銃乱射事件に向けた訓練中に「処刑スタイル」で撃たれた教師たち 背中にはあざやみみず腫れが…

    「私たち全員が背中を撃たれました」と、ある教師は語った。「すごく痛かったです」

    インディアナ州の小学校の教師たちが1月、全米の学校で相次ぐ銃乱射事件に備えた対策訓練中、エアソフトガンのプラスチック弾で複数回撃たれ、あざやみみず腫れ、出血や皮膚の傷を負ったとして抗議している。

    インディアナ州教員組合(ISTA)のゲール・ゼヘラリスさんが3月、州議員たちの前で証言したことにより表面化した。ゼヘラリスさんは、訓練中の発砲を禁止するため、学校安全法を改正することを議員らに求めた。

    ISTAによると、モンティチェロにあるメドウローン小学校の30人の教師たちは1月、ホワイト郡保安官事務所が行なった、学校での銃乱射事件を想定した対策訓練に参加した。

    訓練の一環として、教師4人ごとに小さな部屋に連れて行かれ、しゃがむように指示を受けた。そのうえで、エアソフトガンで、背中をそれぞれ3〜4回撃たれた、とISTAは説明する。

    本件に関する木曜日付けのツイートのなかでISTAは、教師たちは「処刑スタイル」で発砲を受けた、と語った。

    During active shooter drill, four teachers at a time were taken into a room, told to crouch down and were shot execution style with some sort of projectiles - resulting in injuries to the extent that welts appeared, and blood was drawn.

    ISTAによれば、教師たちはその部屋で起こったことを他の人たちに教えないようにと指示を受け、保安官事務所は参加者に何が起こるかを事前に警告することはなかった。

    部屋の外で待っていた他の教師たちには部屋の中からの叫び声が聞こえており、その後自分たちも部屋に連れて行かれ、同様に撃たれた。

    教師の多くが痛みやあざ、みみず腫れを経験し、出血や皮膚の傷に苦しんだ人もいた、とISTAの広報担当者はBuzzFeed Newsに語った。

    4回撃たれたある教師は、インディアナポリス・スター紙の取材に対して、訓練を行なっていた保安官が教師たちに対して、「怯えて何もしないと、こうなるんだ」と言ったと語った

    「私たち全員が背中を撃たれました」と、匿名を希望したある教師はインディアナポリス・スター紙に語った。「すごく痛かったです」

    同校のFacebookページには1月4日に写真が投稿され、教職員を訓練してくれたことに対してホワイト郡保安官事務所に感謝の意が述べられていた。「我が校では安全が優先事項です!」と、その投稿には記されていた。

    ISTAによると、ホワイト郡保安官事務所は教員組合に対して、教師をエアソフトガンで撃つことは、暴力事件の際に「積極的な対応オプション」を提供するALICE訓練のカリキュラムの一環だと伝えた。

    警戒(alert)、封鎖(lockdown)、伝達(inform)、反撃(counter)、避難(evacuate)の頭文字をとったALICEは、「暴力事件の始まりから警察の到着までの間の重要な時間帯に自身の生存に関与するように個人に力を与える」と、同プログラムのFacebookページには記載されている。

    ISTAの広報担当者はBuzzFeed Newsに対して、保安官事務所は教師たちに謝罪することはなく、起こったことに対する反省もまったく示さなかった、と語った。

    ホワイト郡のビル・ブルックス保安官はインディー・スター紙に対して、保安官事務所は1月の件で苦情を受けて以降、教師に対しエアソフトガンを使うことを中止したと述べた。

    「ある教員が憤慨しているということを聞きました」と、彼は述べた。「そこで中止したのです」

    ブルックス保安官は、保安官事務所は数年にわたって、学校でのエアソフトガンを使った同様の訓練を行なってきたと述べた。彼はプラスチック弾について、「やわらかく丸い発射物」だと説明した。

    「ここで重要なのはやわらかい、という点です」と、彼はインディー・スター紙に語った。

    保安官事務所、ALICE、そしてメドウローン小学校は、BuzzFeed Newsによるコメントの求めに応じなかった。

    中学校の音楽教師でISTAの副会長を務めるキース・ガンビルさんは木曜日、インディアナ州の学校でのアクティブシューター訓練中に教師がペレットで撃たれたということを組合が耳にしたのは本件が初めてだと語った。

    「教師たちが部屋に連れて行かれ、このようなことをされていたと知った時には、ぞっとしました」と、ガンビルさんはBuzzFeed Newsに語った。「教育関係者は、銃乱射事件がどれほど恐ろしいかを理解していると思います。個人を訓練するためにここまで極端なことをする必要はないと思います。」

    水曜日の上院教育・キャリア開発委員会での証言の際にゼヘラリスさんは、議員たちに下院法1004についての感謝を表したが、法案の起草者のウェンディー・マクナマラ議員(共和党)に対し、訓練の際の教師に対する発砲を禁止する文言を法案に盛り込むように求めた。

    ゼヘラリスさんは、誰かを傷つけるリスクは、訓練の目的である「リアリティーを増すこと」のメリットをはるかにしのぐ、と語った。

    法案の発案者であるジェフ・ラーツ州上院議員(共和党)はBuzzFeed Newsに対して木曜日、メドウローン小学校での一件については知っていたが、水曜日の委員会会議には出席していなかったと語った。

    ラーツ議員は、保安官らが銃乱射事件の状況を再現するという訓練に対する「全体的なアプローチ」は支持するが、「人が傷つくようなことは決して望まない」と語った。

    ラーツ議員は、一般市民の証言を検討するまでは、修正に関しての判断を保留すると述べた。教師が負傷した場合については、訓練を手配した人間を責める、とラーツ議員は語った。

    (使われたプラスチック弾は)「ペイントボールのようなものです」とラーツ議員は語った。「みみず腫れを起こすかどうか分からないのです。」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。