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黒人差別が刻まれた博物館がオープン 国立では米国初

有名歌手に関する所蔵品も

9月24日、アメリカの首都ワシントンDCに「国立アフリカ系米国人歴史文化博物館」が開館した。アメリカ黒人社会の歴史や文化に関する国立博物館としては米国初となる。

博物館のコレクションからは、奴隷解放から公民権運動、アメリカの黒人が経験してきた苦悩や栄誉が読み取れる。

開館に伴ってオンライン上で、約3万7000点に及ぶコレクションの一部が公開された。

1968年、メキシコオリンピック。博物館には陸上200メートル男子で金メダルを獲得したアメリカ代表、トミー・スミスのユニフォームが所蔵されている

スミスは、チームメートだったジョン・カーロスと黒い手袋をつけて表彰台に上った。2人は、星条旗が掲揚された間、うつむきながら片手の拳を上げた。「ブラックパワー・サリュート」と呼ばれる行為で、アメリカにおける人種差別へ抗議を意味していた。

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スポーツの祭典に政治を持ち込んだ2人に対して、会場からはブーイングが上がった。その後、スミスは代表から除名され、オリンピック村からも追放されてしまう。

スミスが厳格に処分されたのにもかかわらず、その後もメキシコオリンピックでは人種差別に抗議する黒人アメリカ人が後を絶たなかった。

1862年、当時のリンカーン大統領が奴隷解放を宣言した。しかしその後も黒人は隔離政策で合法的な差別を受け続けてきた。

商店も交通機関も、1960年代まで白人専用と黒人用に別れていた。ローザ・パークスがバスで白人に席に譲るのを拒否し逮捕された話は有名だ。

当時は病院も黒人用の診療時間を設けていた。

Collection of the Smithsonian National Museum of African American History and Culture, Gift of Dr. Lawrence and Luann Cohen

Lallie Kemp Charity Hospitalで実際に使われていた看板。診療時間が黒人(Colored)と白人(White)に分けられている

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黒人は差別に立ち向かいながら、音楽界にも影響を与えた。

オバマ大統領は演説で「アフリカ系アメリカ人の歴史はアメリカの歴史から切り離されるものではない。歴史の下に隠れたものではなく、アメリカの物語そのものだ」と強調した。

1963年にマーティン・ルーサー・キング牧師が演説で「私には夢がある」と語った場所、リンカーン記念堂。黒人の歴史を語る博物館は、そのリンカーン記念堂のすぐ近くに建設された。隣には国立アメリカ歴史博物館がある。

1960年代の公民権運動から半世紀。アメリカで黒人に対する差別がなくなる日は来るのだろうか。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Kantaro Suzukiに連絡する メールアドレス:kantaro.suzuki@buzzfeed.com.

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