Facebookで情報セキュリティーの最高責任者(CSO)を務めてきたアレックス・スタモス氏が、2018年8月にも職務を離れる考えを明らかにした3月、Facebookの問題点を指摘し、意図的に個人データを集めることを止めるよう求めるメモを社内で示していたことが明らかになった。
スタモス氏は3月23日に社内で流したメモで、「(個人の)データをできる限り意図的に集めず、より有益なサービスのためだけに使うべきだ」と指摘。また、「(新機能が)キモいと言う内外の指摘や、Facebookが世界に与える悪影響面を語る声を聞く必要がある」と書いた。
そのうえで「短期的な成長を優先課題とすることを止めるべきだ」「明確な道徳的、人道的な問題がある時は、立場を選ぶべきだ」とし、Facebookの企業文化を変える必要があると訴えた。
また、2016年の米大統領選でロシアが介入し、トランプ氏に有利になるような情報工作をしたとされる疑惑については「世界は根底から大きく変わっている。テック企業が国民国家間の争いの前面に押し出されるようになった」「我々は巨人たちのサイバー戦争の参加者にさせられようとしている」「不愉快な変化だが、同僚たちは善意をもって事に当たってきたと信じている」と述べた。
一方、ロシアの情報工作問題などを巡りFB社内で対立が起きているなどと伝えるメディアの報道を「メディアはヒーローをつくって持ち上げては、たたき落とす」と批判した。
これは、米メディアでスタモス氏がロシア問題などで慎重な対処を求める「善玉」、ほかのFB幹部が「悪玉」と描かれることなどを念頭に置いたものとみられる。
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