プラダが人種差別との指摘を受け、店頭からキャラクターを撤去

    プラダが店頭に並べていた、色が黒く赤い唇のキャラクターに強い批判が。

    イタリアのファッションブランド・プラダが店頭に展示していた黒い肌に赤い唇のキャラクターに対し、米国で「人種差別」との批判が上がり、同社は12月14日、撤去すると発表した。

    プラダが出した声明では「プラダグループは人種差別に反対する。このキャラクターは現実世界とは無関係な想像の産物で、黒人を揶揄したものではない」としたうえで「店頭から撤去する」としている。

    問題を指摘したのは、「憲法上の権利擁護センター」のチェニエレ・エズィエ弁護士。LGBT差別や人種差別などを専門とする弁護士だ。

    ワシントンにある国立アフリカ系米国人歴史文化博物館を訪れ、ニューヨークに戻ってプラダの前を通りがかり、このキャラクターを見かけたという。

    Facebook: chinyereezie

    問題を指摘するエントリー。「私は滅多に公開ポストをしないが、いま怒りに震えている」と、プラダの店頭写真と、人種差別が激しかった時代に作られたアフリカ系を揶揄する人形やイラストと並べてアップし、抗議のためシェアとツイートを呼びかけた。

    エズィエ弁護士は「驚きました。博物館で見た過去の人種差別の産物と同じものが、目の前にあったわけですから」とBuzzFeed Newsに振り返る。

    店内に入り、店員に「これは何のキャンペーンですか」「疑問の声を挙げたアフリカ系の店員はいなかったんですか」と尋ねた。

    すると店員は「抗議するアフリカ系の店員がいたが、もう働いていない」「同じことを別の人にも尋ねられた」と答えたという。

    一方、店長はBuzzFeed Newsに「この半年、辞めた者はいない」と述べた。

    ファッションブランドと差別を巡っては、同じイタリアのドルチェ&ガッバーナが11月、中国系の容姿の女性がピザを箸で食べる動画をアップしたことなどで中国から「人種差別だ」という激しい批判が上がり、上海で予定されていたファッションショーが中止されている。