「哲学の面白さに気づいた話」を描いた漫画がSNSで話題になっています!
作者は漫画家のさく兵衛さん。
漫画制作の背景について、さく兵衛さんにお話を伺いました。
ーー今回の漫画がたくさんの人に読まれた感想をお願いします!
「哲学」というものに少しでも興味をもって貰えたら良いなと思ってこの漫画を描いたので、これだけの方が関心を持ってくださって本当に嬉しいです。
ーーコメントも多く寄せられていましたね。まるで、コメント欄の中で哲学が始まっているような…。特に印象的だったコメントはありますか?
本当にコメント欄が各々の哲学への考えで埋まっていましたね…。
意外と先生の授業を受けてみたいというコメントが多く見かけられたのが印象的でした。
少し面倒な先生だと捉えられてしまわないかとハラハラしていたのでホッとしました。
ーー騒然とした教室の様子が手に取るように伝わってきました。登場する先生の“問答“は、ごく稀に行われるものだったのでしょうか?また、さく兵衛さんは先生の“問答“の相手になったことはありますか?
この話は私たちがこの先生に初めて出会った哲学入門のような授業だったので、とても慌てましたね。
ただ、授業を受けていくうちに先生の基本スタイルがこうした「問答」であることが分かりました。
たとえ、どんなにトンチンカンな答えを言っても先生は優しくフォローしてくれました。
ちなみに私は後にこの先生のゼミに入ったのですが、基本的に問答の嵐でした。
脳をフル回転しながら答えるのでとても疲れますが、学びも多く、充実した時間でした。
ーーその後哲学を学んでいく中で、影響を受けた哲学者や、考え方はありますか?
ショーペンハウアー氏の「幸福について」にある「種類の如何を問わず自己の特技を何者にも妨げられずに発揮できることこそ窮極の幸福である」という考え方ですね。
私は友達の多さや肩書き等で自分の幸福をはかってしまいがちでしたが、そうした外部からの幸福は必ずしもずっと続くものではないというのがこの哲学者の考えにありました。
そして、それらのものが無くなったとしても、私の場合は漫画を創る事が出来るという事実が、度々人生の救いになったと思います。
ーーさく兵衛さんの人生の中で“一番解放されてよかった常識“はなんですか?
この漫画でもあった「怠惰は悪」というものですね。
私は休日何もせずぼんやり過ごしては、「何も有益な事をしなかった」と自己嫌悪に陥ってしまいがちだったのですが、「何もしない事こそ、この休日ですべき事だったんだ」と思えるようになってから、ダラダラする事に負い目を感じなくなりました。
ーー漫画を描く上で一番苦労することはなんですか?また一番楽しいことは?
苦労するのは作画全般ですね。
なかなか自分が思ったような絵を描けなくて何度も何度も描き直しをします。
とても時間が掛かる作業なので、もっと画力がほしいと常に思っています。
ただ、自分の中で考えていた話の断片が一つに繋がる瞬間は本当にワクワクするので、これがあるから、漫画を描くのがやめられないのだと思います。
ーー影響を受けた漫画さんを教えてください。
久井諒子先生や浦沢直樹先生です。
ーーコルクラボ漫画専科を受講中のさく兵衛さん。受講前と比べて一番変わったことはなんでしょう。
漫画を描くことへのハードルがとても下がったことです。
以前はせっかくの作品だから完璧に仕上げないといけないという気持ちだったのですが、コルクラボマンガ専科ではとにかく毎日漫画を上げる事が目標なので、質よりも量を重視で描いていかざるをえない。
ただ、そうやって描いていくうちに改善点や気付きが多く得られますし、何より同じ受講生の方々と励まし合えるので、良いモチベーションになっています。
ーー「自分の好きと向き合うことを大切にしている」とのツイートを拝見しました。さく兵衛さんの“好き“を、3つ教えてください!
難しいですが、「ゲーム」「食べること」そして「飼っている柴犬」です。
ーーありがとうございました!