

「ピルを否定されることはないと思うけれど、妊娠しないかもしれないという可能性を伝えるのは勇気が必要でした」

服用を告白した恋人は3人。全員が「そうなんだ」と軽く答えてくれた。「もし、将来子どもができなかったら、ペットを飼えばいい」と言う彼氏もいた。気持ちがすっと軽くなっていったという。「いいんだ」と。勇気のいる発言を受け止めてもらったことで、恋人への信頼は増した。

自分にとって、「避妊」はおまけみたいなもの

恋人ともコミュニケーションがとれ、理解もある。しかし、悩むこともある。

「おまけといったら変ですけれど、ピルって避妊の効果もついてきちゃうんですよね。薬を飲んでいるうちは妊娠しない。でも、これを飲まないと自然妊娠ができない」

いつか妊娠できるようにするために、ピルを飲む。しかし、飲んでいるうちは妊娠できない。将来のためとは思いながらも気持ちは揺れる。

Aさんの恋人にも別日に話を聞いた。ピルの服用を告白された時、特に驚かなかったそうだ。「一番悩んでいるのは彼女自身なので、僕が気にしても仕方がないですし、僕が彼女を好きな以上、ピルを飲んでるってことで関係が崩れることはないので」と語る。

生理が来るとAさんは恋人に報告する。薬によるものだとしても、身体がリズムを思い出している証拠だからだ。彼女は「恋人は、報告をすると『よかったね』と言ってくれます」という。彼氏の方は何を思うのだろうか?

「彼女が生理中だと、悶々とする男子もいると思うのですが、僕の場合は生理が喜ばしいものって思うようになりました」

月経に関わる問題は、男女で分かり合うことは難しい。しかし、どうせわからないからと口をつぐむのではなく、告白してみるのもいいだろう。きっと、パートナーのことをもっと信じられるようになるかもしれない。


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バズフィード・ジャパン スタッフライター

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