大坂なおみ選手、アスリートの取材対応が免除される「病欠」を提案。「個人的な理由を公表しなくても…」
「弱い立場にあるアスリートを守るための対策が講じられることを望んでいます」
テニスの大坂なおみ選手は7月10日、アメリカの放送局ABCによって授与されるESPY賞の「最優秀女子アスリート」に初選出され、約2カ月ぶりに公の場に登場しました。
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ESPY賞とは、毎年アメリカのスポーツ界で最も活躍したとされるアスリートに贈られる賞です。
受賞スピーチでは、「今年1年はまだ終わっていませんが、多くの人にとって大変だったと思います。今、こうして多くの素晴らしいアスリートに囲まれて、とても光栄です」と話しました。
そんな大坂選手は5月、全仏オープンを途中棄権したことで注目を浴びました。

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大坂選手は、大会での記者会見を欠席したことで、1万5000ドル(約165万円)の罰金を支払うことになり、全仏オープンを辞退しました。

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彼女は後に、2018年以降うつに苦しんでおり、この決断をしたと明かしています。
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米『タイム』誌に7月8日、大坂選手の手記が掲載されました。大坂選手は、アスリートが健康状態を語る時に向けられる厳しい監視の目について、問題意識を呈しました。
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「私の場合、自分の症状を公表することに大きなプレッシャーを感じていました。理由は率直に言って、マスコミや大会が私を信じてくれなかったからです」
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「誰も私と同じ経験をしてほしくありません。特に、弱い立場にあるアスリートを守るための対策が講じられることを望んでいます」と彼女は続けました。

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「また、私の個人的な病歴を詮索されるようなことは、二度と経験したくありません」
「ですから、次に会うときには、ある程度のプライバシーと心情を尊重してくれるよう、報道関係者にはお願いしたいです」
「私たちの誰もが、私生活で何かしらの問題に直面していると思う」と語る大坂選手。アスリートたちの将来のために、実現を願う様々な計画があるといいます。

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「私はテニス界に多くの提案をしたいと考えています。なかでもいちばん提案したいのは、個人的な理由を公表しなくとも取材対応を免除される、年に数回の『病欠』を認めることです」
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大坂選手は、取材対応の病欠が認められれば、他の社会と比べてスポーツ界が『特殊』な点が少なくなるのでは語ります。
これからもますますの活躍が期待される大坂選手は、スポーツ業界に新しい風を吹かせています。
この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:アシュウェル英玲奈